著者
森村 茂 叶 秀娟 重松 亨 木田 建次
出版者
公益社団法人日本生物工学会
雑誌
生物工学会誌 : seibutsu-kogaku kaishi (ISSN:09193758)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.417-423, 2002-09-25
被引用文献数
13

焼酎蒸留残渣を利用して醸造酢を製造する場合,クエン酸耐性を有する酢酸菌を用いて,添加エタノール濃度5%(v/v)の条件で好気培養を行えば,焼酎蒸留残渣の固形分の有無,滅菌の有無,従来法あるいは返し仕込みで副生する焼酎蒸留残渣の種類に関係なく,容易に酢酸発酵が行えることを明らかにした.さらに,流加培養を行うことにより,回分培養と比較してより高い酢酸生成収率が得られた.製造した醸造酢は市販の黒酢と同様の優れた抗ラジカル活性およびACE阻害活性を示し,それらの活性は焼酎蒸留残渣由来の物質によることがわかった.このように,焼酎蒸留残渣から機能性を有する醸造酢を製造することができた.
著者
冨永 昌人 森村 茂
出版者
日本下水道協会
雑誌
再生と利用 (ISSN:03870332)
巻号頁・発行日
vol.39, no.147, pp.73-75, 2015-04

本稿では、最近、我々が取り組んでいる「泥の電池」について紹介したい。ここでの「泥」とは、栄養物を多量に含み、微生物が無数に生息している泥状のモノである。我々の「泥の電池」は、ハイテク材料、ハイテク技術で発電効率を向上しようとする取り組みではない。それも可能とは思うが、コストが高くなる。社会環境インフラが十分に行き渡っていない地域で、お役に立てるものを技術開発したいと考えている。
著者
関 孝弘 森村 茂 重松 亨 前田 浩 木田 建次
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.98, no.12, pp.869-874, 2003-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

S-180をddYマウスの背部に皮下移植し固形腫瘍を形成したマウスに, 0.1%, 0。3%, 0.5%, 1.0%, 1.5%焼酎粕を添加した実験食, および0.3%, 0.5%, 1.0%, 1。5%醸造酢を添加した実験食を投与し, 抗腫瘍活性評価を行った。その結果, 焼酎粕に関しては0.3%以上, 醸造酢に関しては0.5%以上飼料に添加することにより, 1%有意で腫瘍体積の増加を抑制した。また, 腫瘍の増殖を抑制した結果, それらの群では明らかな延命効果を確認することができた。さらに, 0.5%, 1.5%焼酎粕および0.5%, 1.0%, 1.5%醸造酢添加の実験食群では腫瘍が完全に退縮したマウスを確認した。以上の結果から, 焼酎粕および焼酎粕から製造した醸造酢は, 食事投与により少なくとも腫瘍増殖抑制作用としての抗腫瘍活性を有することが明らかとなった。したがって, 我々が製造した醸造酢は, 抗腫瘍効果を有する機能性食品の1つであると言える。
著者
川越 保徳 森村 茂
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

温度や塩分濃度の変化に迅速柔軟に対応できる“淡水-海水コラボレートAnammox 培養系”を構築し,窒素除去特性と細菌群集構造を明らかにした。淡水性と海洋性Anammox細菌の両培養物を反応槽に接種し,淡水,海水,および中間的な培養条件にて連続培養を実施し,全条件下で約5日間以内にAnammox反応特有のNH4-NとNO2-Nの同時除去を確認し,その後0.1g/L/dの窒素容積負荷で安定した窒素除去能を認めた。また,淡水と海水の中間的条件での連絡培養物では,淡水性Anammox細菌と海洋性Anammox細菌の存在比が1:30となり,培養条件の違いによって細菌叢が変化することが明らかになった。