著者
熊野 直樹
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究で明らかにしたように、第二次世界大戦期の独「満」関係においては、国家による一元的な統制の下、阿片とモルヒネが直接取引されていた。しかも大戦末期においては、ドイツ滞貨としてナチの阿片が日本に輸出されていた。ドイツと東アジアとの関係においては、連合国軍による海上封鎖にもかかわらず、独「満」阿片貿易や独日阿片貿易の他に、独日コカ貿易も行われていた。いわば、ナチス・ドイツと日本と「満洲国」間で麻薬貿易が行われていたのであった。大戦中、ナチス・ドイツと日本と「満洲国」は、阿片やコカといった麻薬貿易による緊密な通商関係を維持していたのであった。
著者
熊野 直樹
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

本研究の主たる目的は、第二次世界大戦期の「満」独阿片貿易の実態解明であった。特に、どのような経緯を経て、「満洲国」とナチス・ドイツ間の主要な交易品が満洲大豆から阿片に代わったのか、その際、誰が主導したのか、を明らかにするのが本研究の目的であった。 「満」独通商協定によって、両国は主に満洲大豆とドイツ製機械をバーター取引していたが、満洲大豆の不足によって、「満洲国」側は貿易赤字に陥った。その結果、ドイツ側はその決裁の手段として、満洲大豆に代わって阿片を要求するに至った。1941 年 5 月の「満独通商協定延長に関する第二次協定」において正式に両国の間で、阿片取引がなされることになった。その責任者が、「満洲国」側は古海忠之であり、ドイツ側がドイツ経済使節団代表のヘルムート・ヴォールタートであった。戦時中、両者が両国間の阿片貿易の責任者であった
著者
熊野 直樹
出版者
九州大学法政学会
雑誌
法政研究 (ISSN:03872882)
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.319-346, 2017-12-14
著者
熊野 直樹
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では、ナチス・ドイツの麻薬政策と「大東亜共栄圏」との関係を実証的に明らかにする。具体的には、ナチス・ドイツは「満洲国」から輸入した阿片をモルヒネとして障害者等の「安楽死」にも使用していたのではないか。日本から大量に輸入したコカの葉が、ドイツの麻薬政策としてどのように使用されていたのか。覚醒剤の原料である麻黄は内モンゴルで採取されていたが、この麻黄も独日間で取引されていたのではないのか。第二次世界大戦中「大東亜共栄圏」においては、阿片と戦時重要物資とがバーター取引されていたのではないのか。以上の諸問題を実証的に明らかにするのが、本研究の概要である。
著者
熊野 直樹
出版者
九州大学法政学会
雑誌
法政研究 (ISSN:03872882)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.111-135, 2020-12-18
著者
熊野 直樹
出版者
九州大学法政学会
雑誌
法政研究 (ISSN:03872882)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.47-75, 2019-12-18
著者
熊野 直樹
出版者
学士会
雑誌
学士会会報
巻号頁・発行日
vol.2006, no.3, pp.127-132, 2006-05