著者
熱田 了
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.6, pp.1397-1403, 2013-06-10 (Released:2014-06-10)

気管支喘息患者は気道過敏性を有するために,健常人が問題とならないような,微細な環境変化に反応して発作性の気道収縮(喘息発作;急性増悪)を生じる事がある.重篤な喘息発作は喘息死をもたらす事があるが,喘息死に至る1年前の喘息重症度は重症患者が大半と言う訳ではなく,中等症・軽症を合わせると重症患者を上回る数の喘息死が生じている.そのため,どの重症度の喘息患者にも喘息死が生じる可能性があり,喘息死を減らすためには長期管理薬による慢性期のコントロールが重要であるとともに,急性増悪時の確実な対応も必須である.本稿では急性増悪時の自宅での対応と救急外来での基本的対応に関して述べる.