著者
前田 裕二 安枝 浩 秋山 一男 信太 隆夫 宮本 昭正
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.120-126, 1994
被引用文献数
5

特殊カバー(ミクロガード)によるダニアレルゲン暴露からの防止効果を検討した. 敷布団(日本式マットレス)の右あるいは左半分の面から掃除機で吸塵した. 次いでその敷布団を新しい特殊カバーで被った後にもう一方の面から吸塵し1組のサンプルを得た. 約2週後に同様なことを同じ敷布団で旧いカバー(1年半使用)を用いて行った. 7枚の敷布団を用意し, 14組の塵の検体を得た. 塵を秤量し, 次いでコナヒョウヒダニおよびヤケヒョウヒダニに対するモノクロナール抗体を用いてアレルゲン量を測定した. 塵の量は新旧カバーそれぞれ対照(カバーの無い状態)の1.0%, 2.0%であった. Der I濃度は新旧カバーそれぞれ2.5, 3.3μg/g dustであった. Der II濃度は新旧カバーそれぞれ1.6, 2.3μg/g dustであった. Der I総量は新旧ミクロガードそれぞれ対照の0.1%, 0.5%の量であり, Der II総量はそれぞれ0.2%, 0.7%であった. 濃度の測定が可能であった塵についてDer p, f濃度を比較したところDer I, IIともに種類による有意な差はみられなかった. 以上よりミクロガードは濃度および塵総量の減少に伴いダニアレルゲン曝露からの回避に有効な手段であると結論した.
著者
粒来 崇博 鈴木 俊介 釣木澤 尚実 三井 千尋 東 憲孝 福冨 友馬 谷本 英則 関谷 潔史 押方 智也子 大友 守 前田 裕二 谷口 正実 池原 邦彦 秋山 一男
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.184-193, 2012
参考文献数
22
被引用文献数
2

【背景,目的】強制オッシレーション法は被験者に努力を行わせることなく呼吸抵抗,呼吸リアクタンスといったメカニクスの指標を測定し,スパイロメトリーと違い努力呼気が必要でないことから注目される.近年,本邦より強制オッシレーション法の測定機械としてモストグラフ(チェスト社,東京)が販売され,気管支喘息の診断や治療の指標としての応用が期待されている.そこで,成人の治療中の喘息におけるモストグラフの指標の判定の目安について考察する.【方法】当院外来で治療により安定した気管支喘息患者151症例について同時にFeNO,モストグラフ,スパイログラムを評価,比較した.【結果】%FEV_1,%MMFとモストグラフの各指標は有意な相関を認めたが,Fresと最も強い相関を認めた.%FEV_1予測式は,%FEV_1=-3.174×Fres+115.7であった.また,年齢とX5,Fres,ALX,BMIと全ての指標に有意な相関を認め,年齢や体格によるこれらの指標に対する影響を示唆した.そこで,モストグラフ各指標におけるFEV_1,年齢,BMI,FeNOの関与を評価する目的で重回帰分析を行ったところ,Fresに主たる影響があるのはFEV_1(p<0.001)であるが,BMI(p<0.001)も有意な影響があると考えられた.【考察】モストグラフ法による測定は成人の治療中喘息における気道閉塞を検出するのに優れていた.%FEV_1=60%相当のFresは17.5,%FEV_1=80%相当のFresは11.3,%FEV_1=100%相当は4.94と想定された.
著者
秋山 一男 三上 理一郎 可部 順三郎 江頭 洋祐 岩田 猛邦 田口 善夫 赤木 克巳 竹山 博泰 羽間 収治 浜野 三吾 河田 兼光 信太 隆夫 三島 健 長谷川 真紀 前田 裕二 永井 一成 工藤 宏一郎 佐野 靖之 荒井 康男 柳川 洋 須藤 守夫 坂東 武志 平賀 洋明 上田 暢男 宮城 征四郎 中村 晋
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.41, no.7, pp.727-738, 1992
被引用文献数
15

我が国における成人気管支喘息の実態を, 主として患者へのアンケートを中心に調査し, 小児発症群と成人発症群及び成人再発群の3群に分類しその比較を試みた. 1) 成人喘息に占めるそれぞれの頻度は小児発症群11.1%, 成人発症群77.3%, その他11.6% (成人再発群3.7%及び不明) であった. 2) 成人喘息に占める小児発症群は年齢と共に激減し, 一方成人発症群は年齢と共に増加し50歳以後では90%以上を占めた. 3) 小児発症群では男, アトピー型, アレルギー疾患既往・合併症, 軽症例, 夜間外来受診歴, 発作時O_2吸入・人工呼吸歴の頻度が成人発症群に比べて有意に高く, 他方成人発症群では感染型, 薬剤常用者, ステロイド常用者, 重症, アスピリン過敏症の頻度が小児発症群に比べて高かった. 4) 成人再発群は小児発症群と成人発症群との中間に位置する群と考えられた. 5) 以上より発症年齢を基準とする分類法が現時点で臨床上分類が容易かつ曖昧さが少ない点より, 成人にみられる気管支喘息を小児発症喘息・成人発症喘息・成人再発喘息の3群に分類する新しい分類法を提唱した. この分類は今後成人喘息の病因・病態の解明に有用と考える.