著者
片岡 真
巻号頁・発行日
2009-01-29

多くの大学と同様、九州大学でも雑誌の電子ジャーナル化が進み、冊子体に取って代わってきている。また、図書館の利用統計は、入館、貸出、レファレンス、ILLといった来館サービスと同様に、またはそれ以上に、電子ジャーナル、所蔵検索、文献検索、リンクリゾルバといったeリソースが利用されていることを示しており、ウェブ上での学習・教育・研究支援は重要性を益している。 この発表では、本学で導入した「きゅうとLinQ」(リンクリゾルバ)、「RefWorks」(文献管理)、「どこでもきゅうと」(自宅・出張先からのeリソースアクセス)の事例、および図書館ウェブサイトのリニューアルを紹介する。また、こうした利用環境整備や図書館員による適切なインストラクションが、ユーザーとの繋がりや新たなサービスへのニーズを生み、更なる環境整備の土台となることを説明する。最後に、多様化するeリソースの契約・アクセス・利用を管理するためのERM(eリソース管理)システムの実験について、また図書館が提供する「検索」を整理し、探しやすくするための次世代OPACの検討について、紹介する。 平成20年度国立大学図書館協会地区協会助成事業ワークショップ「大学における研究・教育活動と電子リソース利用の現在」発表資料 平成21年1月29日 広島大学中央図書館ライブラリーホール
著者
伊東 栄典 片岡 真 牧瀬 ゆかり
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.11-15, 2009
被引用文献数
2

Web 上で提供される電子ジャーナル等のe リソースサイトでは,契約した機関の構成員のみが利用できるようにアクセス制限を行っている。組織間の分散電子認証基盤としてShibboleth システムがあり,その利用が進んでいる。さらには Shibboleth を共通の認証基盤として用いる認証フェデレーションが世界で広がっており,日本国内でも学術認証フェデレーション「Gakunin」が設立されている。我々は,これまで九州大学におけるShibboleth の基盤開発を行ってきたが,この度情報統括本部と附属図書館の協力によって,Shibboleth IdP の立ち上げおよび図書館マイアカウントサービスのShibboleth 対応を行った。本稿では,特にGakunin フェデレーションに参加する場合の,Shibboleth IdP における属性問題についての検討と解決案を述べる。また,九州大学におけるShibboleth 導入と評価について述べる。
著者
工藤 絵理子 片岡 真
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.480-498, 2008
被引用文献数
2 4

「Web 2.0」の概念が主流になりつつある現在,図書館の世界でも,ビジュアル化,情報の表紙イメージや内容情報によって情報を強化した「次世代OPAC」が注目を集めている。スペルチェック/サジェスト機能,絞り込み検索,適合度によるソート,利用者参加型機能,統合検索機能などを備えたシステムが注目され,世界各国で開発・運用され始めている。本稿では,まず現在一般的な大学図書館で導入されているOPACの現状を述べ,次に海外での導入事例をもとに,次世代OPACの特徴を具体的に説明する。さらに,現在開発されている主な次世代OPACシステムについてレビューを行う。最後に,これらのシステムを日本の大学図書館で導入する際の課題と,課題解決に向けたいくつかの方法を提示する。<br>