著者
兵藤 健志 工藤 絵理子 越戸 陽子 牧瀬 ゆかり 井川 友利子 大村 武史 片岡 真 星子 奈美 寺田 良司
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.311-326, 2010 (Released:2010-09-01)
参考文献数
41
被引用文献数
1

次世代OPACは,表紙画像やフォーマット等のビジュアル化,内容・目次など豊富な情報の提供,適合度によるソート,絞り込み検索,スペルチェック/サジェスト機能,ユーザー参加型機能など,ユーザー目線のインターフェースにより注目を集めてきた。また最近では,従来からの冊子資料に加え電子ジャーナルや電子ブックなどeリソースへのアクセス,機関リポジトリやデジタル化したコンテンツ等,図書館が提供する多様なコンテンツを集約し,それらの検索機能を提供することから,海外を中心にディスカバリ・インターフェースと呼ばれ始めている。九州大学附属図書館では,海外のオープンソース・ソフトウェアであるeXtensible Catalog(XC)によってディスカバリ・インターフェースCute.Catalogの導入を実現し,2010年4月に試験公開した。本稿では,XC選定までの過程とXCソフトウェアの概要について説明するとともに,本学での導入プロセスや課題の解決,そして今後の展望について紹介する。
著者
工藤 絵理子 片岡 真
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.480-498, 2008 (Released:2008-10-01)
参考文献数
52
被引用文献数
5 4 6

「Web 2.0」の概念が主流になりつつある現在,図書館の世界でも,ビジュアル化,情報の表紙イメージや内容情報によって情報を強化した「次世代OPAC」が注目を集めている。スペルチェック/サジェスト機能,絞り込み検索,適合度によるソート,利用者参加型機能,統合検索機能などを備えたシステムが注目され,世界各国で開発・運用され始めている。本稿では,まず現在一般的な大学図書館で導入されているOPACの現状を述べ,次に海外での導入事例をもとに,次世代OPACの特徴を具体的に説明する。さらに,現在開発されている主な次世代OPACシステムについてレビューを行う。最後に,これらのシステムを日本の大学図書館で導入する際の課題と,課題解決に向けたいくつかの方法を提示する。
著者
片岡 真 香川 朋子
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.464-469, 2014-04-15

近年,テクノロジーの著しい進歩やコンテンツのディジタル化が進み,図書館でも冊子資料に加え,電子ジャーナルや電子書籍,学術データベース,機関リポジトリ,ディジタルアーカイブ,電子教材など,様々なコンテンツをWeb上で提供している.また,貸出更新や施設予約,図書購入,自著のセルフアーカイブなどのサービスもWeb化が進んでいる.九州大学附属図書館では,「すべてのWebサービスを統一的にデザインし,大学の学術コンテンツ基盤として有機的に機能させる」ことを基本コンセプトとし,標準的な技術を用いたユーザインタフェースの構築とデザイン,データ管理システムの統合を進めてきた.そのコンセプトと技術について紹介する.
著者
片岡 真
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.32-37, 2006-01-01
参考文献数
15
被引用文献数
2

九州大学附属図書館では, 情報検索の結果からの一次資料や関連情報へのナビゲーションを目的として, 2005年4月からSerials Solutions社製リンクリゾルバArticle Linkerを導入し, 九州大学附属図書館学術情報リンクサービス「きゅうとLinQ」と名付けてサービスを開始した。本稿では, まずこれまでの本学での「きゅうとLinQ」への取り組みを通して, リンクリゾルバのしくみを説明する。そして学術ポータルには, 学術情報検索の入口としての機能の他に, 情報検索結果から一次資料や関連情報を適切にナビゲートする機能が必要であることを明らかにする。最後に, 今後の電子リソースマネジメントの方向性について考察する。Article Linker, an OpenURL link resolver made by Serials Solutions, was implemented to provide context-Sensitive linking at Kyushu University in April, 2005, and it was named "Cute LinQ", Kyushu University Library's Appropriate Link Resolution. First of all, this article will explain how "cute LinQ" works and how it functions well in recent situations of information retrieval. Then, it is clarified that academic portals are required to navigate to the appropriate copy from search results, in addition to the navigation into various kinds of information retrieval services. At the end, the future developments in electronic resources management will be considered.
著者
角野 香織 佐藤 菜々 中芝 健太 大久 敬子 藤井 伽奈 橋本 明弓 片岡 真由美 里 英子 小林 由美子 増田 理恵 張 俊華 木島 優依子 中村 桂子 橋本 英樹
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.20-088, (Released:2021-01-15)
参考文献数
19

目的 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の急速な感染拡大を前に,保健所は感染者の把握・追跡の中核的役割を担う一方,その機能がひっ迫する事態に陥った。日本公衆衛生学会から保健所機能の支援を訴える声明が発出されたことを受け,教育研究機関に所属する筆者らは,都内保健所での支援に参加した。本報告は,支援の経緯を記述し支援体制への示唆をまとめ,保健所と教育研究機関が有機的に連携するうえで必要な要件を考察すること,支援を通して見えた保健所における新型コロナウイルス感染症への対応の課題を提示すること,そして支援活動を通じた公衆衛生学専門職育成への示唆を得ることなどを目的とした。方法 本支援チームは,2大学の院生(医療職13人・非医療職5人)から構成され,2020年4月から約2月の間支援を行った。支援先は人口約92万人,支援開始当初の検査陽性者累計は約150人,と人口・陽性者数共に特別区最多であった。本報告は,支援内容や支援体制に関する所感・経験を支援メンバー各自が支援活動中に記録したメモをもとに,支援体制の在り方,支援中に得られた学び,支援を進めるために今後検討すべき課題を議論し報告としてまとめた。活動内容 支援内容は,「新型コロナウイルス感染症相談窓口」「帰国者・接触者相談センター」での電話相談窓口業務,陽性者や濃厚接触者への健康観察業務,陽性者のデータ入力他事務業務であった。各自が週1~2日での支援活動を行っていたため,曜日間の情報共有や引継ぎを円滑に行うために週1回の定例ミーティングやチャットツール,日報を活用した。結論 教育研究機関が行政支援に入る際には,感染拡大期の緊張状態にある保健所において,現場の指揮系統などを混乱させないよう支援者として現場職員の負担軽減のために尽くす立場を踏まえること,学生が持続可能な支援活動を展開するための条件を考慮することが必要であることが示唆された。一方,本支援を通して保健所の対応の課題も見られた。行政現場の支援に参加することは,教育研究機関では経験できない現場の課題を肌で感じる貴重な機会となり,院生にとって人材教育の観点でも重要だと考えられた。新型コロナウイルスの感染再拡大ならびに他の新興感染症等のリスクに備え,今後も教育研究機関と行政がコミュニケーションを取り,緊急時の有機的関係性を構築することが求められる。
著者
片岡 真史 岩井 大輔 佐藤 宏介
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.132, no.12, pp.1999-2006, 2012-12-01 (Released:2012-12-01)
参考文献数
9

This paper proposes a novel stage lighting controller in which users can change stage lighting effects by selecting impressions through Kansei words. First, the paper describes a mathematical model that calculates output brightness value of each stage light by emotions to be perceived by audiences and by light information that includes position/orientation, color, and shape of each stage light. Second, a subjective evaluation of stage lightings was carried out in which the subjects observed computer graphics of various stage lightings on a projector screen and answered perceived emotions. Third, a stage lighting system is proposed and implemented, which automatically calculates the output brightness value of each stage light. A user of the system only has to input desired emotions and the light information of each stage light. To evaluate the proposed system, a user study was carried out in which the subjects observed stage lightings generated by the system in a real stage set. The subjects gave positive feedbacks on the usefulness of the system.
著者
日野 幹雄 片岡 真二 金子 大二郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学講演会講演集 (ISSN:04194918)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.1-9, 1968-11-25 (Released:2010-06-04)
参考文献数
16

水面に浮ぶ油膜の消波作用は古くから人々の注目した現象であり, これに関する実験もいくつかみられる。しかし風波の発達と特性に対する油膜効果に関するものは意外に少ない。この論文は小型風胴の測定部に水槽部をもうけて, 表記の点について行なった室内実験の報告である。油としては水に溶解性のヤシ油 (ラウリル硫酸ナトリウムC12H25・O・SO3Na) を用いた。油の表面活性作用による表面張力の変化 (減少) と風波発生の限界風速・波高・fetch graph・spectrumなどの関係について種々興味ある結果が得られた。
著者
片岡 真伊 Mai KATAOKA カタオカ マイ
出版者
総合研究大学院大学文化科学研究科
雑誌
総研大文化科学研究 (ISSN:1883096X)
巻号頁・発行日
no.12, pp.83-101, 2016-03

本稿は、第二次世界大戦後に日本文学の英訳に貢献したエドワード・サイデンステッカー(1921–2007)が、川端康成の小説「伊豆の踊子」を英訳・再翻訳するにあたり、どのように異なる翻訳手法を用いたかを考察したものである。サイデンステッカーはコロラドに生まれ、大学で英文学を専攻した後、第二次世界大戦中にアメリカ海軍日本語学校で日本語を学んだ。アメリカ海兵隊の一員として日本の地に初めて足を踏み入れた後、終戦後に一旦外交官を志すもののその道を諦め、英語圏での日本文学の紹介に尽力した。サイデンステッカーが手掛けた翻訳作品のうち、川端文学は彼の翻訳作品群の中核をなすものであり、中でも「伊豆の踊子」は、初期に取組んだ翻訳作品として、また改訂を行なった最後の翻訳作品として、サイデンステッカーの翻訳手法を検討していくうえで欠くことの出来ない作品である。サイデンステッカーによる「伊豆の踊子」の最初の英訳は、1954年に『アトランティック・マンスリー』の『パースペクティヴ・オブ・ジャパン』と呼ばれる付録冊子に掲載された。大胆な起点テクスト(ST: source text、原文)の削除や省略、調整などを特徴とするサイデンステッカーの訳は、誌内の限られたスペースに掲載するという編集者により課せられた条件のためのみならず、日本のことをほとんど知らない一般読者層を想定した、英語圏でも受容されやすい文体や形式への抄訳・変更を行っている。しかし、サイデンステッカーは、1997年にThe Oxford Book of Japanese Short Storiesのため、「伊豆の踊子」を再翻訳している。この改訳版の英訳文は、省略部分を元に戻し、また加筆を取払うことにより、原文に寄り添った英訳へとその姿形を変えている。このような変化を含む二つの異なる版の翻訳を比較検討することにより、本稿では、訳者自身が言うところの「読者を甘やかす」翻訳から「几帳面な」翻訳への推移を、主に周縁のエピソードや登場人物の削除、そしてテクスト内の異文化要素(CSIs: Culture Specific Items)に焦点をあて考察する。また、こうしたアプローチに反映されている翻訳者の姿勢の変容についても触れ、翻訳者としてのスキルの向上や原文解釈の深化、そして英語圏での日本文化の認知のされ方の変化などを含む、訳文および翻訳者を取り巻く文化的・社会的背景が翻訳に与えた影響についても論じる。This paper will explore how the translation strategy of Edward G. Seidensticker (1921–2007) shifted between his two English versions of "The Izu Dancer" (1954 and 1997). As an undergraduate at the University of Colorado, he majored in English Literature. Seidensticker joined the Navy Japanese Language School during World War II and went to Japan as a member of the U.S. Marine Corps. After the War ended, he gave up the idea he had of becoming a diplomat and started to translate modern Japanese fiction. The literature of Kawabata Yasunari was one of his focuses throughout his career; among the works he translated, "Izu no odoriko" 伊豆の踊子 (The Izu Dancer) is of particular importance. It was the very first Kawabata translation that Seidensticker attempted, and since he revised it at the end of his career, it shows his changing approach and method as he matured as a translator.Seidensticker published his first English rendition of Kawabata's "Izu no odoriko" in Perspective of Japan: An Atlantic Monthly Supplement in 1954, early in his career as a translator. Bold omissions, interpolations and modulations of the ST (source text, i.e. original text) were made in order to fit the work into the limited space given to him by the editor, but also to tailor it into a more accessible literary form for general readers of that time, who still knew little about Japan. In 1997, however, he retranslated "The Izu Dancer", this time as an unabridged translation for The Oxford Book of Japanese Short Stories. All omitted parts were restored, interpolations removed, and further changes were made to bring the TT (target text, i.e. translated text) closer to the ST.By comparing these two English translations of "The Izu Dancer," this paper will illustrate the ways in which Seidensticker's 1997 translation strategy had shifted from that of 1954, focusing on omissions of subsidiary episodes and characters, and the treatment of culture-specific items (CSIs). I will also demonstrate how a translator's attitude towards translation can change over time along with the maturation of skills, change in understanding of the ST, and more crucially, the social and cultural context of the time when a work is being translated.
著者
片岡 真
出版者
大学図書館問題研究会
雑誌
大学の図書館 (ISSN:02866854)
巻号頁・発行日
vol.24, no.8, pp.161-164, 2005-08
被引用文献数
1 2

九州大学附属図書館では、2005年4月からSerials SolutionsのA.M.S.(電子ジャーナル集)及びArticle Linker(リンクリゾルバ)を導入した。このうち「きゅうとLinQ」としてサービスするリンクリゾルバは、学内外から大きな反響があり、Web上での図書館サービスの新しい方向性を示した。本稿では、これらの導入経緯、効果を説明し、図書館サービスへの位置づけを行う。また参考資料として、国内で販売されている電子ジャーナル集/リンクリゾルバの製品一覧を付けた。
著者
野田 英明 吉田 幸苗 井上 敏宏 片岡 真 阿蘓品 治夫
出版者
国立国会図書館 関西館 図書館協力課
雑誌
カレントアウェアネス (ISSN:03878007)
巻号頁・発行日
no.307, pp.4-7, 2011-03-20
被引用文献数
1

現在、大学を始めとする教育・研究機関で提供される電子コンテンツの大半は、出版社などのベンダーと各機関との間でライセンス契約を結んでいるもので、その認証は、IPアドレスによって行われることが多い。しかし、米国情報標準化機構(NISO)のワーキンググループであるSERU(Shared Electronic Resource Understanding)がガイドラインとして示したように、一般的に教育機関に所属する学生、教職員等のユーザは、キャンパス外からでもこうしたライセンスリソースへのアクセスが認められるようになってきている。これを技術的に実現するために、VPNや、リバースプロキシなどが用いられてきた。なかでもEZproxyは、ユーザ側が特別なソフトウェアをインストールすることなく、ユーザID/パスワードによりアクセスできること、また電子コンテンツへのアクセスに特化しており、利用者コミュニティが充実していることなどから、図書館で広く使われてきた。このような状況のなか、最近、IPアドレス認証に代わり、機関が個人認証を行う技術としてShibboleth(シボレス)が注目を集めている。IPアドレスによる認証が、キャンパスという「物理的な場所」に基づいて認可を行うのに対し、Shibbolethによる認証は、アクセスする利用者の「属性」(所属部局、教員/学生など)に基づいた認可を実現している。また、キャンパスの内外を意識することなく各サービスへアクセスできること、シングルサインオン(SSO)、パーソナル機能との連携、ユーザ管理の利便性向上などのメリットもある。さらに、ライセンスリソースへのアクセス認証管理を一元化するため、英米を始めとする世界各国で、国レベルのShibbolethフェデレーションを運用する動きが広がりを見せており、日本でも国立情報学研究所(NII)を中心とした「学術認証フェデレーション」(学認:GakuNin)が立ち上がっている。また、GakuNinの運用を行うため、NIIと大学関係者により、「学認タスクフォース」が立ち上がっており、筆者らは図書館関係者としてこのタスクフォースに参加している。本稿では、Shibbolethについて国内外の動向をまとめるとともに、GakuNinの取り組みを紹介する。
著者
片岡 真 大西 賢人 井川 友利子 西川 真樹子 栃原 幸恵 天野 絵里子
出版者
メディア教育開発センター
雑誌
メディア教育研究 (ISSN:18846777)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.19-31, 2011-03-03

図書館が扱う学術情報は,電子ジャーナルやデータベース,学術情報リポジトリの例に見られるように,電子化が進み,ユーザはこれらの電子リソースにWebを通じてアクセスすることが主流になった。多様な携帯デバイスを用いた電子書籍の利用もこれからますます増加していく。一方,図書館の外のWebの世界では,GoogleやAmazonなどが検索の周辺技術を進化させ,ユーザがリソースを利用するための,より利便性の高い検索とインターフェースを提供しており,そのようなWebの環境に慣れ親しんだユーザの期待と図書館の提供するソリューションにはギャップがあった。しかしながら,ようやく図書館のサービスにもこのような最新のユーザ利用支援技術の実装が進んできている。本稿は,図書館で実践が行われつつある様々なユーザ支援技術として,ディスカバリ・インターフェースとWebスケール・ディスカバリ・サービスを基点として,シラバス連携などのサービスを紹介する。また,現在国内の多くの図書館が抱えているWeb技術適用に関する課題として,システム調達と人材開発における問題点を指摘し,持続可能な発展という観点から,その打開策を探る。最後に,図書館がWeb技術を身につけた上で,今後どのような役割を担うことができるのか,一つの方向性を提示する。It has become common for library users to access to electronic resources which libraries provide via the Internet, such as electronic journals, databases and institutional repositories. Usage of e-book on diverse mobile devices may increase more than ever. As Google and Amazon provide advanced search technologies and interfaces to give users a better findability and accessibility, there has been a gap between library solutions and expectations from users, who are familiar with such Web environment. However, the implementation of advanced Web technologies into library services has been promoted these days. This article, at first, introduces such user support technologies as discovery interface, Web-scale discovery and cooperation with Learning Management Service. Secondly, we discuss a common issue shared with libraries in Japan, lying in the system procurement and human resource development, from the point of view of sustainable evolution. At last, we propose a new role of libraries beyond implementation of the Web technologies.
著者
片岡 真 大西 賢人 井川 友利子 西川 真樹子 栃原 幸恵 天野 絵里子
出版者
放送大学ICT活用・遠隔教育センター
雑誌
メディア教育研究 (ISSN:18846777)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.S19-S31, 2011

図書館が扱う学術情報は,電子ジャーナルやデータベース,学術情報リポジトリの例に見られるように,電子化が進み,ユーザはこれらの電子リソースにWebを通じてアクセスすることが主流になった。多様な携帯デバイスを用いた電子書籍の利用もこれからますます増加していく。一方,図書館の外のWebの世界では,GoogleやAmazonなどが検索の周辺技術を進化させ,ユーザがリソースを利用するための,より利便性の高い検索とインターフェースを提供しており,そのようなWebの環境に慣れ親しんだユーザの期待と図書館の提供するソリューションにはギャップがあった。しかしながら,ようやく図書館のサービスにもこのような最新のユーザ利用支援技術の実装が進んできている。本稿は,図書館で実践が行われつつある様々なユーザ支援技術として,ディスカバリ・インターフェースとWebスケール・ディスカバリ・サービスを基点として,シラバス連携などのサービスを紹介する。また,現在国内の多くの図書館が抱えているWeb技術適用に関する課題として,システム調達と人材開発における問題点を指摘し,持続可能な発展という観点から,その打開策を探る。最後に,図書館がWeb技術を身につけた上で,今後どのような役割を担うことができるのか,一つの方向性を提示する。
著者
角野 香織 増田 理恵 張 俊華 木島 優依子 中村 桂子 橋本 英樹 佐藤 菜々 中芝 健太 大久 敬子 藤井 伽奈 橋本 明弓 片岡 真由美 里 英子 小林 由美子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.186-194, 2021

<p><b>目的</b> 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の急速な感染拡大を前に,保健所は感染者の把握・追跡の中核的役割を担う一方,その機能がひっ迫する事態に陥った。日本公衆衛生学会から保健所機能の支援を訴える声明が発出されたことを受け,教育研究機関に所属する筆者らは,都内保健所での支援に参加した。本報告は,支援の経緯を記述し支援体制への示唆をまとめ,保健所と教育研究機関が有機的に連携するうえで必要な要件を考察すること,支援を通して見えた保健所における新型コロナウイルス感染症への対応の課題を提示すること,そして支援活動を通じた公衆衛生学専門職育成への示唆を得ることなどを目的とした。</p><p><b>方法</b> 本支援チームは,2大学の院生(医療職13人・非医療職5人)から構成され,2020年4月から約2か月の間支援を行った。支援先は人口約92万人,支援開始当初の検査陽性者累計は約150人,と人口・陽性者数共に特別区最多であった。本報告は,支援内容や支援体制に関する所感・経験を支援メンバー各自が支援活動中に記録したメモをもとに,支援体制の在り方,支援中に得られた学び,支援を進めるために今後検討すべき課題を議論し報告としてまとめた。</p><p><b>活動内容</b> 支援内容は,「新型コロナウイルス感染症相談窓口」「帰国者・接触者相談センター」での電話相談窓口業務,陽性者や濃厚接触者への健康観察業務,陽性者のデータ入力他事務業務であった。各自が週1~2日での支援活動を行っていたため,曜日間の情報共有や引継ぎを円滑に行うために週1回の定例ミーティングやチャットツール,日報を活用した。</p><p><b>結論</b> 教育研究機関が行政支援に入る際には,感染拡大期の緊張状態にある保健所において,現場の指揮系統などを混乱させないよう支援者として現場職員の負担軽減のために尽くす立場を踏まえること,学生が持続可能な支援活動を展開するための条件を考慮することが必要であることが示唆された。一方,本支援を通して保健所の対応の課題も見られた。行政現場の支援に参加することは,教育研究機関では経験できない現場の課題を肌で感じる貴重な機会となり,院生にとって人材教育の観点でも重要だと考えられた。新型コロナウイルスの感染再拡大ならびに他の新興感染症等のリスクに備え,今後も教育研究機関と行政がコミュニケーションを取り,緊急時の有機的関係性を構築することが求められる。</p>
著者
大向 一輝 飯野 勝則 片岡 真 塩崎 亮 村上 遥
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.152-158, 2021-04-01 (Released:2021-04-01)

学術情報流通はその性質上,複数の機関による連携を必要とするため,これを支える情報システムは,相互運用性を高めるべく策定された技術標準を参照して開発されている。また学術情報流通に関する業務は多岐に渡ることから,包括的な単一の標準ではなく,役割や機能に応じて関連するコミュニティが主導する形でさまざまな標準が作られてきた。本稿では,図書館の業務・サービスに関連する技術標準を,書誌情報,相互貸借と貸出管理,検索とデータ連携,利用統計とユーザ認証に分類して概説する。
著者
角野 香織 増田 理恵 張 俊華 木島 優依子 中村 桂子 橋本 英樹 佐藤 菜々 中芝 健太 大久 敬子 藤井 伽奈 橋本 明弓 片岡 真由美 里 英子 小林 由美子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
2021

<p><b>目的</b> 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の急速な感染拡大を前に,保健所は感染者の把握・追跡の中核的役割を担う一方,その機能がひっ迫する事態に陥った。日本公衆衛生学会から保健所機能の支援を訴える声明が発出されたことを受け,教育研究機関に所属する筆者らは,都内保健所での支援に参加した。本報告は,支援の経緯を記述し支援体制への示唆をまとめ,保健所と教育研究機関が有機的に連携するうえで必要な要件を考察すること,支援を通して見えた保健所における新型コロナウイルス感染症への対応の課題を提示すること,そして支援活動を通じた公衆衛生学専門職育成への示唆を得ることなどを目的とした。</p><p><b>方法</b> 本支援チームは,2大学の院生(医療職13人・非医療職5人)から構成され,2020年4月から約2月の間支援を行った。支援先は人口約92万人,支援開始当初の検査陽性者累計は約150人,と人口・陽性者数共に特別区最多であった。本報告は,支援内容や支援体制に関する所感・経験を支援メンバー各自が支援活動中に記録したメモをもとに,支援体制の在り方,支援中に得られた学び,支援を進めるために今後検討すべき課題を議論し報告としてまとめた。</p><p><b>活動内容</b> 支援内容は,「新型コロナウイルス感染症相談窓口」「帰国者・接触者相談センター」での電話相談窓口業務,陽性者や濃厚接触者への健康観察業務,陽性者のデータ入力他事務業務であった。各自が週1~2日での支援活動を行っていたため,曜日間の情報共有や引継ぎを円滑に行うために週1回の定例ミーティングやチャットツール,日報を活用した。</p><p><b>結論</b> 教育研究機関が行政支援に入る際には,感染拡大期の緊張状態にある保健所において,現場の指揮系統などを混乱させないよう支援者として現場職員の負担軽減のために尽くす立場を踏まえること,学生が持続可能な支援活動を展開するための条件を考慮することが必要であることが示唆された。一方,本支援を通して保健所の対応の課題も見られた。行政現場の支援に参加することは,教育研究機関では経験できない現場の課題を肌で感じる貴重な機会となり,院生にとって人材教育の観点でも重要だと考えられた。新型コロナウイルスの感染再拡大ならびに他の新興感染症等のリスクに備え,今後も教育研究機関と行政がコミュニケーションを取り,緊急時の有機的関係性を構築することが求められる。</p>
著者
片岡 真吾 川内 秀之
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.103-111, 2010-10-30 (Released:2010-12-10)
参考文献数
19

小児において頸部腫脹をきたす疾患はリンパ節病変のほか,先天性の嚢胞性疾患や脈管性疾患が多い。われわれが経験した3症例(川崎病,下咽頭梨状陥凹瘻,嚢胞性リンパ管腫)を提示し,診断および治療上の問題点を検討した。川崎病の症例は,抗菌薬投与で改善されず,γグロブリン製剤とステロイド薬の併用投与で治癒した。下咽頭梨状陥凹瘻の症例は,診断の遅れから深頸部感染症を生じてから受診した例であった。嚢胞状リンパ管腫の症例は,他院で手術後再発をきたした症例であり,当科で再手術を行いその後経過良好である。嚢胞状リンパ管腫やがま腫などの嚢胞性疾患は,外科的摘出術だけでなく,近年はOK-432による硬化療法も有効であるとの報告もあり,十分検討のうえ治療法を選択する必要がある。
著者
蘆田 真吾 片岡 真一 山崎 一郎 山下 元幸 大橋 洋三 森岡 政明 執印 太郎
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.567-570, 1997-08

45歳女.全身倦怠感,口渇,視力低下を主訴として入院,糖尿病を指摘されており血圧194/100mmHg,腹部CTで右副腎は雪だるま型,左は球状に腫大,副腎シンチグラムで両側副腎に集積がみられ,両側副腎多発腺腫又は結節性過形成によるクッシング症候群と診断手術右副腎に黄褐色の腫瘤とblack adenomaの2種類と左副腎に黄褐色の腫瘤が認められた.high performance liquid chromatographyにて右のblack adenomaと左副腎腫瘍のコルチゾール,11デオキシコルチゾール含量はもう一つの腫瘍及び左腫瘍周囲組織に比べて高かった.術後ハイドロコーチゾンの補充療法を行い,術後ACTHは正常範囲となり,CRH負荷試験も正常範囲に回復したWe report a case of Cushing's syndrome due to bilateral adrenal adenomas. A 45-year-old woman was found to have Cushing's syndrome during the course of treatment for diabetes mellitus. The diagnosis of Cushing's syndrome was based on the absence of a diurnal rhythm in plasma cortisol and failure to suppress plasma cortisol by 1 or 4 mg of dexamethasone. The plasma level of adrenocorticotropic hormone (ACTH) was below the normal range, and plasma cortisol responded normally to rapid ACTH injection. Abdominal computed tomography revealed bilateral adrenal tumors. Bilateral uptake of radiocholesterol by the adrenal cortex was observed in adrenal scintigraphy. Bilateral adrenalectomy was performed. Microscopic examination and analysis of steroid contents by high performance liquid chromatography showed that the tumor was cortisol-producting adenoma.
著者
片岡 真
出版者
九州大学附属図書館研究開発室
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.20-24, 2004

2004年12月に上海において開催された第7回アジア電子図書館国際会議[7th International Conference on Asian Digital Libraries (ICADL 2004)]の概要について報告する。あわせて視察する機会を得た復旦大学及び上海交通大学の図書館の状況について報告する。
著者
片岡 真吾 川内 秀之
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.113-117, 2007-10-31 (Released:2010-07-27)
参考文献数
18
被引用文献数
7

神経鞘腫は良性腫瘍であるが,稀に悪性化するとの理由で,神経とともに完全摘出される例が報告されている。しかし,われわれが検索しえた限りでは,神経鞘腫が悪性化した例についての報告例は現在まで29例であった。その中で頸部に発生した例は10例であり極めて稀であった。この結果,神経鞘腫の治療は,臨床経過を考慮したうえで,神経機能を温存し腫瘍を完全摘出する術式(被膜間摘出術)が妥当であると考えられた。