著者
牧野 茂義 福田 隆浩 上田 章
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.323-325, 2001-02-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

症例は28歳,男性.発熱と全身倦怠感にて発症し,重度の貧血を認め,ヒトパルボウイルスB19 (B19)による赤芽球癆と診断した. B19-IgG抗体の産生により貧血は改善したが, 4カ月後にB19-lgG抗体が消失し貧血が再燃した.輸血とγグロブリン製剤投与にて貧血は改善したが, 2年経過した現在もB19-IgM, IgG抗体とも陽性で軽度の貧血を認めている.健康成人が何らかの理由でB19を排除できず持続感染を起こした稀な症例と考えられた.