著者
鈴木 和貴 永春 圭規 蜂矢 健介 西村 廣明 松本 剛史 俵 功
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.224-228, 2022 (Released:2022-04-06)
参考文献数
15

非典型溶血性尿毒症症候群(atypical hemolytic uremic syndrome, aHUS)は,先天性あるいは後天性の補体制御の異常と,それに伴う全身性微小血管塞栓を来す致死的な疾患である。ウイルス感染など免疫賦活を契機に溶血発作を引き起こすことが報告されている。症例は38歳男性,受診7年前にC3遺伝子異常を伴うaHUSと診断されていた。来院3日前にCOVID-19と診断された。自宅療養方針となっていたが,翌日から尿が茶褐色となり,尿量減少を自覚したため,当院受診となった。COVID-19によるaHUSの溶血発作と診断し,eculizumab 900 mg/bodyの単回投与を行い,溶血発作は速やかに改善した。COVID-19がaHUSの溶血発作を生じる症例は複数例報告されており,eculizumabの治療が溶血発作のみならずCOVID-19の重症化予防にも効果がある可能性が指摘されている。発症早期からのeculizumab治療導入の有効性を示唆する症例であり,報告する。
著者
松本 剛史 佐藤 重穂
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.97, no.5, pp.238-242, 2015-10-01 (Released:2015-12-23)
参考文献数
20

キバチ共生菌キバチウロコタケを人工的に接種したヒノキ丸太と対照丸太を2013年春期に野外に設置し, キバチ類に産卵させた。すると2014年度春期から夏期にかけてキバチ類が羽化脱出してきた。羽化脱出してきたキバチ類は全てオナガキバチであった。また, 羽化脱出してきたオナガキバチは全てキバチウロコタケ接種丸太からであった。産卵選好性の比較でも接種丸太を好んで産卵していることが明らかとなった。またキバチウロコタケ子実体発生丸太での成虫発生数が多く, 繁殖成功度も高かった。本試験によって野外においてもキバチ共生菌が接種された材を選好して産卵・羽化脱出していることが明らかとなった。
著者
原田 裕基 松本 剛史 藤田 昌宏
雑誌
研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.2011-SLDM-150, no.12, pp.1-6, 2011-05-11

高位設計記述において、シミュレーションや形式的手法によって機能仕様に反する実行例(反例)が発見された場合、その反例や機能仕様を参照しながら、設計記述をデバッグする必要がある。本稿では、このように反例に基づくデバッグ作業を支援する手法を提案する。具体的には、与えられた反例および正しい実行例から、全てのテストパタンを正しく実行するための設計記述修正の候補を形式的に求める。これにより、設計者は、修正すべき箇所と修正方法の候補を得ることができ、より効率的にデバッグ作業を行えることが期待できる。提案手法では、反例入力パタンによって正しい実行結果を得るためには、どの変数値を実行値とは異なる値に置換すれば良いか、を SMT ソルバーを用いて解いている。加えて、効率的に修正候補を求めるために、設計を分割し、部分的にこれを適用する手法を提案する。実験により、提案手法によって、設計中の設計誤りを正す修正を求めることがでることを示す。