著者
猿渡 亜由未 渡部 靖憲
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.16-20, 2009 (Released:2010-02-09)
参考文献数
9

Local surface deformations of the wave breaking jets were computed using a three-dimensional large eddy simulation. The typical counter-rotating vortices formed with the jet entrains the adjacent jet surface into inner fluid to penetrate the jet, forming a so-called finger jets. The tips of the fingers are fragmented into sprays. The breakup rate of the fingers and the volume fraction of the resulting sprays have also been statistically estimated in this paper. It has been found that local acceleration along the fingers determines the breakup rate as well as the fluid fraction.
著者
猿渡 亜由未 渡部 靖憲
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_1537-I_1542, 2015

急速な気圧の低下を伴い冬季に特に多く発生する爆弾低気圧は発生頻度,強度ともに増加傾向にあると言われており,近年の冬季の気候を決定する重要なファクターとなっている.2014年12月には日本海上で二つの大きな爆弾低気圧が相次いで発生し,北陸から北海道にかけての日本海側の広い範囲に高波被害をもたらした.本研究では過去36年間の気象再解析データと過去19年間に渡る波浪観測データを基に近年日本周辺における冬季の低気圧が頻発化傾向にあり,それに伴い高波リスクが増大していることを示す.さらに波浪推算結果から2014年12月に発生した爆弾低気圧に伴う高波の発生機構を説明し,本イベントがこれまでの典型的な西高東低の冬型の気圧配置に伴う高波とは全く異なる特徴を有していた事を示す.
著者
久保 慎也 二宮 順一 森 信人 馬場 康之 水谷 英朗 久保 輝広 内山 雄介 渡部 靖憲 山田 朋人 大塚 淳一 猿渡 亜由未
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_487-I_492, 2016
被引用文献数
1

台風イベント時の水温躍層の破壊・再形成のプロセスに着目して,観測データの解析を行うことでプロセスの経過について検討した.水温躍層は水域内の流動に大きな影響を与え,水質問題が生じる要因にもなるため,詳細な現象の把握が求められている.そこで本研究では,台風イベント時の観測データからブラント・バイサラ振動数およびリチャードソン数を算出し,成層の安定性を評価した.その結果,密度成層期には,まず高波浪により成層の安定が崩され強風により更に不安定さが促進されるという仮説を得た.また,混合期は成層が不安定で,台風接近前からシア流の不安定が生じていて混合が生じていることがわかった.これらの結果を踏まえて,更にTS図を作成し混合期の水塊の特性を評価した.
著者
猿渡 亜由未 (2008-2009) 猿渡 亜由来 (2007)
出版者
北海道大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

平成20年度までの研究により,水塊ジェットや実験室スケールの砕波ジェットが着水したときに放出される二次ジェットが水面下の三次元渦構造との相互作用を経由してフィンガー形状及び飛沫へと分裂するメカニズムについて明らかにしたと共に,砕波ジェットのボイド率(体積率)分布を,ジェットの着水条件から予測する為のモデルを構築した.このジェットのボイド率はジェット-壁体衝突時の圧力応答を決定する重要なファクターとなる.フィンガーのサイズや飛沫の生成量等を決定する砕波ジェットの着水条件は,沿岸域における波浪条件により規定され,生成した飛沫の陸域への飛散量や沿岸域における波浪条件は海上の気象条件に依存する.そこで本年度我々は,メソスケール数値気象モデルによる沿岸域気象場の再現を行うと共に,その時の砕波飛沫の生成,輸送,拡散過程の数値計算法の開発を行った.数値気象モデルとして用いたのは近年よく用いられているWeather Research and Forecasting(WRF)を用いた.本モデルにより大量の砕波飛沫が生成された2009年台風18号通過時の気象場の追算を行い,計算結果の沿岸域海上気象場(気圧,風速,風向等)を観測結果と比較し,その再現性を確認した.今後,気象モデルを波浪推算モデルとリンクさせれば,荒天時の波浪場の再現を行う事もできる.また,飛沫の飛散過程は,飛沫濃度の移流拡散方程式を解く事により求めた.沿岸域の飛沫濃度分布を現地観測した既往研究の結果と数値計算結果とを比較し,濃度分布の再現性を確認した.