著者
鶴田 燃海 王 成 加藤 珠理 向井 譲
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.99, no.5, pp.210-213, 2017-10-01 (Released:2017-12-01)
参考文献数
28
被引用文献数
1

‘染井吉野’ は日本で最も親しまれているサクラの品種で,エドヒガンとオオシマザクラとの雑種といわれている。本研究はエドヒガン,オオシマザクラそれぞれ3 集団で ‘染井吉野’ の連鎖地図に座乗するSSR マーカー 27 座の遺伝子型を決定し,この野生種における対立遺伝子頻度を基に ‘染井吉野’ のそれぞれの対立遺伝子の起源を推定した。54 個の ‘染井吉野’ 対立遺伝子のうち,44.4% がエドヒガン由来,33.3% がオオシマザクラ由来と推定された。残りの22.2% は,どちらの種でも頻繁にみられるまたは両種ともに稀な対立遺伝子のため,由来は不明とした。染色体ごとにみると,複数の染色体でエドヒガンとオオシマザクラに由来する領域とが混在していた。この結果は, ‘染井吉野’ の染色体が乗り換えを経て形成されたことを意味し, ‘染井吉野’ が1回の種間交雑による雑種ではなく,より複雑な交雑に由来することが示唆された。
著者
王 成
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.117-145, 2004-12-27

本稿は漱石文学の読者層を解明するために、当時流行していた<修養>思想をめぐる研究の一環である。先行の漱石研究では、<修養>を無視したために、多くの問題が解明されていないのではなかろうかという疑問から始まって、近代における<修養>という言葉がいつ、どのように現れたか、<修養>という概念がいかに解釈されたか、<修養>をめぐる近代日本の言説空間がどのように形成されたか、という課題について、解明しようとしたものである。
著者
王 成
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.117-145, 2004-12

本稿は漱石文学の読者層を解明するために、当時流行していた<修養>思想をめぐる研究の一環である。先行の漱石研究では、<修養>を無視したために、多くの問題が解明されていないのではなかろうかという疑問から始まって、近代における<修養>という言葉がいつ、どのように現れたか、<修養>という概念がいかに解釈されたか、<修養>をめぐる近代日本の言説空間がどのように形成されたか、という課題について、解明しようとしたものである。本稿では、明治から大正にかけては、教養という言葉より<修養>という言葉のほうがよく使われていたことを明らかにした。中村正直の『西国立志編』(Self-Help)から始まって、自分自身を修練する「自修」的な教育という理念が浸透していった。<修養>は、翻訳語として現れる以前には、漢語の熟語としてはあまり使われていなかった。したがって、<修養>は、古典的な儒教道徳の意味を担った言葉ではなく、近代的な用語として誕生したのである。伝統的な道徳が崩壊し、新しい道徳の建設のために、個人を中心とした<修養)が、伝統と近代、東洋と西洋とが衝突する時代に、広まっていった。東西の学問を身につけた知識人が、<修養>を近代的な新しい倫理の理念として取り入れたのである。<修養>の流行に伴って、修養運動が広まり、ベストセラーになった修養書が修養理念を流行させ、定着させた。本稿ではさらに、<修養>の時代に、<修養>提唱者として活躍した人物やその著作を分析し、また修養団体の活動のひろがりの実態を調査することによって、<修養>の広範な広がりを確認した。
著者
鶴田 燃海 王 成 加藤 珠理 向井 譲
出版者
日本森林学会
巻号頁・発行日
vol.99, no.5, pp.210-213, 2017 (Released:2018-04-20)

‘染井吉野’は日本で最も親しまれているサクラの品種で,エドヒガンとオオシマザクラとの雑種といわれている。本研究はエドヒガン,オオシマザクラそれぞれ3集団で‘染井吉野’の連鎖地図に座乗するSSRマーカー27座の遺伝子型を決定し,この野生種における対立遺伝子頻度を基に‘染井吉野’のそれぞれの対立遺伝子の起源を推定した。54個の‘染井吉野’対立遺伝子のうち,44.4%がエドヒガン由来,33.3%がオオシマザクラ由来と推定された。残りの22.2%は,どちらの種でも頻繁にみられるまたは両種ともに稀な対立遺伝子のため,由来は不明とした。染色体ごとにみると,複数の染色体でエドヒガンとオオシマザクラに由来する領域とが混在していた。この結果は,‘染井吉野’の染色体が乗り換えを経て形成されたことを意味し,‘染井吉野’が1回の種間交雑による雑種ではなく,より複雑な交雑に由来することが示唆された。
著者
鶴田 燃海 王 成 加藤 珠理 向井 譲
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.99, no.5, pp.210-213, 2017
被引用文献数
1

<p> '染井吉野' は日本で最も親しまれているサクラの品種で,エドヒガンとオオシマザクラとの雑種といわれている。本研究はエドヒガン,オオシマザクラそれぞれ3 集団で '染井吉野' の連鎖地図に座乗するSSR マーカー 27 座の遺伝子型を決定し,この野生種における対立遺伝子頻度を基に '染井吉野' のそれぞれの対立遺伝子の起源を推定した。54 個の '染井吉野' 対立遺伝子のうち,44.4% がエドヒガン由来,33.3% がオオシマザクラ由来と推定された。残りの22.2% は,どちらの種でも頻繁にみられるまたは両種ともに稀な対立遺伝子のため,由来は不明とした。染色体ごとにみると,複数の染色体でエドヒガンとオオシマザクラに由来する領域とが混在していた。この結果は, '染井吉野' の染色体が乗り換えを経て形成されたことを意味し, '染井吉野' が1回の種間交雑による雑種ではなく,より複雑な交雑に由来することが示唆された。</p>
著者
鶴田 燃海 王 成 向井 譲
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.321-325, 2012
被引用文献数
4

ソメイヨシノは日本のサクラを代表する園芸品種の一つで,自家不和合を示すことが知られている.本研究は,自家不和合性や花粉親による交雑親和性の違いがどの時期に起こるのかを明らかにすることを目的とし,ソメイヨシノを種子親とした人工交配実験を行い,花粉管伸長および結実の特性を交配処理ごとに調べた.自家花粉管は,授粉から10日経っても花柱の基部に到達しておらず,ソメイヨシノにおいて見られる自家不和合性は,花柱での花粉管伸長抑制による結果であることが確認された.このとき自家授粉処理による果実は,授粉から20日後までにすべて落下した.一方他家花粉管は,授粉後3日にはほとんどが花柱の基部まで達しており,また授粉から10日後における花粉管が花柱基部に到達している花柱の割合には,花粉親による違いは見られなかった.花粉親の違いが見られたのは,授粉からおよそ20日後の,生存果実の割合においてであった.授粉から20日以降,他家授粉による果実はほとんど落下せず,授粉からおよそ50日の6月上旬にほぼすべての果実が黒く成熟した.<br>
著者
鶴田 燃海 王 成 向井 譲
出版者
園芸学会
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.321-325, 2012 (Released:2013-10-08)

ソメイヨシノは日本のサクラを代表する園芸品種の一つで,自家不和合を示すことが知られている。本研究は,自家不和合性や花粉親による交雑親和性の違いがどの時期に起こるのかを明らかにすることを目的とし,ソメイヨシノを種子親とした人工交配実験を行い,花粉管伸長および結実の特性を交配処理ごとに調べた。自家花粉管は,授粉から10日経っても花柱の基部に到達しておらず,ソメイヨシノにおいて見られる自家不和合性は,花柱での花粉管伸長抑制による結果であることが確認された。このとき自家授粉処理による果実は,授粉から20日後までにすべて落下した。一方他家花粉管は,授粉後3日にはほとんどが花柱の基部まで達しており,また授粉から10日後における花粉管が花柱基部に到達している花柱の割合には,花粉親による違いは見られなかった。花粉親の違いが見られたのは,授粉からおよそ20日後の,生存果実の割合においてであった。授粉から20日以降,他家授粉による果実はほとんど落下せず,授粉からおよそ50日の6月上旬にほぼすべての果実が黒く成熟した。
著者
王 成
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国際日本文学研究集会会議録 = PROCEEDINGS OF INTERNATIONAL CONFERENCE ON JAPANESE LITERATURE (ISSN:03877280)
巻号頁・発行日
no.19, pp.77-86, 1996-10-01

Autumn Sorrow (aki no nageki) is a short story by Fukunaga Takehiko, first published in the literary magazine "Meiso" in November, 1954.One of many experimental works by Fukunaga, who is regarded primarily as an avant-garde writer, this story is highly complex in both language and design. The reader is drawn into the solitary world of the heroine Sanae, whose brother died by his own hand one autumn night ten years earlier. In his depiction of her lonely existence, Fukunaga resolutely confronts "time"― here portrayed as a phenomenon of evil -and analyses in detail the interaction between time and fiction. In this paper I would like to consider the relation in the story between the structure of time and the development of the narrative. In Autumn Sorrow, the author consciously denies the continuity of time by overlapping and intertwining past and present within the story, thus advocating to the reader a restructuring of time guided by the creation and judgement of reader and author. Fukunaga constantly shifts time from the present to the past in successive sentences, or even within a single sentence. I would like to examine the ways in which Fukunaga deals with these timeshifts.Autumn Sorrow develops the theme of combining the chronological time of the story itself with the psychological time of the heroine, Sanae. I would like to examine the function of time and memory within the structure of the story.Fukunaga sees creative co-operation between reader and author as the ideal component for construction of a story. To draw the reader completely into the world of the story, he has created not just an artificial time structure, but a story in which he measures the distance between the author, the characters, and the reader. In Autumn Sorrow, direct and indirect narratives are skillfully mixed, with dialogue expressed on the same level as the prose, removing the borders between the real world and the inner world of the characters, aiming at a single level for reader, characters, and author.The principal motifs of the story are war, and the heredity of madness. The construction of the story, involving as it does the setting and solving of various puzzles, leaves the story open to numerous, many-sided interpretations.
著者
王 成
巻号頁・発行日
2013

筑波大学修士 (情報学) 学位論文・平成25年3月25日授与 (30975号)