著者
三隅 二不二 石田 梅男
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.148-158, 1972-03-31 (Released:2010-11-26)
参考文献数
5
被引用文献数
1

二段階の監督レベルを含むリーダーシップ類型の相異が, 集団成員の動機づけ, 終末結果に及ぼす効果差を, とくにリーダーシップ・タイプの相補性効果の観点から吟味するため, 実験室的状況を設定した。独立変数として, 第二線監督の指導類型PM型, P型, M型, 第一線監督の指導類型PM型, P型, M型, pm型を構成し, これらの二段階のリーダーシップ・スタイルの組合せのもとで, 集団成員は, IBMカードの穿孔数を3人が協同して数える単純作業に従事させられた。被験者は無作為に実験集団の一つに割り当てられた。一集団は3名の作業者で構成された。3人の被験者よりなる2~3集団は, 1名の監督者のもとで作業を行なったのであるが, これを更にもう1人の第二線監督者が監督した。第二線監督者は, 常時実験室には駐在せずに, ときどき実験室を巡回して, 第一線監督者を指導した。この意味において, 第二線監督者の集団成員に対する影響は第一線監督者を媒介した間接的なものであるが, 第二線監督者と第一線監督者との会話は, すべて部下達の面前で行なわれたので, 第二線監督者の存在とその行動様式は, 集団成員にとって現実的なものであった。被験者は, 平均年齢22才の男子, 63名。第一線監督者は, 心理学専攻の大学院生10名。第二線監督者は, 心理学研究室の助教授3名。1回の作業時間は15分, 1日2回, 全部で8回作業を行なった。結果を要約すれば, 次の通りである。1. 実験者によって設定されたリーダーシップ条件と被験者の認知的反応が一致したものをもって, リーダーシップ条件とした。2. 終末結果としての生産性指数においては, 試行回数の後半において, PM類型群が, 全試行を通じてP-Mが上位であり, 重複類型群であるP-P, M-M及びP-pmは生産性指数が低位であった。3. 集団成員の状況満足度については, 生産性指数ほど明瞭な結果は見出せなかったが, PM類型群全体の得点は, 重複類型群の得点よりも有意に高く, 有意差はないが, 単型Pと単型Mの相補群が中間の得点を示した。
著者
田 梅
出版者
山口大学大学教育機構
雑誌
大学教育 (ISSN:13494163)
巻号頁・発行日
no.9, pp.65-78, 2012-03

流行語は社会の意識を反映し、価値観の変化を伝え、世相を生き生きと映した言葉であると思う。広辞苑には「流行語はある期間、興味を持たれて多くの人に盛んに使用される語」と記されている。近年、中国では人生の大きなイベントである結婚、結婚式などについての流行語が多種多彩である。その中で、「…婚族」という流行語も生まれた。2010年日中韓三大学交流のディベートテーマは「私の結婚観」である。三カ国・15名の在学生が、結婚に対する自分の考えと将来の理想像について討論した。本稿は、日中韓各大学に在学中の15名の学生の結婚観を参考しながら、現在、中国で結婚に関する流行語となっている「…婚族」を分析して、中国での結婚の現実について述べた。
著者
飯田 梅子
出版者
札幌大学
雑誌
文化と言語 : 札幌大学外国語学部紀要 (ISSN:03891143)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.117-151, 2013-03
著者
都田 梅司 谷川 久一 奥田 邦雄
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.547-550, 1971-06-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
10

47才の男性.狩猟にて捕獲した野兎を生食し, 2日後に発熱,頚部リンパ節の腫大を来たし,野兎病の疑いで入院.理学的所見では,両側頚部リンパ節腫大,口蓋扁桃軽度腫大を認め,他に著変なく,検査で白血球増多を認めた他は著変がなかつた.リンパ節の組織所見は好中球の浸潤強く,小膿瘍形成を示した.血清凝集反応で, Francisella turalensis陰性, Brucella陰性,Pasteurella multocida陽性で,凝集価は経日的に上昇した.また患者の長男も同様に生肉を食したが,臨床症状の発現はなく,血清凝集反応のみが陽性で,不顕性感染と思われる. a. b. penicillin投与により約1週間で発熱下降,約2日でリンパ節は縮小し,白血球増多も消失した.ヒトにおけるPasteurella multocida感染の報告は外国では今日まで138例あるが,本邦では最初と考えられる.