著者
尾﨑 充希 塩津 裕康 田中 悟郎 岩永 竜一郎
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.87-97, 2022-08-31 (Released:2023-02-28)
参考文献数
18

特別支援学校高等部に通う脳性まひ者2名に対して主体的に問題を解決する力を育むために、日常作業遂行に対する認知オリエンテーション(CO-OP)を基盤とした個別介入を行い、その有用性を検証することを目的とした。その結果、生徒自身で目標を設定し、認知戦略を発見し、目標を達成することができた。カナダ作業遂行測定(COPM)、ゴール達成スケーリング(GAS)、遂行の質評定スケール(PQRS)の数値が、事前評価から事後評価で生徒2 名ともに向上し、その後のフォローアップにおいても効果を維持することができた。そのうち1名の生徒は、Vineland-Ⅱの粗大運動のスコアが、事前評価の22点から事後評価では34点に向上した。本研究により、脳性まひ者の主体的な学びの実現を目指すために、CO-OPを基盤とした個別介入が特別支援教育の場において有効であることが示唆された。
著者
中根 秀之 田中 悟郎 木下 裕久 一ノ瀬 仁志
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

この研究の目的は、長崎でFEPの発生率を明らかにすることである。 我々は、1年の期間(2011年8月から2012年7月まで)の間、コホート研究を行った。 研究対象者は、キャッチメントエリアである長崎市近郊の精神科医療機関を受診した長崎市に在住する初診患者である。合計25人がFEPと特定された。 推定された年間発生率は、(概算にて)10,000人につき0.76であった。 精神病未治療期間の中央値は49日、平均値は1278日であった。 昭和53年~54年に長崎市で実施されたWHO共同研究DOSMeD Studyと比較したところ、概算では年間新規発症率が低い値となることが現在までの調査で推定された。