著者
大隈 光善 福島 裕助 田中 浩平
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.109-113, 1994-08-05
被引用文献数
6

スクミリンゴガイは、水稲の移植直後の苗やレンコン等の水生作物を食害する有害小動物として知られている。ここでは貝による除草効果と水稲の移植苗に対する被害防止法等を検討し、生物的防除用素材としての可能性を明らかにした。1.貝は水田雑草全般をよく摂食し、1日当たりの摂食量は殻高3cmの貝で生草重約3gであった。2.貝が摂食できる雑草の大きさとしては、タイヌビエ3〜4葉期(草丈15cm程度)以下までであった。3.田植15日後(タイヌビエ3葉期頃)まで落水ないし浅水管理とし、貝の活動を抑えることにより、苗の被害を軽減できた。
著者
田中 浩司
出版者
九州大学
雑誌
九州大学心理学研究 (ISSN:13453904)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.139-146, 2000-03-10

本研究は,鬼ごっこにおける役割取得の困難性について検討したものである。幼稚園の3歳児・4歳児・5歳児クラスの子ども達を被験児とし,1)ルール理解課題2)身体を用いず情動を活性化させない場面としての「人形での鬼ごっこ課題」3)身体を用い情動を活性化させる場面としての「身体を用いた鬼ごっこ課題」の3課題を行った。子ども達の行動は(1)追いかける(2)逃げるの成功・失敗及び,(3)逃げるときに追う(4)追うときに逃げる(5)逃げるときにタッチするの失敗行動に分類された。結果は,ルール理解ができていない場合,役割取得が完全にはできない傾向が見られた。また,情動が活性化される実際の鬼ごっこ場面において,役割取得が困難になる場合があるものの,そこに発達的特徴は見出せなかった。
著者
豊川(任) 貴弘 小川 正文 高島 勉 山崎 政直 田中 浩明 坂崎 庄平
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.266-271, 2003-04-01
被引用文献数
2

症例は50歳の女性.心窩部痛を主訴に来院し,腹部単純X線写真上,仰臥位では右上腹部に胆嚢およびその左側で総胆管の走行に一致した淡い石灰化様陰影を認め,立位ではこの胆嚢様の石灰化様陰影は下に凸の半月様に変形を示した.CT,DICなどにより総胆管結石,胆嚢結石,石灰乳胆汁と診断し手術を施行した.胆嚢の病理所見は慢性胆嚢炎で,総胆管結石はコレステロール79%,炭酸カルシウム21%で胆嚢内の石灰乳胆汁は98%以上が炭酸カルシウムであった.石灰乳胆汁は炭酸カルシウムを主成分とし,腹部単純X線写真上,特徴的な石灰化像を示すことで知られる.その生成には胆嚢管または頸部の閉塞が必要で,通常は胆嚢内にしかみられないが,ごくまれに総胆管内にもみられる.自験例は嵌頓結石とともに総胆管へ石灰乳胆汁が流出したと思われる症例で,本邦報告21例を検討し報告する.