著者
田中 浩 五月女 和男
出版者
一般社団法人 軽金属学会
雑誌
軽金属 (ISSN:04515994)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.62-68, 1957-01-30 (Released:2008-10-30)
参考文献数
5

With a growing demand for the extensive use of Magnesium alloy materials of good mechanical and thermal properties, studies on the effect of the addition of Zirconium to Magnesium alloys have heretofore been continued pretty laboriously. However, little investigation on of the addtion of Zirconium to wrought, especially rolled, Magnesium alloy materials has been reported yet.So that we studied the characteristics of Magnesium rolled sheets containing Zirconium of various amount. The results obtained were as follows;(1) The addition of Zirconium was much effective to refinement of the ingot structure which resulted in the better ingot working.(2) As for mechanical properties, it improved the ductility of the alloy much better than that of Magnesium alone.(3) It raised up the recrystallization temperature.(4) It improved workalilities of Mg-Zr rolled sheet.(5) As to the orientation, its strength decreares with an increase of Zirconium addition.
著者
田平 隆行 榊原 淳 沖 英一 田中 浩二
出版者
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科保健学専攻
雑誌
保健学研究 (ISSN:18814441)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.19-24, 2008
被引用文献数
2

本稿では,長崎市における特定高齢者施策「うつ・閉じこもり・認知症予防事業」の開始へ向けた認知症介護予防モデル事業の紹介と介入成果について報告する.対象は,軽度認知症及びその疑い者82名の内,事業参加が5/9回以上の52名を有効対象者とした.開催頻度は,2回/1月(隔週),事業回数は,評価2回,介入7回の計9回とした.プログラム内容は,学習療法,拮抗体操・記憶ゲーム等を用いたレクリエーション療法,創作活動とした.その結果,注意配分機能,短期記憶の認知機能と自己効力感が向上した.認知症の早期に障害される注意配分機能や短期記憶に視点をおいたプログラムや達成感や有能感を得るような活動を実施することが重要であることが示唆された.
著者
田中 浩二
出版者
日本精神保健看護学会
雑誌
日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.33-42, 2011-01-30 (Released:2017-07-01)
参考文献数
16

本研究は,精神科病院に長期入院を余儀なくされた患者が体験している生活世界を明らかにすることを目的とした質的記述的研究である.研究参加者は,精神科病院に10年以上入院している患者12名であり,参加観察と半構造的面接によりデータを収集し,質的帰納的に分析した.その結果,長期入院患者は【失ってしまったものが多く自らの存在が危うくなるような体験をしている】が,【入院前の自分らしい体験に支えられた生活】や【入院生活のなかでみつけた小さな幸せ】【病棟内から社会とのつながりを見いだそうとする工夫】【生きていくうえでの夢や希望】を拠り所に生活していることが明らかになった.長期入院患者の看護では,喪失体験に対する共感的理解とともに,その入らしい生活を送ることができるような場や人とのつながりを探求していくことが重要である.
著者
中村 雅俊 池添 冬芽 梅垣 雄心 西下 智 小林 拓也 田中 浩基 藤田 康介 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0402, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】スタティックストレッチング(SS)は筋の柔軟性の改善を目的として広く用いられている。SSが筋の柔軟性に与える影響については,関節可動域(ROM)を指標として検討されることが多い。しかし,ROMは対象者の痛みに対する慣れなどの影響があるため,近年では関節を他動的に動かした時に生じる受動トルクあるいは受動的トルクと関節角度との関係(角度―トルク曲線)から求めた筋腱複合体(MTU)全体のスティフネスを柔軟性の指標として用いることが推奨されている。我々は腓腹筋MTUを対象にSSが受動トルクに及ぼす影響を経時的に検討し,腓腹筋の柔軟性を増加させるには最低2分間以上のSS時間が必要であることを報告した(Man Ther, 2013)。しかし,筋の柔軟性を増加させるために必要なSS時間については対象筋によって異なる可能性が考えられる。そこで本研究は臨床においてSSを行う機会が多いハムストリングスを対象筋とし,5分間のSSがハムストリングスMTUに及ぼす影響を経時的に検討し,ハムストリングスの柔軟性を増加させるために必要なSS時間について明らかにすることを目的とした。【方法】対象は下肢に神経学的及び整形外科的疾患を有さない健常若年男性15名(平均年齢23.4±2.2歳,股関節90°屈曲位での膝最大伸展角度-33.4±6.1,最大膝伸展時の受動的トルク40.6±11.4Nm)の利き脚(ボールを蹴る)側のハムストリングスとした。スティフネスの評価は等速性筋力測定装置(Biodex社製Biodex system 4.0)を用い,背臥位にて骨盤を軽度前傾位に固定した状態で,股・膝関節90°屈曲位から痛みが生じる直前まで角速度5°/秒で他動的に膝関節を伸展させた際に得られる膝屈曲方向に生じる受動トルクの計測を行った。この受動トルクと膝関節角度との角度―トルク曲線を求め,先行研究に従って最終10%の角度範囲の傾きをスティフネス(Nm/°)と定義した。SSは等速性筋力測定装置を用い,スティフネスの測定と同様に股関節90°屈曲位で膝関節を伸展していき,痛みが生じる直前の膝関節角度で1分×5回(計5分間)のSSを行った。SS開始前(SS前)とSS開始後1分毎にスティフネスの評価を行った。なお,SS開始後のスティフネスの評価,すなわち最終10%の角度範囲での角度―トルク曲線の傾きの算出については,SS前と同様の角度範囲を用いた。統計学的処理は,SS前とSS後1分毎のスティフネスについて,一元配置分散分析とScheffe法における多重比較検定を用いて比較した。有意水準は5%未満とした。なお,結果は全て平均±標準誤差で示した。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は所属施設の倫理委員会の承認を得て(承認番号E-1877),文書および口頭にて研究の目的・主旨を説明し,同意が得られた者を対象とした。【結果】ハムストリングスのスティフネスはSS前:1.23±0.24Nm/°,SS後1分:1.14±0.17Nm/°,SS後2分:1.08±0.16Nm/°,SS後3分:0.90±0.18Nm/°,SS後4分:0.83±0.16Nm/°,SS後5分:0.74±0.11Nm/°であった。一元配置分散分析の結果,スティフネスに有意な変化が認められ,多重比較の結果,SS前と比較してSS後3,4,5分目で有意に低値を示した。さらに1分目と比較して4,5分目,2分目と比較して5分目で有意に低値を示した。【考察】本研究の結果,スティフネスはSS前と比較してSS後3,4,5分目で有意に低値を示したことから,SS開始後3分目以降でハムストリングの柔軟性向上効果が得られることが示された。我々は腓腹筋の柔軟性を増加させるためには最低2分間のSSが必要であることを報告しており,ハムストリングスの柔軟性を増加させるために必要なSS時間と乖離がある。その要因としては,筋の断面積の違いと耐えうる最大の受動的トルク,つまりSS強度に違いがあることが関連していると考えられる。筋の断面積ではハムストリングスの方が腓腹筋よりも大きく,SS強度に関しては腓腹筋の方がハムストリングスよりも強かった(腓腹筋:49.4±12.4Nm,ハムストリングス:40.6±11.4Nm)。これらの結果より,ハムストリングスは腓腹筋よりも断面積が大きく,弱い強度でのSSしか行えなかったため,柔軟性を増加させるためには腓腹筋よりも長い時間である3分間のSS時間が必要になった可能性が考えられる。【理学療法学研究としての意義】理学療法分野においてSS介入を行うことが多いハムストリングスの柔軟性を増加させるために必要なSS時間を検討した結果,最低3分のSS時間が必要であることが示唆された。
著者
田中 浩
出版者
山口県立山口博物館
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010

・研究目的ヤマネGlirulus japonicusは、ヤマネ科Gliridaeに属する1属1種の日本固有の小型哺乳類である。1975年に天然記念物に指定され、環境省のレッドリストでは準絶滅危惧に指定されている。主に夜行性で、樹上をおもな生活の場とし、さらに生息密度が低いため、調査が困難であった。近年、調査機器の発達と調査方法の確立により、生態や生活史特性が明らかになりつつある。しかし、関西以西の本州・四国・九州では調査はほとんどなされておらず、依然、生態や生活史については謎のままである。本州西端山口県におけるヤマネの冬眠、繁殖、個体間関係、生息環境利用などを明らかにし、ヤマネの生活史特性を解明し、東日本個体群との生活史特性の差異を明らかにしたい。・研究方法調査地に20m間隔の格子状のグリッドを設定し、その交点近くの木の1-1.5mの高さに、出入り口直径3cm、高さ20cm×幅15cm×奥行15cmの巣箱を150個設置した。利用個体調査は原則月2回以上実施した。また、トラップによる捕獲を試みた。ヤマネ捕獲個体は、すべて体重・頭胴長・尾長・後肢長・耳長などの計測を行い、幼獣以外の個体にはマイクロチップを皮下に挿入し、個体識別を行った。巣箱利用個体が撮影されるように、赤外線センサーによる自動撮影カメラや自動撮影ビデオカメラを設置し、巣箱の利用実態調査を行った。成獣には、発信機を体表面背中側に装着した。・研究成果ヤマネの巣箱利用は、4月の巣箱設置後すぐに利用する個体があらわれた。4月~11月は巣箱利用個体の撮影ができた。幼獣は9月から11月に観察され、11月の体重が15gにも達していない個体があった。早い個体は11月には冬眠に入ったが、遅い個体は12月になり冬眠した。これまで、調査が進んでいる中部地方の長野県の個体群に比べると、冬眠期間は短がかった。ヤマネが持ち込む巣材は、スギの樹皮で、細かく引き裂き持ち込んでいた。成獣と幼獣の巣の大きさに違いがあり、幼獣は単独で越冬していた。調査地には、複数個体のヤマネが生息し、繁殖・冬眠などの生態調査の適地であることがわかった。
著者
森田 淳 小松 敏 光部 貴士 中村 和洋 川瀬 領治 仲谷 正史 田中 浩也
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.434-455, 2020-04-15

従来,3Dプリンタは3次元形状の自由なデザイン性に注目されてきたが,医療分野を初めとした個別化製造への適用実現には,形状だけでなく物理特性の自由度が求められている.また,熟練設計者の勘と経験だけでなく,ユーザの感性を生かした設計が必要とされている.近年では,材料分野で形状によって物理特性を発現するArchitected Materialの研究が進められている.本報では,ウレタンエラストマを用いた周期構造(ラティス)によって3DプリンタによってArchitected Materialを作製し,インソールの形状と硬さを,装着者の感性にしたがって自由に設計するためのプラクティスについて述べる.
著者
西下 智 簗瀬 康 田中 浩基 草野 拳 中尾 彩佳 市橋 則明 長谷川 聡 中村 雅俊 梅垣 雄心 小林 拓也 山内 大士 梅原 潤 荒木 浩二郎 藤田 康介
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【目的】肩関節は自由度が高く運動範囲が広いが,関節面が小さいため回旋筋腱板(腱板)の担う役割は重要である。肩関節周囲炎,投球障害肩などに発生する腱板機能不全では棘上筋,棘下筋の柔軟性低下が問題となることが多く,日常生活に影響を及ぼすこともある。柔軟性向上にはストレッチング(ストレッチ)が効果的だが,特定の筋の効果的なストレッチについての研究は少ない。棘下筋に関してはストレッチの即時効果を検証する介入研究が行われているが,棘上筋ではほとんど見当たらない。棘上筋の効果的なストレッチは,複数の書籍では解剖学や運動学の知見をもとに,胸郭背面での内転(水平外転)位や伸展位での内旋位などが推奨されているが定量的な検証がなされていないため,統一した見解は得られていないのが現状である。棘上筋のストレッチ肢位を定量的に検証したのはMurakiらのみであるが,これは新鮮遺体を用いた研究であり,臨床応用を考えると生体での検証が必要である。これまで生体における特定の筋のストレッチ方法を確立できなかった理由の一つに,特定の筋の伸張の程度を定量的に評価する方法が無かったことが挙げられる。近年開発された超音波診断装置のせん断波エラストグラフィー機能を用いることで,計測した筋の伸張の程度の指標となる弾性率を求める事が可能になった。我々はこれまでに様々な肢位での最大内旋位の弾性率を比較する事により「より大きな伸展角度での水平外転・内旋もしくは,最大伸展位での内旋」が棘上筋の効果的なストレッチ方法であると報告(第49回日本理学療法学術大会)したが,最大内旋を加える必要性については未検証であった。そこで今回我々は,効果的な棘上筋のストレッチ方法に最大内旋が必要かどうかを明らかにすることを目的とした。【方法】対象者は健常成人男性20名(平均年齢23.8±3.1歳)とし,対象筋は非利き手側の棘上筋とした。棘上筋の弾性率の計測は超音波診断装置(SuperSonic Imagine社製)のせん断波エラストグラフィー機能を用い,棘上筋の筋腹に設定した関心領域の弾性率を求めた。計測誤差を最小化できるように,計測箇所を肩甲棘中央の位置で統一し,2回の計測の平均値を算出した。弾性率は伸張の程度を表す指標で,弾性率の変化が高値を示すほど筋が伸張されていることを意味する。計測肢位は,上腕の方向条件5種と回旋条件2種を組み合わせた計10肢位とした。方向条件は下垂位(Rest),胸郭背面での最大水平外転位(20Hab),45°挙上での最大水平外転位(45Hab),最大水平外転位(90Hab),最大伸展位(Ext)の5条件,回旋条件は中間位(N)と最大内旋位(IR)の2条件とした。統計学的検定は各肢位の棘上筋の弾性率について,方向条件と回旋条件を二要因とする反復測定二元配置分散分析を行った。なお統計学的有意水準は5%とした。【結果】全10肢位のそれぞれの弾性率(平均±標準偏差,単位:kPa)はRestNが8.9±3.1,RestIRが7.3±2.5,20HabNが11.9±5.3,20HabIRが10.9±4.3,45HabNが27.1±11.0,45HabIRが28.0±13.8,90HabNが22.6±7.8,90HabIRが27.3±10.8,ExtNが31.0±7.2,ExtIRが31.8±8.4であった。統計学的には方向条件にのみ主効果を認め,回旋条件の主効果,交互作用は認めず,中間位と最大内旋位に有意な違いがなかった。方向条件のみの事後検定ではRestに対して20Hab,45Hab,90Hab,Extの弾性率が有意に高値を示し,更に20Habに対して45Hab,90Hab,Extの弾性率が有意に高値を示した。【考察】棘上筋のストレッチ方法はこれまでの報告同様,Restに比べ20Hab,45Hab,90Hab,Extが有意に高値を示した事,また,20Habに比べ45Hab,90Hab,Extが有意に高値を示した事から,伸展角度が大きい条件ほどより効果的なストレッチ方法であることが再確認できた。しかし,回旋条件の主効果も交互作用も認めなかったことから最大内旋を加えることでの相乗効果は期待できない事が明らかとなった。この結果は新鮮遺体での先行研究が推奨する最大伸展位での水平外転位を支持するものであった。このことから書籍などで推奨されていた胸郭背面での水平外転位のストレッチについては水平外転や内旋よりも伸展を強調すべきであることが明らかとなった。【理学療法学研究としての意義】本研究では弾性率という指標を用いる事で,生体の肩関節において効果的な棘上筋のストレッチ方法が検証できた。その肢位はより大きな伸展角度での水平外転もしくは最大伸展位であったが,最大内旋を加えることによる相乗効果は期待できないことが明らかとなった。
著者
大石 博之 小林 央宜 尹 禮分 田中 浩一 中山 弘隆 古川 浩平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.107-118, 2007 (Released:2007-03-20)
参考文献数
3
被引用文献数
1

斜面の災害危険度を評価することは,効率的に防災事業を進めるための重要な課題である.これについては詳細な調査や安定解析に基づいた評価を個別に行うことが望ましいが,対象数が膨大であるため困難となることが多い.そこで,本研究では数理的手法のひとつであるサポートベクターマシンを活用し,各斜面の諸元データと災害履歴を学習することで災害危険度を評価することを試みた.道路沿線斜面のデータを例とした分析では,従来法以上の高い精度で危険度が評価できることが判明した.また,既に対策済みの斜面については,無対策斜面データのみの学習結果に基づく評価と対策済み斜面のみでのそれとを比較することで,対策工効果の指標値を得ることを発案した.これらの成果は,防災事業を進めていく上で大変有効なものと考えられる.
著者
田中 浩司
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.212-223, 2010 (Released:2012-03-27)
参考文献数
28
被引用文献数
5

本研究の目的は, 集団に対する指導という観点から, 保育者による鬼ごっこの指導の枠組みを明らかにすることである。対象者は, 年長クラスにおいて継続的に鬼ごっこを指導した経験のある, 幼稚園教諭と保育士, 合計10名である。詳細な半構造化面接を行い, 552分に及ぶインタビューデータを得た。修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を用いて分析した結果, 14の概念と4つのカテゴリーが生成され, 全てのカテゴリーと関連する「遊びの流れ作り」がコア・カテゴリーとして位置づけられた。保育者による鬼ごっこの指導は, 次のようなプロセスによって構成されることが示された。保育者はまず, 集団としての「遊びの流れ作り」を行い, その流れの中に子ども自身の意志で参加するように「主体的参加への誘導」を行う。その上で, 子ども自身で遊びをコントロールすることが出来るようにする「自己メンテナンス化」に向けた指導を行っていた。また, 子どもの遊び経験をつなぎ合わせ, 経験に連続性を持たせる「経験の積み上げ」は, 他の3つのカテゴリーをつなぐように機能していることが示された。
著者
田中 浩介 浦辺 幸夫 是近 学 勝 真理 大窪 伸太郎 松井 洋樹 大林 弘宗 菅田 由香里 越田 専太郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0397, 2006 (Released:2006-04-29)

【目的】非接触型の膝前十字靭帯(ACL)損傷は、ジャンプ着地動作、ストップ動作、カッティング動作などのスポーツ動作時に多く発生している。近年のビデオ解析により、動作時の脛骨の過剰な回旋や脛骨の前方移動がACL損傷を助長する可能性があると考えられている。我々は動的に脛骨の移動量および大腿骨、脛骨の回旋角度を測定可能な膝関節動作解析装置(以下、装置)を製作し、3次元での運動解析を行っている(2005)。本研究は、装置を用いてACL損傷好発肢位を抑制するために開発された膝サポーターの効果を運動学的に解析することを目的とした。【方法】対象は下肢に特別な既往のない女性10名とした。対象は課題動作として、30cm台から両脚での着地動作を行った。装置を用いて着地動作中の大腿骨および脛骨の回旋角度を測定した。角度表記は外旋をプラス、内旋をマイナスとした。本研究で用いた膝サポーターは、ACL損傷の受傷好発肢位を抑制するために開発されたものであり、テーピング効果をより得られるように工夫された構造を有している。測定は、膝サポーター非装着時、比較のための既存膝サポーター装着時、開発された膝サポーター装着時にそれぞれ行い、膝サポーター装着により大腿骨および脛骨の回旋角度に差がみられるか検討した。【結果】足尖接地時における大腿骨および脛骨回旋角度(平均値±標準偏差)は、それぞれ膝サポーター非装着時に33.6±14.9度、-27.0±15.8度、既存膝サポーター装着時に21.7±11.7度、-21.3±12.1度、開発された膝サポーター装着時に5.8±2.3度、-4.3±0.4度であった。大腿骨に対する脛骨の回旋角度は膝サポーター非装着時に-62.4±37.3度、既存膝サポーター装着時に-43.1±23.4度、開発された膝サポーター装着時に-10.1±2.7度であった。いずれも膝サポーター非装着時、既存膝サポーター、開発された膝サポーターの順に絶対値は小さな値となった。【考察】本研究では、膝サポーター装着によりジャンプ着地時の大腿骨および脛骨の回旋角度が変化するかを確かめた。膝サポーター装着により大腿骨および脛骨の回旋角度の絶対値は減少する傾向がみられ、開発された膝サポーターのほうが、既存のサポーターよりも回旋角度の抑制が強かった。また、足尖接地時には、いずれも脛骨は大腿骨に対して相対的に内旋していたが、開発されたサポーター装着時に最も小さな値であった。ACLは走行上、下腿が内旋した際に伸張される。開発された膝サポーターの装着により、着地初期の内旋角度は非装着時と比較して、およそ1/6まで減少していた。以上のことより、開発された膝サポーターは着地時のACLに加わるストレスを減少させ、ACL損傷を予防することができる可能性が示唆された。
著者
関根 雅人 田中 浩也
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.335-342, 2009
参考文献数
15

This paper describes "ene-geometrix", an installation using fluid thermal convection phenomena. We produced this work to make an opportunity when people obtain the insight to the energy system symbolizing the today's paradigm shift from the mechanical view of nature to the view of nature by the theory of life. In this installation, applied the flow visualization method and the technology of the control engineering, various shapes are drawn on a liquid surface by the flow caused by the thermal actuator control and the Self-organization phenomena.
著者
中間 満雄 田中 浩 石井 泉 中田 悟
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.19-25, 2009
被引用文献数
1

活性酸素種 (ROS) は紫外線によって生成され,さまざまな皮膚障害をひき起こす。最近,一酸化窒素 (NO) やパーオキシナイトライト (ONOO<sup>-</sup>) などの活性窒素種 (RNS) が,ROSと同様にさまざまな皮膚障害に関与していることが明らかとなってきた。これまでに,紅斑,メラニン生成,バリア機能の低下,創傷治癒および乾癬などに対するRNSの関与が示唆されており,美しい肌を保つためにはRNSの制御が重要であると考えられる。しかし,RNSの寿命は非常に短いため,RNSを直接的に観測した例はほとんどみられない。本研究では,RNSに特異的な蛍光プローブを用いることにより,表皮角化細胞へのUVB照射によるRNS生成量の増加を直接的に観測した。一方,UVB照射によるRNS生成量の増加は,新規な水溶性ビタミンE誘導体である<i>dl</i>-<i>&alpha;</i>-トコフェリルリン酸ナトリウム (VEP) によって抑制された。さらに,UVB照射によるRNSの生成は,神経型一酸化窒素合成酵素 (nNOS) を介したメカニズムによって起こることが示唆された。以上から,RNSによるさまざまな皮膚障害に対してVEPが有効である可能性が考えられた。
著者
中間 満雄 田中 浩 石井 泉 中田 悟
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.19-25, 2009-03-20 (Released:2011-12-06)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

活性酸素種 (ROS) は紫外線によって生成され,さまざまな皮膚障害をひき起こす。最近,一酸化窒素 (NO) やパーオキシナイトライト (ONOO-) などの活性窒素種 (RNS) が,ROSと同様にさまざまな皮膚障害に関与していることが明らかとなってきた。これまでに,紅斑,メラニン生成,バリア機能の低下,創傷治癒および乾癬などに対するRNSの関与が示唆されており,美しい肌を保つためにはRNSの制御が重要であると考えられる。しかし,RNSの寿命は非常に短いため,RNSを直接的に観測した例はほとんどみられない。本研究では,RNSに特異的な蛍光プローブを用いることにより,表皮角化細胞へのUVB照射によるRNS生成量の増加を直接的に観測した。一方,UVB照射によるRNS生成量の増加は,新規な水溶性ビタミンE誘導体であるdl-α-トコフェリルリン酸ナトリウム (VEP) によって抑制された。さらに,UVB照射によるRNSの生成は,神経型一酸化窒素合成酵素 (nNOS) を介したメカニズムによって起こることが示唆された。以上から,RNSによるさまざまな皮膚障害に対してVEPが有効である可能性が考えられた。
著者
田中 浩也 小檜山 賢二 井尻 敬
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究は、微小オブジェクト(5ミリ~数センチ)を対象に、その計測からテクスチャ付き3Dモデル生成までの工程を自動化することを目的とする。特に、微小オブジェクトの表面の模様(テクスチャ)の計測は,通常の写真撮影ではピンボケが発生してしまうため,深度合成技術を採用する。また,複雑な構造を持つ微小オブジェクトの精密な形状取得のため,本研究では形状モデリングにX線CT計測を応用する。初年度では、CT画像によるモデル(モデルA)とSfM法によるモデル(モデルB)の組み合わせによる高解像度のカラーテクスチャ付き高精度モデルの生成自動化に目途をつけた。具体的には以下のサブ課題を実施した。●A1)研究環境の整備 :大型CT装置の整備、および、自動写真撮影装置の設計と構築を行った。●A2)CT画像分割ソフトウエアの実装 :CT画像から昆虫領域を分割する機能を,分担研究者が開発中の画像処理ソフトウエアRoiPainter3D上へ追加した。また,このソフトウエアを拡張することで4DCT画像の解析も試み,研究成果を発表した。●A3)深度合成映像の取得: オブジェクトを中心にカメラを平行移動・回転させながら自動撮影(XY平面:10度間隔、Z軸:3方向、各角度において合焦点位置を変化させた50カットの合計5400カットを撮影)した後、この写真群から108の深度合成映像を自動生成する環境を構築した。●A4)CTモデル/SfM法モデルの自動位置合わせ: CTから生成したモデルAと写真から生成したモデルBを位置あわせ(コンピュータによる自動位置合わせソフトを開発)し,モデルBにモデルAのテクスチャを転写する手法を実現した。●A5)モデルの構築:上記技術を利用し,実際に昆虫サンプルの計測を行うことで40例程度の三次元モデルの構築を行った。
著者
岡崎 好秀 東 知宏 田中 浩二 石黒 延技 大田原 香織 久米 美佳 宮城 淳 大町 耕市 松村 誠士 下野 勉
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.310-318, 1998-07-30
被引用文献数
11

カリオスタットと齲蝕の関係について数多くの報告があるが,歯周疾患との関係については少ない。学童期における歯肉炎の多くは,不潔性歯肉炎であり,齲蝕と同様プラークが原因である。そこで中学生437名を対象に,齲蝕活動性試験カリオスタット^[○!R]および唾液潜血テストサリバスター潜血用^[○!R]を行い,齲蝕歯数(D歯数)・歯肉炎との関係について調査した。1)カリオスタット24時間判定結果(24H)においては,D歯数・歯肉炎と高度の相関関係が認められた(p<0.001)。また,歯肉炎の程度より3つに群分けし,カリオスタット(24H)との関係をみたところ,有意な分布の差が認められた(χ^2検定p<0.001)。2)カリオスタット48時間判定結果(48H)においては,D歯数・歯肉炎との間に相関関係が認められた(p<0.05p<0.001)。しかし歯肉炎の群分けにおいては,カリオスタット(48H)に有意な分布の差が認められなかった。3)サリバスターはD歯数と有意な関係は認めなかった。しかし歯肉炎とは相関関係が認められた(p<0.05)。歯肉炎の群分けにおいては,サリバスターには,有意な分布の差が認められなかった。4)カリオスタット(24H)とサリバスターの間には,有意な関係が認められなかった。5)カリオスタット(24H)を用い, 1.0以上を基準として歯肉炎をスクリーニングし敏感度・特異度を算出すると,それぞれ0.34,0.83となった。サリバスターで+以上をスクリーニング基準とすると0.55,0.55であった。歯垢を試料とするカリオスタットは,口腔衛生状態を反映し,齲蝕だけでなく,歯肉炎とも関係が深いことが考えられた。
著者
田中 浩
出版者
大東文化大学
雑誌
大東法学 (ISSN:02870940)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, 1996-03-30