著者
鈴木 貴久 鈴木 孝 木村 昌之 篠田 昌孝 藤田 友康 三宅 忍幸 山本 さゆり 田代 和弘
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.98, no.4, pp.421-425, 2001 (Released:2008-02-26)
参考文献数
8
被引用文献数
1

症例は58歳,男性.高尿酸血症などで当院通院中1999年6月4日より全身倦怠感あり.6月12日黄疸のため当院を受診し入院.入院時検査で肝胆道系酵素上昇,CTにて肝萎縮あり.第18病日に薬剤性劇症肝炎亜急性型と診断され,血漿交換(PE)+血液濾過透析(HDF)を施行し,alprostadil alfadex(PGE1)を併用した.リンパ球刺激試験(LST)陰性だが,経過からbenzbromaroneによる薬剤性劇症肝炎と診断され,内科的治療により救命できたので報告する.
著者
久保田 恵章 玉木 正義 前田 真一 勝股 克成 森脇 崇之 田代 和弘 出口 隆
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.9-11, 2005-01

著者らの施設における男性不妊症に対する精巣内精子採取法(TESE)の臨床成績について検討した.対象は,男性不妊症でTESEを施行した30例(平均年齢35.0歳)で,内訳は閉塞性無精子症7例(精管,射精管閉塞4例,精管切断術後3例),非閉塞性無精子症21例(染色体異常1例,原因不明20例),射精障害(脊髄損傷)2例であった.30例中20例で精子回収が可能であったが,1例は不動精子で凍結保存はできなかった.20例中15例にICSI(卵細胞質内精子注入法)を施行し,8例で妊娠が成立,7例で出産に成功した.非閉塞性無精子症21例中精子回収可能であった11例(52%)と不可能であった10例における精子回収の予測因子の検討では,FSH・LHは非回収群で有意に高値であり,Johnsen's scoreは非回収群で有意に低かった.この3因子は精子回収の予測因子となり得ると考えられたOwing to progress of assisted reproduction technology in recent years, it has become possible for couples with infertility problems to have children. Between March 1998 and May 2003 testicular sperm extraction (TESE) was performed on 30 men with male-factor infertility in our hospital. Consequently, we succeeded in recovering 20 spermatozoa. Intracytoplasmic sperm injection was subsequently performed in 15 couples and resulted in 8 pregnancies. There was a statistically significant difference in follicle-stimulating hormone, luteirizing hormone and Johnsen's score between the non-obstructive groups with successful TESE and those with unsuccessful TESE.
著者
今津 浩喜 笠原 正男 城野 健児 竹下 健也 丹羽 基博 村上 正基 南 圭介 見元 裕司 田代 和弘 黒田 誠 溝口 良順 堀部 良宗 新井 一史 菅沼 正司 船曵 孝彦
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化機病學會雜誌. 乙 (ISSN:13497693)
巻号頁・発行日
vol.89, no.8, pp.1499-1505, 1992
被引用文献数
1

手術及び剖検にて得られた十二指腸癌症例中良好なDNA histogram の得られた12症例についてそのDNA ploidy pattern, proliferation index (PI) 及び proliferating cell nuclear antigen (PCNA) との相関を検討した. 12症例中75% (9症例) がDNA aneuploidy を示し, また, (91.6%) 11症例がPCNA染色陽性であつた. 組織型とDNA ploidy pattern, PI, PCNA score 及びPCNA陽性率との間に, また, DNA ploidy pattern とPCNA score 及びPCNA陽性率との間には特に相関がなかつたが, PIとPCNA score との間に相関傾向が, PIとPCNA陽性率との間に有意の相関が (P<0.05) 認められた. PCNAの陽性率の判定には方法論上いくつかの問題点も含まれているが腫瘍細胞の増殖率の判定においては, 少なくとも関連性があるものと考えられた.