著者
佐野 真人
出版者
皇學館大学
巻号頁・発行日
2018-09-28

平成30年度
著者
佐野 真由子
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.101-127, 2013-09-30

本稿は、幕末期に欧米諸国から来日しはじめた外交官らによる、登城および将軍拝謁という儀礼の場面を取り上げ、そのために幕府が準備した様式が、全例を連鎖的に踏襲しながら整備されていく過程を検証する。それを通じて、この時期の徳川幕府における実践的な対外認識の定着過程を把握するとともに、その過程の、幕末外交史における意義を考察することが本稿の目的である。
著者
佐野 真人
出版者
皇學館大学研究開発推進センター
雑誌
皇學館大学研究開発推進センター紀要 = Bulletin of the Research and Development Center of Kogakkan University (ISSN:21892091)
巻号頁・発行日
no.2, pp.115-208, 2016-03

『延暦儀式帳』は、伊勢の神宮における最重要且つ最古の古典で、『皇太神宮儀式帳』と『止由気宮儀式帳』の総称である。皇學館大学研究開発推進センター神道研究所では、平成二十四年から新たな重要課題として、『延暦儀式帳』の研究を推進しており、これまでにも写本調査報告・関係文献研究目録(稿)・儀式帳所蔵機関目録(稿)などの研究成果を随時発表してきた。今後の研究は、『大神宮儀式解』以降の『延暦儀式帳』に関する研究史を吸収し、今日の学問水準に照応した注釈書の作成を推進することにある。その第一歩として、皇學館大学附属図書館所蔵『荒木田久老校合 内宮儀式帳』を底本に用い、静嘉堂文庫所蔵の谷川士清・士逸自筆書入本『内外太神宮儀式帳』を対校に使用し、さらに『群書類従』・『新校群書類従』・『神道大系』・『日本祭礼行事集成』などを用いて新たな校訂本を発表する。それは、これまでに蓄積された校訂の成果を整理統合するとともに、荒木田久老校合本、谷川士清・士逸自筆書入本を用いることによって、新たに近世以来の神宮祀官・研究者の成果をも吸収した現在の学術水準による緻密な校訂本を斯界に提供することになろう。
著者
佐野 真由子
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.101-127, 2013-09

本稿は、幕末期に欧米諸国から来日しはじめた外交官らによる、登城および将軍拝謁という儀礼の場面を取り上げ、そのために幕府が準備した様式が、全例を連鎖的に踏襲しながら整備されていく過程を検証する。それを通じて、この時期の徳川幕府における実践的な対外認識の定着過程を把握するとともに、その過程の、幕末外交史における意義を考察することが本稿の目的である。 欧米外交官による江戸城中での外交儀礼は、安政四(一八五七)年十月二十一日におけるアメリカ総領事ハリスの登城・将軍拝謁を初発の事例とするが、その際の様式は、徳川幕府が長い経験を持つ朝鮮通信使迎接儀礼を土台に考案されたのであった。筆者がすでに別稿で詳細を論じたそのハリス迎接を起点として、本稿では、以降数年の動きを追跡する。具体的には、安政五年にオランダ領事館ドンケル=クルティウス、続いてロシア使節プチャーチンを江戸城に迎えるにあたり、幕府内で外交儀礼の定式化をめざして進められた検討の実態、その後、安政六年に再びハリス(アメリカ公使に昇格)が登城した際、日米間に発生した問題と、その解決のため翌万延元(一八六〇)年に実行された同じハリスによる「謁見仕直し」の経緯、さらに、ここまでに検討された式次第が同年、イギリス公使オールコック、フランス代理公使ド=ベルクールの登城・将軍拝謁に準用され、当面の通例として定着に向かう様を、史料から明らかにする。 ここから浮き彫りになるのは、「幕末前期」とも言うべきこの時期の徳川幕府が、従来国交のなかった欧米諸国から次々と外交官が到着する事態に向き合うなかで、その迎接をできるかぎり特別視せず、もとより長きにわたって政権を支えてきた各種殿中儀礼の枠組みの中に取り込み、平常の準備の範囲で彼らに対しうる態勢をつくろうとした努力の過程である。儀礼を窓口に、より広義の解釈を試みるなら、対外関係業務そのものを幕府の一所掌領域として安定させ、持続可能なものにしていこうとする意思が、ここに表れていると言うことができる。
著者
佐野 真人
出版者
皇學館大学
雑誌
皇学論纂
巻号頁・発行日
pp.285-314, 2022-03-31
著者
佐野 真由子
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.29-64, 2009-03

本稿は、安永七(一七七八)年から安政六(一八五九)年までを生きた幕臣筒井政憲に光を当て、幕末期の対外政策論争におけるその役割を考察するとともに、とくに後半において、そこに至る筒井の経験の蓄積を検討の対象とする。 今日、筒井の名が知られるのは、嘉永六(一八五三)年から翌年にわたり日露和親条約交渉にかかわったこと、弘化年間(一八四九年代半ば)に老中阿部正弘の対外顧問的な立場に登用されたこと、また、それ以前に江戸町奉行として高い評判を得たという事績程度であろう。本稿では、安政三(一八五六)年に下田に着任した初代米国総領事ハリスの江戸出府要求が、翌年にかけて幕府の一大議案となった経緯、その中で、幕府の最終的な出府許諾に重大な影響を与えたと考えられる筒井の議論に着目する。そこで示された筒井の論理は、日米関係の開始を、徳川幕府がその歴史を通じて維持してきた日朝関係の延長線上に整理する、すぐれて特異なものであった。 これは筒井が満七十八歳から七十九歳を迎える時期のことであり、長い職業生活の集大成と位置づけることができる。この地点からその人生をたどり直すとき、見えてくるのは、若き日からのさまざまな経験が、筒井という一人の人間の中に豊かに蓄積され、上記のハリス出府問題への態度に結実していく様である。具体的には、昌平坂学問所の優秀な卒業生として、文化八(一八一九)年の朝鮮通信使迎接のため対馬に赴く林大学頭の留守を預かった青年期から、日蘭貿易を拡大し、オランダ商館員らとの交流を深めた長崎奉行時代、そして、新たに「外国」として登場した欧米への対応と、幕末まで継続した朝鮮通信使来聘御用との双方にまたがる、幕府の対外政策形成に深く携わった最終的なキャリアまでを順に取り上げ、ハリス来日の時期に戻ることになる。 筒井の歩みは、「近世日朝関係史」「幕末の対欧米外交史」といった後世の研究上の区分を架橋し、徳川政権下において自然に存在したはずの、国際関係の連続性を体現するものと言うことができよう。
著者
岩川 奈津 佐野 真紀
出版者
愛知教育大学特別支援教育講座・福祉講座
雑誌
障害者教育・福祉学研究 (ISSN:18833101)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.67-76, 2018-03

障害のある当事者の生活史をインタビューにより聞き取り,その語りからエンパワメント過程を記述する試みがなされてきている。当事者の経験したエンパワメント過程の多様性を明らかにするためには,研究件数をより一層増やしていくことが望まれる。そのためには,障害のある人の生活史についての語りから,その人ならではのエンパワメント過程を記述するための分析方法が必要である。先行研究を比較検討し,M-GTAとエピソード記述法を実施し結果を組み合わせる分析方法を仮定した。この仮定の下,肢体不自由の当事者であるX氏に協力を得て,以前に収集していたインタビューデータを再分析した。その結果,複数の分析方法を組み合わせるほうが,単一の分析方法のみ実施するよりも,調査協力者のその人らしさを反映したエンパワメント過程の記述が可能となった。
著者
佐野 真人
出版者
皇學館大学研究開発推進センター
雑誌
皇學館大学研究開発推進センター紀要 = Bulletin of the Research and Development Center of Kogakkan University (ISSN:21892091)
巻号頁・発行日
no.3, pp.177-241, 2017-03-01

『延暦儀式帳』は、伊勢の神宮における最重要且つ最古の古典で、『皇太神宮儀式帳』と『止由気宮儀式帳』の総称である。皇學館大学研究開発推進センター神道研究所では、平成二十四年から新たな重要課題として、『延暦儀式帳』の研究を推進しており、これまでにも写本調査報告・関係文献研究目録(稿)・儀式帳所蔵機関目録(稿)・『皇太神宮儀式帳』校訂試案などの研究成果を随時発表してきた。今後の研究は、『大神宮儀式解』以降の『延暦儀式帳』に関する研究史を吸収し、今日の学問水準に照応した注釈書の作成を推進することにある。その第一歩として、皇學館大学附属図書館所蔵『外宮儀式帳』(黒瀬益弘)を底本に用い、静嘉堂文庫所蔵の谷川士清・士逸自筆書入本『内外太神宮儀式帳』を対校に使用し、さらに『群書類従』・『新校群書類従』・『神道大系』・『日本祭礼行事集成』などを用いて新たな校訂本を発表する。それは、これまでに蓄積された校訂の成果を整理統合するとともに、谷川士清・士逸自筆書入本を用いることによって、新たに近世以来の神宮祀官・研究者の成果をも吸収した現在の学術水準による緻密な校訂本を斯界に提供することになろう。The Procedures for ceremonies in the Enryaku Era is the most important and oldest classical text about Ise Jingu, and it is a generic term for the Records of the Ceremonies or the Inner Sanctuary of Ise Jingu and records of the Ceremonies at the Outer Sanctuary of Ise Jingu.At The Shinto Institute in Research and Development Center of Kogakkan University, as a new important project, we have been promoting the study of the Procedures for Ceremonies in the Enryaku Era. Up to this point, a report on the manuscripts, a related literary research catalog (draft), a library catalog (draft), and Tentative Plan for a Revision of the Records of the ceremonies of the Kotai Jingu of Ise have been published.Further research will be to synthesize the research work on the history of the Procedures for ceremonies in the Enryaku Era after the publication of the Daijingu gishikikai and to create a commentary that matches today’s academic level. As its first step, using Geku-gishikicho in the Kogakkan University Library as a source book and Naigedaijingu gishikicho as a counter source book, a new version of it will be published.In addition to consolidating the achievements of the recension work, that have been accumulated so far this would give the existing field a new and detailed recension at the current academic level, absorbing the research findings of Jingu priests and researches that have been done since the early modern period.
著者
佐野 真人
出版者
皇學館大学研究開発推進センター
雑誌
皇學館大学研究開発推進センター紀要 = Bulletin of the Research and Development Center of Kogakkan University (ISSN:21892091)
巻号頁・発行日
no.4, pp.165-190, 2018-03-01 (Released:2018-07-24)

皇學館大学研究開発推進センター神道研究所では「皇室祭祀の研究」と「神宮祭祀の研究」とを総合研究に掲げ、創設された昭和四十八年(一九七三)以来の重要課題として、特に「大嘗祭の研究」を推進してきた。平成二十九年度の初めに、元文度の大嘗祭に関する史料であり、桜町天皇大嘗祭の調度品の略図と考えられる『元文聖代大嘗会拝見私記御調度品略図』を古書肆より購入し、神道研究所の所蔵とすることができた。本稿では、新収蔵資料である『元文聖代大嘗会拝見私記御調度品略図』について、その史料的価値を考えたい。At The Shinto Institute in Research and Development Center of Kogakkan University,advocated “a study of the religious service of the Imperial Family” and “a study of the religious service of Ise-jingu Grand Shrine” for a general study and, as an important issue since founded 1973, promoted “the study of the Harvest Festival after an Emperor’s enthronement” in particular.
著者
佐野 真由子
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.29-64, 2009-03

本稿は、安永七(一七七八)年から安政六(一八五九)年までを生きた幕臣筒井政憲に光を当て、幕末期の対外政策論争におけるその役割を考察するとともに、とくに後半において、そこに至る筒井の経験の蓄積を検討の対象とする。 今日、筒井の名が知られるのは、嘉永六(一八五三)年から翌年にわたり日露和親条約交渉にかかわったこと、弘化年間(一八四九年代半ば)に老中阿部正弘の対外顧問的な立場に登用されたこと、また、それ以前に江戸町奉行として高い評判を得たという事績程度であろう。本稿では、安政三(一八五六)年に下田に着任した初代米国総領事ハリスの江戸出府要求が、翌年にかけて幕府の一大議案となった経緯、その中で、幕府の最終的な出府許諾に重大な影響を与えたと考えられる筒井の議論に着目する。そこで示された筒井の論理は、日米関係の開始を、徳川幕府がその歴史を通じて維持してきた日朝関係の延長線上に整理する、すぐれて特異なものであった。 これは筒井が満七十八歳から七十九歳を迎える時期のことであり、長い職業生活の集大成と位置づけることができる。この地点からその人生をたどり直すとき、見えてくるのは、若き日からのさまざまな経験が、筒井という一人の人間の中に豊かに蓄積され、上記のハリス出府問題への態度に結実していく様である。具体的には、昌平坂学問所の優秀な卒業生として、文化八(一八一九)年の朝鮮通信使迎接のため対馬に赴く林大学頭の留守を預かった青年期から、日蘭貿易を拡大し、オランダ商館員らとの交流を深めた長崎奉行時代、そして、新たに「外国」として登場した欧米への対応と、幕末まで継続した朝鮮通信使来聘御用との双方にまたがる、幕府の対外政策形成に深く携わった最終的なキャリアまでを順に取り上げ、ハリス来日の時期に戻ることになる。 筒井の歩みは、「近世日朝関係史」「幕末の対欧米外交史」といった後世の研究上の区分を架橋し、徳川政権下において自然に存在したはずの、国際関係の連続性を体現するものと言うことができよう。
著者
田渕 哲也 佐野 真澄 岡田 正
出版者
津山工業高等専門学校
雑誌
津山工業高等専門学校紀要 (ISSN:02877066)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.55-60, 2006
被引用文献数
1

In a rapid spread of using the Internet, we developed a system of assistance for Website construction by using open source software. The open source software can use without charge and also its stability and security are no less than commercial software. In this paper, we describe the mechanism of this system and consider advantages of using open source software.
著者
折原 紀子 佐野 真知子 藤代 岳雄 松浦 京子 岡本 昌広 鍵和田 聡 堀江 博道
出版者
The Kanto-Tosan Plant Protection Society
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.47-50, 2012-12-01

2010年10月に神奈川県茅ヶ崎市のコマツナ炭疽病甚発生圃場内または周辺のホトケノザとスベリヒユの葉に灰色~褐色の小円斑症状を認め,罹病部からは<i>Colletotrichum</i>属菌が高率に分離された。同地のコマツナ・ホトケノザ・スベリヒユ各分離菌を相互接種した結果,各菌とも病徴を再現し,接種菌が再分離された。各分離菌の病原性,形態的特徴およびrDNA-ITS領域の塩基配列の相同性から,分離菌をいずれも<i>Colletotrichum higginsianum</i> Saccardoと同定した。以上より,コマツナ炭疽病菌がアブラナ科以外の植物に病原性を有すること,同科以外の植物に寄生する炭疽病菌がコマツナに感染することが明らかになった。また,コマツナ炭疽病菌の伝染環の一つとして周辺野草が役割を果たす可能性が示唆された。ホトケノザとスベリヒユには<i>Colletotrichum</i>属菌による病気は未記録なので炭疽病 (新称) を提案する。
著者
遠藤 佑介 山本 尚人 石川 諄武 露木 肇 山中 裕太 嘉山 貴文 矢田 達朗 片橋 一人 佐野 真規 犬塚 和徳 竹内 裕也 海野 直樹
出版者
日本静脈学会
雑誌
静脈学 (ISSN:09157395)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.21-27, 2022-02-17 (Released:2022-02-17)
参考文献数
18

直接作用型経口抗凝固薬(以下DOAC)が広く使用されるようになり,患者の実情に即した適応用量以外の使用も増えている.われわれも一定数で低用量のエドキサバンを選択している.2014年から2019年までに経験した静脈血栓塞栓症は528例であった.経口抗凝固薬の使用なしが105例,DOACの通常用量が249例,エドキサバン低用量が98例,ワルファリンが78例であった.低用量エドキサバン使用例についてその患者背景と出血性・血栓性の有害事象について検討した.低用量エドキサバン96症例では,中枢型40例/末梢型56例,有症状11例/無症状85例で,低用量での使用理由は出血のリスクが48例,血栓伸展予防目的が48例であった.出血リスク症例48例中3例で出血のため抗凝固を中止したが速やかに止血が得られ,再開が可能であった.低用量エドキサバンは抗凝固なし/治療用量の抗凝固療法以外の選択肢として有用であり,出血リスクが高い症例に対しても有効な治療選択肢といえる.
著者
佐野 真由子
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2015

審査委員会委員 : (主査)東京大学教授 三谷 博, 東京大学准教授 小川 浩之, 東京大学准教授 川島 真, 東京大学准教授 渡辺 美季, 東京大学教授 鶴田 啓
著者
佐野 真由子 有賀 暢迪 飯田 豊 市川 文彦 井上 さつき 君島 彩子 辻 泰岳 牧原 出
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究は、研究史の空隙となっている第二次大戦後の万国博覧会史に取り組むものであり、時期的対象は、万博を統括する政府間組織BIE(在パリ、1931年発足)が大戦終結を受けて活動を再開した1945年から、植民地独立を主要因とする国際社会の変容を背景に、今日も有効な万博の新定義を打ち出すに至った1994年までである。その目的は、催事としての万博それ自体を詳解することではなく、万博史研究というレンズを通じて、国際情勢から開催・参加各国内の政局、関係業界の動向、関係者個々人のミクロな経験までを途切れなく見通し、かつ、自ずと世界の多様な視点に立脚する、新たな戦後世界史叙述の可能性を提示することにある。