著者
田代 崇 上田 高徳 堀 泰祐 平手 勇宇 山名 早人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.149, pp.23-28, 2006-07-06

近年のWebページ総数の飛躍的な増加に伴い,歌詞や新聞記事の無断引用などの著作権侵害のWebページの数も増大している.そこで本稿では,著作権違反の疑いのあるページを自動検出するシステムを提案する.本システムではまず,検索ワードを,指定された文章を文節単位に区切り組み合わせることにより生成し、GoogleやYahoo!が提供しているWebサービスを用いて著作権違反の候補ページを収集する.次に候補ページを類似度をもとにランキングを行ない,ユーザーに提示する.ランキングに用いた類似度は文節をもとにした最長共通部分列から求める.評価実験を行った結果,歌詞,新聞記事,ブログ等からなるWebページをシードとして,著作権侵害ページを検出することができた.
著者
船引 彩子 中村 絵美 田代 崇 林崎 涼 亀田 純孝
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2023年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.251, 2023 (Released:2023-04-06)

1. 北海道の湿原開拓 北海道南部,渡島管内山越郡長万部町に位置する静狩湿原は,太平洋(内浦湾)に面した海岸平野に形成された湿原で,北海道の低地に発達する高層湿原の南限とされている.当地では戦後の食糧増産を目的に進められた開拓により,200ha以上の面積の高層湿原を含む,1950haの湿地が失われた.本稿では静狩湿原の戦後開拓とその後の変化について,静狩湿原の開拓が進められた時代背景や気象条件,具体的な戸数や生業の変化,近隣自治体との比較から,論考を行った. 2. 北海道における戦後開拓と酪農 戦後における北海道の開拓地で,その後の離農や酪農への転換などの過程が調べられた研究例は多い.道東の根釧地区では1932年の大冷害をきっかけとして乳牛飼育が普及し始めた.道北の日本海側に位置する上サロベツ原野では戦後の緊急入植後,1950~1965年に冷害による離農の増加と酪農専業への転換が進み,第二次世界大戦後の酪農振興法(1954)も乳牛頭数を増大させている.3. 静狩湿原の気候 長万部町が面する内浦湾では,夏にオホーツク海高気圧の影響を受け,やませによる冷夏となり,海霧が発生することも多い.気象庁のデータによると、長万部町の夏季(6〜8月)の月平均日照時間は道東で酪農のさかんな別海町よりはわずかに長いが,米作りのさかんな道央の岩見沢市,ジャガイモ生産のさかんな道東の帯広市などより短い. また同じ道南地域においても,長万部町は日本海側に近い自治体より日照時間が少ない傾向がある. 長万部町に隣接し,同じく内浦湾に面する八雲町では,早くに水稲栽培を試みたが失敗しており,その理由の一つに夏季の海霧による日照不足が挙げられている(安田,1964). 冷涼な気候の道東や道北では農地開発が盛んに行われず,湿原面積の減少が道央や南西部ほどではなかったとされる.しかし本研究で対象とする静狩湿原の場合,緯度が低い道南地域の中では比較的冷涼な気候であるが,農地開拓のために湿原の9割以上が失われており,個別のケースとして検討する必要がある.4. 開拓地の集約と酪農への転換 静狩地区では戦後の開拓当初,一戸当たり7.5haの土地をあてがわれ,100戸以上が入植した.当初は稲作やジャガイモの栽培を想定していたが,現在は50ha以上の農地を持つ2戸の農家が酪農に従事している. その理由としては近隣で第一次世界大戦後から酪農先進地域であった八雲の影響も強いが,長万部町の気候が冷涼で稲作や畑作が難しかったこと,開拓地での離農者の増加や農用地転売が一戸当たりの農業経営面積拡大につながり,農家戸数が減少したことなどが挙げられる.
著者
船引 彩子 田代 崇 林崎 涼 中村 絵美
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2020年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.190, 2020 (Released:2020-12-01)

1. 北海道,静狩湿原 北海道南部,渡島支庁管内山越郡長万部町に位置する静狩湿原は,太平洋(内浦湾)に面した海岸平野に形成された湿原で,北海道の低地に発達する高層湿原の南限とされている. 1922年に「静狩泥炭形成植物群落」として国の天然記念物に指定されたが,1951年の指定解除後は大規模な排水路が湿原内に掘削され,農地化が進んだ.現在でも一部に湿原が残るが,その面積は221ha(1953年)から6ha(1990年)と大幅に縮小している(富士田・橘,1998). 本発表では,空中写真の判読や現地での聞き取り,絵地図などの歴史資料を用い,静狩湿原の地形と歴史の関係を調査した結果について報告する.2. 浜堤列と湿原 1948,1976年撮影の空中写真を用いて静狩湿原周辺の地形分類図を作成したところ,海岸線に沿って南北にのびる3列の浜堤列が確認された.海側の2列の浜堤は標高4〜5m程度で,後背湿地には1951年頃まで浮島が存在しており,静狩湿原の範囲はこの海側の浜堤まであったとされる(富士田・橘,1998).明治初期の絵地図では,浜堤上にアイヌの人々の住居も確認された. 現在の静狩湿原は最も内陸側の浜堤より,さらに西側の地域に限定される.林崎ほか(2020)によると,残存する静狩湿原の泥炭の下位に位置する砂層やテフラからはおよそ3-1kaの年代が得られており,この時期に湿原が形成されたことがわかる. 内陸側の浜堤は3列のうち最も大きなものだったが,1951年以降は砂利採取のため地形改変が進んでいる.隣接する道路面は標高約6m,かつての浜堤内部と思われる地点はそれより約3m掘り下られ,現在は農地に転用されている. また,残存する湿原部分でドローン撮影を行ったところ,開拓当時の暗渠と思われる地形が検出された.長万部町には開拓当時の設計図や暗渠の分布を示す資料が残っておらず,乾燥化が進む湿原をモニタリングしていく中で重要なデータと言える.3.戦後の開拓 静狩湿原では農地転換後,もち米やジャガイモの生産も試みられたが,現在は大部分が牧草地となり,酪農がおこなわれている.経済的効果を期待して行われた戦後の開拓であったが,現在では初期の開拓者の9割以上が静狩湿原を離れている. 湿原の復活・保護を望む声もあったが,1960年代以降の原野商法によって所有者がさらに細かく分かれるなど問題も多く,湿原の復活に向けた動きは道半ばである.引用・参考文献富士田裕子・橘ヒサ子(1998)本国指定天然記念物静狩湿原の変遷家庭と現存植生.植生学会誌,15,7-17.林崎 涼・田代 崇・船引彩子(2020)北海道南部静狩湿原より採取した堆積物中の火山灰と基底砂層の年代に関して.日本地理学会2020年秋季学術大会.
著者
吉田 泰明 上田 高徳 田代 崇 平手 勇宇 山名 早人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DBS,データベースシステム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.143, pp.441-446, 2007-07-02
参考文献数
17
被引用文献数
2

現在,Web上の情報は膨大であり,欲しい情報をWeb上から探すために検索エンジンが広く用いられている.このように,検索エンジンのランキングが与える社会的影響は大きいにも関わらず,ユーザは検索エンジンのランキング手法を理解せずに利用しているのが現状である.本稿では,各種検索エンジンの特徴を明らかにすべく,週に一回1000のクエリを用い主要な3つの検索エンジンのランキングの比較と特徴の解析を行った.その結果,主要な検索エンジン間ではランキングの上位ほど揃いやすく,ランキングの時間変化の特徴にも違いがあることが分かった.また,ランキングと逆リンク数にも相関があることが分かった.
著者
田代 崇 上田 高徳 堀 泰祐 平手 勇宇 山名 早人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.78, pp.27-33, 2006-07-13
被引用文献数
1

近年のWebページ総数の飛躍的な増加に伴い,歌詞や新聞記事の無断引用などの著作権侵害のWebページの数も増大している.そこで本稿では,著作権違反の疑いのあるページを自動検出するシステムを提案する.本システムではまず,検索ワードを,指定された文章を文節単位に区切り組み合わせることにより生成し、GoogleやYahoo!が提供しているWebサービスを用いて著作権違反の候補ページを収集する.次に候補ページを類似度をもとにランキングを行ない,ユーザーに提示する.ランキングに用いた類似度は文節をもとにした最長共通部分列から求める.評価実験を行った結果,歌詞,新聞記事,ブログ等からなるWebページをシードとして,著作権侵害ページを検出することができた.Due to explosive increase of the number of web pages, the number of copyright violation web pages, such as lyrics or news citation pages without permission, has also been increased. To solve this problem, we propose a system for detecting copyright violation web pages. The proposed system consists of three steps. Firstly, the system generates search keywords on phrasal units, called "bunsetsu", which are included in the "seed page." Secondly, on search keywords generated by the first step, the system gathers candidate of web pages violating copyright by using Google or Yahoo! web service. Finally, the system re-ranks the candidate web pages with similarity to the seed page. Here, we adopted "Longest Common Subsequence" of phrasal units, as a similarity measurement. Our evaluation confirmed that proposed system is able to extract copy violation web pages correctly.