著者
三枝 優一 古井 陽之助 速水 治夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DBS,データベースシステム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.141, pp.77-82, 2007-01-25
参考文献数
7
被引用文献数
1

辞書を用いる形態素解析においては,時代の流れと共に現われ変遷していく口語表現・省略表現・若者言葉等の新語を速やかに辞書に取り入れることで解析精度を高められると期待できる.そこで本研究では,Web上のblogを中心とした文書集合を字種別に切り分け新語候補とし,それらの出現頻度を既に辞書に登録されている語のそれと照合し評価することにより,新語を抽出する手法を提案する.実験では,カタカナのみ,あるいは漢字のみで構成される新語は,複合語を含め80%以上の精度で抽出することができた.また,出現頻度の低い新語についても一部抽出することができた.今後の課題としては,収集した新語の動的な品詞同定と,新語を辞書に取り入れることによる形態素解析精度向上の検証が挙げられる.
著者
伊藤 一成 橋田 浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DBS,データベースシステム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.140, no.2, pp.505-510, 2006-07-14
参考文献数
14
被引用文献数
3

文法の理解を必要としないで直感的に理解できる表現形態として絵文字(ピクトグラム)があげられる.我々はその応用として二次元的に配置された絵文字群の空間的な位置関係を意味構造化した"絵文"という概念を提唱している.絵文の構成素となる絵文字間の相対位置関係に基づく関係と既存のオントロジーをマッピングすることで,絵文字の作成や理解を支援する仕組みについて提案する.
著者
近藤 宏行 角谷 和俊 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DBS,データベースシステム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.119, pp.419-424, 1999-07-21
被引用文献数
11

本稿では,データベースへの問い合わせの結果表示のための新たな提示方式として,番組メタファー表示を提案する.番組メタファーで表示することで,単なる文字の羅列であるよりも,よりユーザの求めているものを的確にかつ魅力的に表現する提示を実現する.番組メタファーは,既存のテレビ番組にそって作成した擬似テレビ番組スタイルである.検索結果をあたかもテレビで放送してるように見せることで,ユーザにとってより効果的で,親しみやすい表現を行うことができる.適当な番組メタファーを動的に選択することにより,単に検索結果を提示するだけでなく,検索された結果の特徴に応じて提示スタイルを変更することが可能になる.提示スタイルの決定には検索結果のデータ集合の分布状態,結果の内容,注目する属性とメタファーの関係を考慮する.更に,提案した方式をもとに,番組記述言語TVMLを用いて実現したプロトタイプシステムWaffleについて述べる.プロトタイプシステムは,入力インタフェース部,メタファー決定部,スクリプト作成部,結果提示部から構成される.
著者
吉田 泰明 上田 高徳 田代 崇 平手 勇宇 山名 早人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DBS,データベースシステム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.143, pp.441-446, 2007-07-02
参考文献数
17
被引用文献数
2

現在,Web上の情報は膨大であり,欲しい情報をWeb上から探すために検索エンジンが広く用いられている.このように,検索エンジンのランキングが与える社会的影響は大きいにも関わらず,ユーザは検索エンジンのランキング手法を理解せずに利用しているのが現状である.本稿では,各種検索エンジンの特徴を明らかにすべく,週に一回1000のクエリを用い主要な3つの検索エンジンのランキングの比較と特徴の解析を行った.その結果,主要な検索エンジン間ではランキングの上位ほど揃いやすく,ランキングの時間変化の特徴にも違いがあることが分かった.また,ランキングと逆リンク数にも相関があることが分かった.
著者
大塚 浩司 大町 真一郎 阿曽 弘具
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DBS,データベースシステム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.140, no.2, pp.415-420, 2006-07-14
参考文献数
6

共通のトピックに関するウェブページの集合であるウェブコミュニティを抽出する手法の1っとしてHITSアルゴリズムが知られている.HITSアルゴリズムは,ウェブコミュニティを"オーソリティ"と"ハブ"と呼ばれる2種類のウェブページからなる2階層の構造をしていると仮定し,これを2部グラフと見なして抽出することを目的としている.しかし,一般にウェブコミュニティはより複雑なリンク構造を持っている.本論文では,3階層以上の多階層のリンク構造を持つウェブコミュニティを抽出することを目的とし,オーソリティ・ハブに加えて中間ノードを導入したウェブコミュニティ抽出法を提案する.提案手法により,HITSアルゴリズムでは抽出しにくいページをウェブコミュニティのメンバとして抽出することが可能であることを実験により示す.
著者
近藤 進介 垂水 浩幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DBS,データベースシステム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.141, pp.143-148, 2007-01-25
参考文献数
12

従来のサーバ・クライアント通信方式の他に近年P2P通信方式の利用者が増えてきている。また、P2P通信の特性はファイル共有に活かされている。しかし、P2Pファイル共有においてリソースを提供しないフリーライダーや不公平性が問題視されている。そこでインセンティブという概念で解決しようとする動きがあるが、完全に解決されている例はほとんど無く、解決されていても別の問題が発生している場合もある。また、インセンティブを与えられる条件としては回線の帯域によるものがほとんどである。しかしシステム全体のことを考えれば回線の帯域以外にもユーザの様々な行動でシステムに貢献することができる。この行動が反映されるように、本研究ではファイル共有システムにおける新たなインセンティブモデルとしてポイント制インセンティブを提案し、その有用性をシミュレータによって確認することを目的とする。
著者
糸数 学 佐藤 隆士
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DBS,データベースシステム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.141, pp.1-6, 2007-01-25
被引用文献数
1

本稿では,SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)要素を用いた英単語共有型学習システムについて述べる.本システムは,中学生を対象とし,今までのドリル型英単語学習システムとは異なった,英単語を軸としたコミュニティサイトを構築し,そのサイトのリソースを共有する事で,英単語に対する印象付けの効率アップをねらったものである.主立った機能として,画像付きメモのアップロード機能・それに対するコメントの付加機能がある.画像を単語に絡めてアップロードする事で,単語は画像のありかを探すインデックスとなり,単語に触れる時間を少しでも増やす事を狙った.