著者
田島 悠史 小川 克彦
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 (ISSN:21854483)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.57-64, 2012

環境芸術学の分野で取り上げられるテーマとして、美術館外で展開されるアートプロジェクトがある。近年では、地域活性化などの動きと連動するものが急増している。アートプロジェクトは開催地、主催者、予算、作家のタイプ、規模など、さまざまな要素によって、その立ち位置は全く異なる。そのため、アートプロジェクトが地域活性化において、どの役割を担っているかを整理して、効果的な作品や企画の条件を明らかにすることが急務である。そこで、本研究ではアートプロジェクトで展開される芸術作品の役割として、地域メディアを提案する。さらに、地域メディアの役割を果たす芸術作品や芸術家の条件を明らかにする。本稿では、現在増えている「ボトムアップ地方型アートプロジェクト」に着目する。その上で、研究に際してはアートプロジェクトの現場に長期間滞在し、観察、鑑賞者や芸術家、関係者との発話の収集、アンケート調査を行った。その結果、地域メディアの条件として、人を参画させる点にあると結論付けた。具体的には、1)住民参加、2)人を含めた「環境」の芸術化、3)社会的アクティビティに対する実効性、4)地域メディアとしての芸術家、の四つを抽出した。
著者
白鳥 成彦 田島 悠史 田尻 慎太郎
出版者
嘉悦大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は日々変化し蓄積していく学生データと大学における教学データを確率的に関連付けたモデルを構築し、大学生の退学を防止する為に行う教育サービスの意思決定を支援することである。平成29年度は平成28年度に作成した学生モデルの再構築と教学サービスとの統合、さらに学会等における成果の発表を行った。(1)学生モデルの再構築では平成28年度に行った一次成果の報告におけるフィードバックを経て学生モデルの再構築を行った。具体的には中退に関連する変数を2群:入学時の変数と入学後の変数に分け、その統合によって学生の状態を推測していくモデルにした。結果としてマクロ的な変数のみで動的な動きを表現できなかった前年度のモデルに対して、学期ごとの動きを表現することができるようになり、より中退までの具体的な動きを扱うことができるようになった。次に(2)学生モデルを用いて教学サービスとの統合を行った。具体的には作成した学生モデルを教職員に公開し、その学生ごとに適した形の教学サービスはどのようなものかを考えるワークショップを5回行った。学生モデルから出される中退・卒業までのパターンごとに適切な教学サービスにどのようなものがあるのかを導出した。学生パターンごとに教員が行うサービス、職員が行うサービス、カウンセラーが行うサービスに分け、それぞれのタイプごとにいつ、どのサービスを行うことが適切なのかを導出した。最後に(3)以上の学生モデル、教学サービスの統合部分を学会発表論文としてまとめ、発表を行った。
著者
田島 悠史 大西 未希 小川 克彦
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.27-34, 2013

本研究は、情報コミュケーションに注目することで、小規模アートプロジェクトの持続要因を明らかにするものである。近年日本各地で急増している、地域活性化を目的とした小規模アートプロジェクトは、特殊な魅力を持つ一方で、持続性に問題がある。そこで、アートプロジェクトの関係者の役割と変遷に注目して、関係者間の情報コミュニケーションを分析し、その持続要因を探った。結果としてA期とB期のコミュニケーションにおいて「場所」「意識」「人」における有意差を見出すことができた。そこから「中心スタッフによるプロジェクトの共有」「関係者のゲートキーパー化」「周辺スタッフによるプロジェクトの様式化」という知見を見出した。これらの知見は、コミュニケーションが、一部の人間に占有されている状態から、関係者全体に共有される状態へと変化していることの現れであると考えられる。そこで本研究では「個別役割型から自発共有型へのコミュニケーション構造の変化がアートプロジェクトの持続性に関係している」と結論づけた。