著者
すぎ本 重雄 藤田 岳久 阪口 哲男 武者小路 澄子 田畑 孝一
出版者
図書館情報大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

Netscape等のWWWブラウザが広く利用され、ディジタル図書館プロジェクトの多くもこれらを利用している。しかしながら、現在のWWWが提供する多言語環境は十分ではないため、非英語情報の流通は十分ではない。一方、図書館は多様な言語の情報を所蔵するため、最も基本的なサービスであるOPACでさえも多言語環境を必要とするため、現在のWWWをそのまま利用することは困難である。そのため、本研究では、多言語文書を読む機能を中心課題として以下の研究を進めた。1.多言語文書の検索と閲読(ブラウジング)のためのソフトウェアツールセットの開発2.利用者の環境に合わせて多言語文書の利用環境を構築するツールの開発本研究ではは多言語文書ブラウザ(MHTMLサーバおよびそのクライアント)を開発し、それを用いたゲートウェイサービスを行ない、サーバを数ヶ所のサイト(海外)に移植してきた。さらに、ゲートウェイサービス用に開発したソフトウェアを多言語文書の提供に利用できるよう拡張し、日仏英3ヶ国語で書いた日本昔話(10編)からなる多言語電子テキストコレクションの提供に適用した。このほか、本学のOPACデータをSGML化して作成した目録データベースの検索ユーザインタフェースにMHTMLを利用した海外利用者向けのOPACやMHTMLを利用した遠隔地からの日本語入力ソフトウェアの試作を行なった。研究成果については、国際会議、学術雑誌等に発表した。開発したソフトウエアは我々のWWWサイトを通じて公開し、自由にダウンロード・移植できるようにしている。また、昔話のコレクションに関して、コレクションの拡大のための協力者を募集した結果、何人かの応募があり、かつ応募者は国内だけではなく世界的に広がっている。
著者
杉本 重雄 阪口 哲男 田畑 孝一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.671-680, 1992-05-15

プログラミング対象の多様化とソフトウェア技術の進化に伴って多様なバラダイムに基づくプログラミングの重要性が認識されるようになってきたそのため 1980年代には多様パラダイム指向言鰭が発展した多様なパラダイムでのプログラミングを柔軟に行うためには 特定のパラダイムを対象とする環境を用意するだけでは十分ではなく 対象に応じて必要なバラダイムの言語を利用できる開放性を持つ環境を用意することが必要である本論文では 逐次処理プログラムの範囲において 多様なパラダイムのプログラミング言語を要素とするプログラミング言語複合体(Programming Language Complex)の構成手法を提案するプログラミング言語複合体は複数の要素言語からなる統合された環境を利用者に提供するものであるので 本論文ではこれを複言語と呼ぶ複言語を構成するために要素言語を言語固有の要素と言語間に共通な要素に明確に分離し それらを階后的にとらえ言語固有要素を上位言語間共通要素を下位に定義するこうすることで要素言語処理系を言語間共通要素に基づいて構築することができるので 要素言語間のコミュニケーションに制約を設けることや 言語間コミュニケーションのためのad hocな記述形式を設けることの必要がなくなる 本論文では 階層の定義とそれに基づく複言語の構成方式を示すまた LISP Prolog Smalltalk-80に基づく要素言語を持つ複言語システムの例を示す
著者
田畑 孝一 杉本 重雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.286-293, 1989-03-15
被引用文献数
2

知識ベースシステムとのコミュニケーションをことばや数値を越えて情感の水準に近付けるためには コミュニケーションに視聴覚情報の積極的な導入を行う必要がある.本論文において 我々はそのようなシステムの方式として「視聴覚情報援用型知識ベースシステム(A Knowledge-based system with audio-visual aids:KS/AV)」 またKS/AVにおける知識表現方法として「オブジェクトベース述語論理(Predicate logic based on objects)」を提案した.オブジェクトベース述語論理においては 定義域上のすべての個体をSmalltalk-80のクラスの概念に基づいて定義し オプジェクトヘのメッセージ送受信のために 述語論理における関数の一つとしてmessage関数を導入した.本論文においてはビデオディスク タッチパネル付ディスプレイ等の視聴覚情報機器を接続したパーソナルコンピュータ上にKS/AVのプロトタイプを製作した.このプロトタイプでは視覚イメージに関して ピデオイメージやグラフィクスイメージのみならずそれらの合成イメージをオブジェクトとして定義した.イメージ表示やその応答入力はオブジェクトのメソッドとして記述した.このプロトタイプ上で幼児を利用者とする視聴覚情報援用型幼児向き読香相談システムを構築し 有効性を確かめた.
著者
阪口 哲男 田畑 孝一 杉本 重雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.168-169, 1990-03-14

オブジェクトベース述語論理(Predicate logic based on objects)は記号やイメージ等を含む知識を表現するための知識表現方法である。オブジェクトベース述語論理においては、定義域上のすべての個体をオブジェクトと見なし、それらの関係を第一階述語論理によって表現する。我々はオブジェクトベース述語論理の定義を行い、その処理系であるオブジェクトベース述語論理システム(Predicate Logic system based on OBjects:PLOB)の開発を行った。
著者
杉本 重雄 田畑 孝一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.301-302, 1989-03-15

知識ベースシステムとのコミュニケーションをことばや数値を越えて情感の水準に近付けるためには、コミュニケーションに視聴覚情報の積極的な導入を行う必要がある。我々はそのようなシステムの方式として、「視聴覚情報援用型知識ベースシステム(A knowledge-based system with audio-visualaids:KS/AV)」の開発を進めている。本稿においては、KS/AVにおける知識表現方法である「オブジェクトベース述語論理(Predicate logic based on objects)」について論ずる。オブジェクトベース述語論理においては、定義域上の全ての個体をオブジェクトと見なし、それらの関係を第一階述語論理によって表現する。視聴覚情報を含む全てのオブジェクトはSmalltalk-80のクラスの概念に基づいて定義し、オブジェクトへのメッセージ送受信のために、述語論理における関数のひとつとしてmessage関数を導入した。
著者
草野 秀明 田畑 孝一
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.71-86, 2005

現代社会においてWebは重要な情報源であるが, 同時にこれらの情報を扱える人と扱えない人の間に, 情報格差を生じている.特に視覚障害者の場合は, 音声ブラウザという専用ブラウザを用いてWebを閲覧するが, 音声の聞き取りを頼りに操作するので, 晴眼者と比較すると, 入手できる情報量が圧倒的に少ない.そこで, 本研究ではDTB(Digital Talking Book)と呼ばれる電子録音図書のコンテンツ形式を利用して, 視覚障害者用のWeb閲覧を支援するシステムを提案した.これは, 閲覧するWebページをDTB構造に変換して, ユーザに提供するものである.視覚障害者にとってDTB方式の操作は定形的かつ容易なので, 音声ブラウザによるWeb閲覧に比べて, 煩わしさを軽減させた操作環境を提供できる.実装したDTBシステムを用いて測定した, 対象内容に到達するのに必要なキーボード操作回数は, 音声ブラウザのそれと比較してかなり減少した.