著者
松村 和則 柳沢 和雄 前田 和司 甲斐 健人 西原 康行 矢崎 弥
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

研究は、以下のような構成でまとめられた。序:松村和則「白いスタジアムのある風景-「開発とスポーツ研究」序説-」I 鹿島の開発とW杯柳沢和雄「鹿島開発とワールドカップ-外発的発展の必然としてのワールドカップ-」橋本政晴「『地域』へとコンテクスト化されるメディアイベント-鹿嶋市S地区におけるT氏のサポーター活動を事例として-」石岡丈昇「農業退出者の軌道とサッカー開発-地元旅館業者からみたワールドカップと鹿島-」II 「在日」とW杯鈴木文明「2002FIFAワールドカップと在日朝鮮人-大阪生野区・コリアタウンにおけるワールドカップ観戦会を通して-」III 札幌の開発とW杯大沼義彦「五輪開催都市からW杯開催都市ヘ-札幌市におけるメガスポーツイベント誘致と都市開発-」前田和司「2002FIFAワールドカップと都市開発-札幌ドーム建設をめぐって-」IV 招致問題とW杯甲斐健人「ワールドカップキャンプ招致のシナリオと国際交流-三重県鈴鹿市の事例-」矢崎弥「キャンプ誘致と地域づくり・地域活性化-新潟県十日町市クロアチア共和国代表チームキャンプの事例-」西原康行「ワールドカップ新潟開催の遺産-あるボランティアの活動から見えるもの-」調査資料Richard Light"The 2002 FIFA World Cup on Youth sport and Identity石岡丈昇・松村和則「中津江村住民意識調査」
著者
野村 雅一 樫永 真佐夫 川島 昭夫 藤本 憲一 甲斐 健人 玉置 育子 川島 昭夫 藤本 憲一 甲斐 健人 玉置 育子 小森 宏美
出版者
京都外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

老後と呼び慣わされる人生の段階に至っても、青年・壮年期に形成された個々人のアイデンティティの連続性は保持される。それが若い世代のライフスタイルを受容する文化伝達の逆流現象が生じるゆえんである。認知症の患者には、錯誤により、女性は若い「娘」時代に、男性は職業的経歴の頂点だった壮年期の現実に回帰して生きることがよくある。人生の行程は直線ではなく、ループ状であることを病者が典型的に示唆している。
著者
甲斐 健人
出版者
愛知教育大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1996

本研究の目的は「底辺校」の運動部員が獲得する文化を通して学歴社会における学校文化を問い、「課外スポーツの経歴」と社会的再生産に関する基礎的知見を得ることにあった。申請者は一農業高校サッカー部を対象とし参与観察を行いながら事例研究を実施した。サッカー部員には積極的入部希望者と1年生は全員部活動に入らなければならないという校則に従った消極的入部者とがいた。実際に活動している人数は部員登録人数よりもはるかに少ない。アルバイト、友人や彼女との約束などの理由で部活動に参加しないのは「当然」であり、練習に何人の部員が参加するかを予測しにくい。さらに、農業高校のカリキュラム上、日常的に実習、当番などで時間を拘束されるために部活動運営はますます厳しい状況にある。彼らにとって部活動は空いた時間に行う「趣味」ともいえるだろう。このような状況においては予定された練習計画を十分に消化することは難しく、現実的には長期の練習計画は作成されていない。結果的には優秀な「スポーツの経歴」を獲得することは困難である。彼らの多くは中学時代の成績によって選別され農業高校に進学し、学校に対してあまり多くを期待していない。彼らの行動は各自がその時々で行動する必要性を感じるか否かによって決定され、校則などは実質的にはあまり意味をもたない。既に彼らは学校文化、学歴社会を相対化していた。その背後には家庭において学校で教えられる価値観とは違う価値観を身につけているなど、家庭の影響を指摘できる。3年生9名の進路は進学4名(短大2、専門学校2)、就職5名。両親の学歴、職業と彼らの進路を考えたとき「スポーツの経歴」が社会的再生産につながっている可能性が示唆された。