著者
原口 強 下田 一太 杉山 洋 登坂 博行 内田 悦生 山本 信夫 中川 武
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は密林に覆われた古代都市アンコール帝国の実像解明を目的としている.2012年に取得されたLiDAR地形データから作成した高分解能赤色立体図は密林下の地形と遺構を鮮明に描き出し,王都アンコール・トム周辺地域を含む往時の都市構造を解読することが可能となった.LiDAR地形データをベースに王都内の現況水路網の配水・排水検証と降雨に対する挙動を数値計算した結果、自然勾配を生かした水路網と溜池群などの水利都市構造が,雨季と乾季に二分されるこの地域の気象環境条件を克服し,多数の人口を維持するために機能していたことが推定された.