著者
白水 菜々重 松下 光範
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.2276-2287, 2013-09-15

本研究の目的は,イベントにおいてTwitterやUSTREAMといった即時性の高いソーシャルメディアを利用することが,そのイベントのコミュニティの形成・維持にもたらす影響について明らかにすることである.近年,共通の関心や興味に基づいて人々が自発的に開催する勉強会やカンファレンスなどで,TwitterやUSTREAMといったリアルタイム性の高いWebサービスを利用してオンラインコミュニケーションを行うケースが増加している.本稿では,このようなイベント開催時にTwitterを介して行われる参加者同士のインタラクションの調査,ならびにそれを補完するアンケート調査を行い,このようなソーシャルメディアを利用したイベントを取り巻くコミュニティの特徴について分析を行った.その結果,(1)従来のオフラインだけのコミュニティには見られない立場を超えたインタラクションが観察され柔軟なコミュニティが形成されていること,(2)会場だけでなく遠隔地から上記のサービスを利用して参加するユーザの中にも情報伝播のhubになる人物が存在すること,(3)参加者の流動性がイベントの継続において重要であること,という知見が得られた.
著者
前田 安里紗 上間 大生 白水 菜々重 松下 光範
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.204-215, 2015-01-06 (Released:2015-01-06)
参考文献数
18
被引用文献数
2

The objective of this study is to support learning of Japanese onomatopoeia for foreigners who learn Japanese. In recent years, the number of such foreigners is increasing. There are a lot of onomatopoeia words in Japanese and many of them are difficult to translate because only the number of onomatopoeia words in foreign languages (e.g., Mandarin, Cantonese) are fewer than these in Japanese. To overcome the cultural difference, this paper proposes a digital picture book system for learning Japanese onomatopoeia. The system presents 32 onomatopoeia words to a user. The design criteria of the system is that: (1) adopts an interface of user participation, (2) presents a tiny story in which onomatopoeic words are associated with pictures, and (3) enables comparison of two synonymous/antomynic onomatopoeias. We conducted a user study with foreign learners and revealed that the proposed system improves understanding of semasiological differences between two confusing onomatopoeic words.
著者
陳 焔 白水 菜々重 松下 光範
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

本研究の目的はコミックの文化的価値を他国の人々により深く理解してもらうための言語障壁の低減である。コミック中のオノマトペは読者に臨場感を伝える重要な役割を果たしているが、翻訳版では訳されない場合が多い。本稿では、中国人を対象に日本のオノマトペがどう理解されているかについて調査した。オノマトペの理解がコミックをより楽しむ上で重要であるものの、単に訳すことは必ずしも最適解ではない事が確認された。
著者
白水 菜々重 松下 光範
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.2276-2287, 2013-09-15

本研究の目的は,イベントにおいてTwitterやUSTREAMといった即時性の高いソーシャルメディアを利用することが,そのイベントのコミュニティの形成・維持にもたらす影響について明らかにすることである.近年,共通の関心や興味に基づいて人々が自発的に開催する勉強会やカンファレンスなどで,TwitterやUSTREAMといったリアルタイム性の高いWebサービスを利用してオンラインコミュニケーションを行うケースが増加している.本稿では,このようなイベント開催時にTwitterを介して行われる参加者同士のインタラクションの調査,ならびにそれを補完するアンケート調査を行い,このようなソーシャルメディアを利用したイベントを取り巻くコミュニティの特徴について分析を行った.その結果,(1)従来のオフラインだけのコミュニティには見られない立場を超えたインタラクションが観察され柔軟なコミュニティが形成されていること,(2)会場だけでなく遠隔地から上記のサービスを利用して参加するユーザの中にも情報伝播のhubになる人物が存在すること,(3)参加者の流動性がイベントの継続において重要であること,という知見が得られた.This paper investigates how web services for real-time communication influence formulation of a community. Since live streaming services with simple equipments become available, more and more events including conferences and workshops are broadcasting recently. Microblog services along with the live streaming also activate online communication among members of the event. We assume that such the web services play an important role to maintain sustainable growth of the community. To observe interaction among members of the community during their holding event, we collected tweets which relate to the event and analyzed them. Our findings so far are as follows; (1) acquiring certain amount of new participants constantly is important, (2) beginning organizers tend to have an experience of attending previous event of the community via live streaming and/or on site, and (3) several key participants to propagate the event's activities exist both on site and off site.
著者
赤星 俊平 白水 菜々重 松下 光範
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.1017-1018, 2017-03-16

本稿では,2016年7月に日本でサービスが開始されたPokemon GO を題材に,それが学生の勉学に支障をきたしたかについて検証する.注目されるゲームがリリースされる際には,定量的な根拠を伴わないにも関わらず,それらの勉学に対する負の影響がしばしば取りざたされ,その言説が一定の説得力を持って人々に受け入れられている.これは,ゲームに対する偏見を助長する懸念があり,検証する必要があると考える.そこで本稿では,Pokemon GO のリリース直後に行われた大学の期末試験を対象とし,受験者のPokemon GO のトレーナーレベルと試験の成績の相関を分析することで,Pokemon GO のプレイ時間が試験の成績にどのように影響したかについて定量的に検証する.
著者
阪口 紗季 白水 菜々重 島田 さやか 松下 光範
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2016-DCC-13, no.7, pp.1-8, 2016-05-23

パーソナル・ファブリケーションの発展に伴い,人々の DIY によるものづくりに対する関心が高まっている.一方で,ものづくりをするためにはまず知識や技術を習得する必要があり,初学者にとっては未だ敷居が高いものとなっている.こうした背景のもと,本研究では,初学者でも既に持っている知識や経験に基づいて電子工作を体験することができるキット “Haconiwa” をデザインしてきた.このキットでは,電子部品の外観が人形や模型といった,初学者にとっても馴染みのあるものに置き換えられており,各部品の接続部にはスナップボタンが採用されている.これにより,初学者にとって初見では難しいと感じる電子部品の見た目や操作を排除し,電子工作に対する抵抗をなくすことをねらいとしている.Haconiwa のハンズオン展示におけるユーザ観察と使用感に関する評価実験からは,電子工作初学者のユーザでも電子回路を完成させることが可能であることや,既存の手法に比べて導入のしやすさにおいて優れていることが示唆された.
著者
白水 菜々重 松下 光範 花村 周寛
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J97-D, no.1, pp.3-16, 2014-01-01

本研究の目的は,通い慣れた場所や見慣れた風景に対する認識を異化し,新たな気づきを促すことによって,その環境に対する認識の深化や新たな発見を促す仕掛けを確立することである.その実践として,大学生を対象にキャンパスを「楽園」に見立てたガイドマップを作成させるワークショップをデザインした.ガイドマップを作成する過程にはフィールドワークや情報の収集が含まれており,これらを通じて知識が得られるような仕掛けが施されている.本論文では,学生らのキャンパスに対する意識や理解の変化について考察するために,ワークショップの事前と事後にキャンパスに対する印象を尋ねるアンケートとキャンパスの認知地図を描画させるテストを実施した.その結果,学生らのキャンパスに対する印象は改善されたが,一方で認知地図に変化は見られなかった.
著者
白水 菜々重 花村 周寛 月川 香奈子 松下 光範
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

本研究の目的は、"これまでにないガイドブック”を作成するワークショップを通じて、参加者の場に対する理解を深めさせることである。これは、風景や場所に対する固定化された参加者らの観念をずらすために、普段とは異なる視点を引き出すキーワードを与えて対象を見つめ直させることで、新たな気づきを促す仕掛けである。本稿では、2つの異なる条件下でのワークショップの事例を報告し、それらの実践で得られた知見を報告する。
著者
白水 菜々重 松下 光範
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

近年、イベント開催時にTwitterやUSTREAMといった即時性が高いWebサービスの利用が進んでいる。これらのサービスが、イベントを取り巻くコミュニティに与える影響を分析するために、TwitterでのRTやReplyの参照関係の分析およびアンケート調査によって、会場参加者とWebを介して視聴する遠隔地参加者のインタラクション、ならびに経時的なTwitterユーザの参加形態の変遷を観察した。