著者
中本 智子 鶴野 玲治
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2017-DCC-17, no.19, pp.1-7, 2017-11-01

本論文では,人とバーチャルキャラクタが対面した場面を想定して,バーチャルキャラクタの眼球運動モデルの生成を行う.人間が他者の顔を見つめる時の視線は,相手の目や鼻などの特徴点を経常的に推移することが知られている.本研究ではそのことに着目し,自然に他者の顔を見つめるような統計的な眼球運動モデルを,実測値に基づいて構築した.また眼球運動と同時にユーザを適切に見つめる動作に伴う頭部の動きの生成も行った.本手法を用いた眼球運動モデルとユーザの顔の部位の位置の情報を組み合わせて,眼球運動を生成する事により,ユーザを適切に見つめるような眼球運動の生成が可能となった.
著者
工藤 真也 長岡 鼓太朗 梶並 知記
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2020-DCC-24, no.10, pp.1-4, 2020-01-16

本稿では,サバイバルゲームにおける少人数でのフラッグ戦を対象とした,試合後の振り返り支援を行う可視化インタフェースを試作する.サバイバルゲームは,エアソフトガンを用いて行う,実際の銃撃戦を模したゲームで,実世界のフィールド上で試合する.試合後,口頭またはメモ用紙などを用いて振り返りを行う場合がある.本稿では,振り返りの際の議論活性化のために,プレイヤーのフィールド上の移動軌跡や警戒,射撃状態を可視化するインタフェースを構築する.
著者
牧野 聖久 松河 剛司
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2018-DCC-20, no.8, pp.1-6, 2018-10-31

Unity を用いて開発したドットグラフィックを用いたアクションゲームについて,高解像度ディスプレイにおいてドットグラフィックをピクセルパーフェクトで表示する手法や,追加カメラを用いて実装したドットグラフィックの表現を崩さない画面ズームの手法について述べる.
著者
相澤 清晴
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2019-DCC-23, no.6, pp.1, 2019-10-31

毎日の食事をマルチメディアデータとして記録し活用する技術基盤として,著者らは FoodLog というシステムを開発 ・構築してきた.食事を記録するツールは数多くあるものの,テキストで入力し,テキストを残すものがほとんどであり,入力のための手間がかかるとともに,記録が一目でわかる直感的なものからはほど遠い.FoodLog は画像による記録を行う先駆けとしてのツールであった.入力の手間も,画像認識による入力の支援によって軽減された.当初は,Web ベースのシステム (2008),つぎにスマートフォンベースのアプリ (2013) となり,現在に至っている.foo.log (株) という組織を作り,アプリを一般利用に提供し,これまで 1000 万件を越える食事記録を収集している.その FoodLog プラットフォームは,食事画像認識やデータベースが API を介して利用可能に整備されている.収集データから,全体の食事の傾向,個人の食事の傾向,年月にわたる推移を可視化することもできる.2018 年末には,我々の研究室で,新たに FoodLog Athl というアプリを構築した.FoodLog の API を活用し,食事記録を支援するとともに,そのモニタを行う管理栄養士のツールを作り,両者のコミュニケーションを支援する.東大のアメフト部の強化選手の栄養管理 (ドーム(株)が栄養管理を実施) において利用が行われ,モニタの仕組みまで近く公開する予定である.本講演では,この FoodLog の一連の取り組みと,最新の FoodLog Athについて紹介する.
著者
王 飛 高橋 光輝
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2016-DCC-12, no.7, pp.1-7, 2016-01-14

戦後女性が社会生活で活躍し,同時にアニメ作品の内容も変貌した.特に近年における日本のヒットアニメはフェミニズムが色濃く反映されていると言っていい.影響を及ぼしているオタク文化やコスプレ文化など,フェミニズムがアニメに浸透している.日本のアニメにおけるフェミニズムの歴史に遡り,近代ヒットアニメのフェミニズム的要素,市場ニーズなどを通じ,ヒットとフェミニズムの関連性を分析し考察する.
著者
濱本 望絵 土屋 薫子 石川 博一 村上 隆史 杉村 博 森 信一郎 一色 正男
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2019-DCC-21, no.36, pp.1-8, 2019-01-17

無線対応端末がルータや中継機に無線接続する際,暗号化 ・ 復号化に必要な鍵を 2 つ取得する. 1 つはユニキャスト通信する際に使用する PTK (Pairwise Transient Key),もう 1 つはブロードキャストおよびマルチキャスト通信する際に使用する GTK (Group Temporal Key) である.家庭用ルータ ・ 中継機の中には,一定時間ごとに GTK を更新し,1 つの GTK を長い期間共有しないことで通信の安全性を高める設定が可能なものもある.しかし,中継機の GTK 更新の実装仕様により,無線 LAN ネットワーク上の端末間で GTK の不一致が発生する場合がある.その結果古い GTK を持つ端末と,新しい GTK を持つ端末との間でブロードキャストやマルチキャスト通信が不能になり,相互接続ができない問題が発生する.本論文では,中継機の GTK 更新に関する実装状況を調査し,その問題が発生する条件を明らかにする.またその問題に対して,端末側の実装で相互接続性を確保するための手法の提案を行うと共に提案手法の評価と考察を述べる.
著者
大山 晃平 小川 剛史
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2019-DCC-21, no.57, pp.1-6, 2019-01-17

感覚間の相互作用を用いたクロスモーダルインタフェースに関する研究が盛んに行われている.著者らの研究グループでは提示した感覚を減衰させる隠消現実感にクロスモーダル現象を応用するための基礎検討を行ってきた.特に視覚と圧覚の相互作用に着目し,視覚刺激と圧覚刺激の不整合によって圧力知覚を減衰できる可能性を示してきた.これまでのプロトタイプでは視覚刺激の提示ディスプレイとしてスマートフォンを用いていたが,ディスプレイに表示される腕に対する自己帰属感が低い被験者は圧力知覚が減衰し辛い傾向にあった.本稿では強い自己帰属感を維持するために,視覚刺激の提示ディスプレイとして HMD を用いた実験を実施し,その結果について考察した.実験で得られた知見をもとに,圧覚の隠消現実感を引き起こすための視覚刺激の提示条件について議論する.
著者
阪口 紗季 白水 菜々重 島田 さやか 松下 光範
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2016-DCC-13, no.7, pp.1-8, 2016-05-23

パーソナル・ファブリケーションの発展に伴い,人々の DIY によるものづくりに対する関心が高まっている.一方で,ものづくりをするためにはまず知識や技術を習得する必要があり,初学者にとっては未だ敷居が高いものとなっている.こうした背景のもと,本研究では,初学者でも既に持っている知識や経験に基づいて電子工作を体験することができるキット “Haconiwa” をデザインしてきた.このキットでは,電子部品の外観が人形や模型といった,初学者にとっても馴染みのあるものに置き換えられており,各部品の接続部にはスナップボタンが採用されている.これにより,初学者にとって初見では難しいと感じる電子部品の見た目や操作を排除し,電子工作に対する抵抗をなくすことをねらいとしている.Haconiwa のハンズオン展示におけるユーザ観察と使用感に関する評価実験からは,電子工作初学者のユーザでも電子回路を完成させることが可能であることや,既存の手法に比べて導入のしやすさにおいて優れていることが示唆された.