著者
小泉 準三 白石 博康 宮本 真理 松本 好正
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.255-261, 1981-06-01 (Released:2017-08-01)

A 24-yearold male was admitted to our hospital with his complaints of severe polydipsia, polyuria and headache. The total volume of urine reached up to nearly 15 liters per day. He showed nausea, vomiting, aggravation of headache and polydipsia by psychic stress during his hospitalization. No remarkable organic changes were observed in the laboratory data and other examinations. Being given a water deprivation test, he was diagnosed as psychogenic polydipsia. Psychological and environmental factors were considered to be related to the development of the disorder. He received supportive psychotherapy as well as drug treatment with no marked improvement. When the intake of water was restricted to the volume of 2 liters per day by using a scaled polyethylene vessel, the patient made a rapid recovery.
著者
高尾 哲也 佐々木 恵美 鈴木 利人 白石 博康
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1361-1363, 2001-12-15

突発性射精は,性的刺激や性的思考とは無関係に突然に射精する状態である。1983年にRedmondら6)が初めて報告して以来,器質的脳疾患に併発した症例報告4,5)などはあるが,未だその発症機序は明らかではない。 筆者らは,13歳時より不安・緊張時に突発性射精を呈し,後に精神分裂病を発症した1例を経験した。稀な症例と思われたので,若干の考察を加えて報告する。
著者
大石 惇喜 白石 博
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.1-28, 2018-09-26 (Released:2019-04-02)
参考文献数
9

保険会社において,複合ポアソン過程に基づいた古典的リスクモデルを考えるとき,保険会社の余剰金がある境界を上回った部分に関して株主に配当として支払うという配当戦略問題がある.最適な配当境界は,破産時刻までに支払われる累積配当金現在価値の期待値を最大化するものとして与えられる.本論文ではまず,古典的リスクモデルを仮定し,サープラス過程(保険会社の余剰金を表す確率過程)のサンプルパスから最適配当境界の推定量をM-推定により構成する.M-推定量の一致性を示す際には目的関数の一様収束性が重要となり,それはGlivenko-Cantelliの定理として知られている.Glivenko-Cantelliの定理は関数の一様収束性を,関数族の大きさを測るエントロピーによって述べたものである.本論文では一様エントロピーの有界性を用いて関心のある関数の一様収束性を示すことで,構成した推定量の一致性を証明する.そのために,関心のある関数族が,関数の複雑度を表すVC-指数が3のVC-サブグラフクラスであることを示す.最後にシミュレーションを通して目的関数の一様収束性と,推定量の一致性について確認する.
著者
堀 正士 新井 哲明 嶋崎 素吉 鈴木 利人 白石 博康
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.97-99, 1997-01-15

trazodone(レスリン®,デジレル®)は,心血管系の副作用が軽微で,抗コリン系副作用が少ないことなどから,高齢者や身体疾患を合併したうつ病患者に対して比較的投与しやすい薬剤とされている2)。しかしその反面,副作用として稀ではあるが,持続陰茎勃起症が知られており,治療的緊急性を要する場合もあることから,男性患者では注意を要する7,9,10)。一方で,単に身体的な異常にとどまらず,性欲そのものを亢進させるという報告も近年みられるようになってきた4,6,8)が,その発現頻度は極めて低く,本邦での報告は見当たらない。今回我々はtrazodone投与中に耐え難い性欲の亢進を呈した,妄想性うつ病の1女性例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。
著者
山口 直美 小林 純 太刀川 弘和 佐藤 晋爾 堀 正士 鈴木 利人 白石 博康
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.25-32, 2000-01-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
30

摂食障害患者を自殺企図の有無で2群に分類し, 2群間でParental Bonding Instrument(PBI)で測定された両親の養育態度や臨床症状などについて比較検討した.PBIの結果において, 自殺企図群では両親のoverotection(過保護)得点が有意に高かつた.また自殺企図群では虐待体験を伴う症例が有意に多かつた.一方, 発症年齢, 調査時年齢, 摂食障害の重症度, 過食, 嘔吐, 下剤乱用, 物質乱用, 抑うつ状態の有無などについては2群間に有意差を認めなかつた.摂食障害患者において自殺企図の危険因子として, PBIの高いover protection得点で示されるような, 親の支配的で過保護な養育態度や虐待体験などが重要と考えられた.
著者
白石 博也
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.104, no.1287, pp.126-127, 1989-07-20

1986年12月31日午後プエルトリコ・サンファンのデュポンプラザ・ホテルで火災があり97人が死亡し,140人以上が負傷した。火災建物は,3〜20階が客室階で1階のダンスホール,2階のカジノ,店舗,レストランおよび会議室のあるスプリンクラー未設置の20階建の複合ホテルであった。ダンスホール付近は耐火被覆のない不燃一部木造で,カジノ,ロビーおよび高層部分は耐火構造になっていた。ホテルには自動火災報知設備はない。高層部分には警報設備は設置されていたが,出火当時作動状態になっていなかった。デュポンプラザ・ホテルは,1963年に建築され,1954年9月に施行された建築規制に適合していた。