- 著者
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渡邊 雅之
深澤 均
白石 不二雄
白石 寛明
塩澤 竜志
寺尾 良保
- 出版者
- 一般社団法人 日本環境化学会
- 雑誌
- 環境化学 (ISSN:09172408)
- 巻号頁・発行日
- vol.14, no.1, pp.65-71, 2004-03-29 (Released:2010-05-31)
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
-
4
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試験用離解機を用いて古紙原料の離解排水を作成し, そのBPA濃度を測定した。8種類の古紙原料のうち, 感熱紙で440mg/lと高濃度のBPAが検出された。さらに, ワープロ用あるいはFAX用の11種類の感熱紙について検討したところ, 1999年以前に製造された感熱紙の離解排水で170~460mg/lのBPAが検出された。しかし, それ以降に製造された感熱紙ではBPA濃度が大きく低下することや, 顕色剤としてBPSあるいはBPS-monoPが検出されることが示された。これらのことから, 感熱紙の顕色剤としてBPAから他の製品への切り替えが進んでいることが示唆された。また, 増感剤としてm-テルフェニル, 4-ベンジルビフェニル, 1, 2-ビス (3-メチルフェノキシ) エタン及びベンジル2-ナフチルエーテルも検出された。感熱紙に含まれる可能性のある物質について酵母ツーハイブリッド・アッセイ法によるエストロゲン・アゴニスト試験を行ったところ, 4-ヒドロキシ安息香酸ベンジルとトリフェニルメタンにBPAより強い活性が認められた。