著者
清水 誠治
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.65-71, 2006-03-30 (Released:2017-04-29)

ワンマンバスの,テープや音声合成による案内放送について,全国の路線バス事業者に実施したアンケート調査の結果の中から,地域差の見られた事例を取り上げ,分布図を用いて報告する.ここで取り上げるのは以下の事象である.・次の停車バス停や行き先案内での「です」と「でございます」の使用・起点発車時,および終点到着時の第一声に流されること・乗客が乗務員に降車の希望を知らせる設備の名称ここでは,設備の名称に見られるように,おおよそ東日本にしか見られない事象があることや,終点到着時の第一声に見られるような特定の地域に集中している事象のあることなどがわかった.
著者
清水 誠
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.94-102, 1981-02-28 (Released:2010-03-08)
参考文献数
13
著者
薩 秀夫 清水 誠
出版者
国際タウリン研究会
雑誌
タウリンリサーチ (ISSN:21896232)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.39-41, 2015 (Released:2019-10-01)

筆者らのグループでは、腸管とタウリンの相互作用について研究を進めてきた。腸管上皮モデル細胞を用いて、腸管上皮におけるタウリンの吸収に関わるタウリントランスポーター(TAUT; SLC6A6)の特性ならびに各種要因によるTAUT 制御・調節について明らかにしてきた。またタウリンが腸管上皮モデル細胞と活性化マクロファージモデル細胞を用いたin vitro 炎症モデル系において抗炎症作用を示すことが見出され、実際にデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘導大腸炎モデルマウスを用いたin vivo モデル系においてもタウリンは大腸炎を軽減することを明らかにした。これよりタウリンは、腸管においてTAUT を介して吸収されるとともに大腸炎を改善することが示唆された。
著者
清水 誠
出版者
東洋史研究会
雑誌
東洋史研究 (ISSN:03869059)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, 1960-01

Analysing the finances of the Abbasid State from the socio-economic standpoint, the author probes the relationship between the State and the newly-rising middle class. The Abbasid State, moving from the period of establishment to one of stability, gained control of the grain of the Sawad, (the replacement of the misaha by the muqasama system at the end of the reign of al-Mansur) in order to sustain the mechanism of the State, and to restrain the merchants from seizing intermediate profits which they had previously taken from the peasants, who were the taxpayers, by the system of the cadastral tax in money (misaha). But the middle class, consisting of merchants, proprietors (tunna)), and others who wielded economic power, gradually came to occupy an important position in the society and to have a severe antagonism against the bureaucratic State which was working to complete its internal expansion. The antagonism, nevertheless, found a compromise in the one-step retreat on the part of the State. This retreat meant in fact the farming out of tax managements (daman) and the fosterage of the rank of purveyors through the business of public grain of the Sawad. It was indeed the presence of the complicated mechanism of the fiscal administration and the supervision by a centralized authority that permitted this excessive concession to those who, though favoured by financial capacity, were lacking in professional knowledge relative to the public fiscal economy. On the other hand, since this compromise between the State and the middle class imposed a consequent economic oppression upon the lower classes, the Abbasid State was doomed to be alienated from them, and this must be regarded as one of the fundamental causes of the internal disintegration of the State.
著者
清水 誠治
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.46-60, 2006-04-01

先行研究の調査報告内容が一致していない愛媛県宇和島市の九島方言アクセントについて、新たに行なった調査結果に基づき報告し考察する。まず、この方言では、弁別の決め手となる下降が遅れて実現する場合があり、また、句頭の音調にも様々なものが出現可能で、そうしたゆれが個人差を生じさせ、結局調査結果のズレをもたらしたらしいことを報告する。続いて、音韻体系としては宇和島方言アクセントと同じく「中輪式」に解釈される点と、新たに見つかった、頭高型以外の語が無核型文節に続く時低接する現象の存在から、この方言アクセントは、従来言われていたような現在の宇和島方言の体系から変化して成立したものではなく、宇和島方言と同じ体系から宇和島方言とは式の合流に関して異なる経路の変化を遂げながらも一度宇和島方言と同じ音韻体系に至った後、新たな変化が起こっているものだとする説を述べる。
著者
清水 誠
出版者
東京大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

タウリンはβ-アミノ酸の一種であり生体内で様々な生理機能を有することが知られている。タウリンは、タウリントランスポーター(TAUT)による外部からの取込とMetやCysからの生合成の二通りによって生体内へ供給される。昨年度は、脂肪細胞のモデルとしてマウス由来前駆脂肪細胞株3T3-L1を用い、3T3-L1細胞におけるTAUTの特性、またTAUT及びタウリン生合成の律速酵素であるシステインジオキシゲナーゼ(CDO)の制御について解析を進めた。そこで本年度は、脂肪細胞分化過程におけるTAUTとCDOの制御についてまず検討した。3T3-L1の脂肪細胞分化過程におけるTAUT活性及びTAUTとCDOのmRNA量を測定したところ、TAUT活性とTAUTmRNA量は分化誘導時において一過的に増加し、その後徐々に減少していくことが示された。一方、CDOmRNA量は分化が進むにつれて増加し、特に分化誘導直後に顕著な増加がみられた。そこで次に、タウリンが脂肪細胞分化に及ぼす影響について検討することとし、分化の指標となる細胞内トリグリセリド量とGPDH活性に対するタウリンの影響を検討した。しかしながらタウリンはいずれの活性に対しても影響を与えず、脂肪細胞分化に対して影響を与えないことが示された。一方、分化した脂肪細胞が分泌するアディポサイトカイン類の発現に対するタウリンの効果を検討した結果、TNF-αによるアディポネクチンの発現抑制がタウリンの添加により改善されることが見出された。さらにタウリンはTNF-αによるPAI-1mRNA発現量の亢進を有意に抑制した。以上の結果より、タウリンは脂肪細胞においてインスリン抵抗性のサイトカイン(PAI-1)を抑制しインスリン感受性のサイトカイン(アディポネクチン)を増加させることで、インスリン抵抗性さらには生活習慣病を改善する可能性が示された。