著者
白石 建雄 新井 房夫 藤本 幸雄
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.21-27, 1992-02-29 (Released:2009-08-21)
参考文献数
17
被引用文献数
9 10

秋田県男鹿半島の上部更新統潟西層から阿蘇4火砕流 (Aso-4pfl) および三瓶木次軽石 (SK) 由来の漂流軽石と阿蘇4火山灰 (Aso-4) が発見された. SK漂流軽石は模式地の潟西層最上部付近に含まれ, Aso-4pfl由来の漂流軽石はAso-4直上に存在する. このことにより, 潟西層は関東地方の下末吉層より新しく, ほぼ小原台期に対比されること, ならびにSKおよびAso-4が堆積した7~9万年前には日本海を北上する海流があったことが明らかになった. また, 男鹿半島で下末吉層相当層と下末吉段丘に対比される段丘を確定することがこれからの課題となった.
著者
西川 治 奥平 敬元 吉田 昌幸 白石 建雄
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.114, no.Supplement, pp.S75-S85, 2008-09-18 (Released:2011-12-22)
参考文献数
29
被引用文献数
1 1

出羽丘陵は,東北日本が強い東西圧縮応力場におかれた鮮新世前期から逆断層や褶曲構造を形成しながら隆起を開始し,更新世中期にかけて全域が陸化したと考えられている.この隆起運動に関連した変形構造は,出羽丘陵成立過程の構造運動の実態を明らかにするために重要なデータとなるだけでなく,脆性領域の変形機構や変形様式を理解するための格好の素材を提供している.この見学旅行では,出羽丘陵西縁部に存在する北由利衝上断層群および中央部に位置する鳥田目断層群に伴われる変形構造を観察し,その運動像や変形条件について考察する.
著者
白石 建雄 白井 正明 西川 治 鈴木 隼人 古橋 恭子 星 多恵子
出版者
The Geological Society of Japan
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.114, pp.S33-S50, 2008
被引用文献数
3

男鹿半島には厚い海成更新統が分布しており,その中には多数の広域テフラが挟まれている.また酸素同位体ステージ12 以降については,酸素同位体比変動曲線で示される主要イベントが地層・地形記録として非常によく保存されている.それゆえ,第四紀層序学的に非常に重要な地域である.この男鹿半島を含む日本海沿岸地域は日本海東縁変動帯の一角を占め,八郎潟を挟む東西両地域一帯には,南北方向に長軸を有する活動的逆断層地溝(八郎潟-秋田湾地溝)が成立している.そのため新期の地殻変動が非常に激しく,地層や更新世海成段丘は大きな変形・変位を蒙っている.本見学旅行では,第四紀地殻変動の影響を強く受けた堆積層,地形を観察する.
著者
白石 建雄 新井 房夫 藤本 幸雄
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.21-27, 1992
被引用文献数
4 10

秋田県男鹿半島の上部更新統潟西層から阿蘇4火砕流 (Aso-4pfl) および三瓶木次軽石 (SK) 由来の漂流軽石と阿蘇4火山灰 (Aso-4) が発見された. SK漂流軽石は模式地の潟西層最上部付近に含まれ, Aso-4pfl由来の漂流軽石はAso-4直上に存在する. このことにより, 潟西層は関東地方の下末吉層より新しく, ほぼ小原台期に対比されること, ならびにSKおよびAso-4が堆積した7~9万年前には日本海を北上する海流があったことが明らかになった. また, 男鹿半島で下末吉層相当層と下末吉段丘に対比される段丘を確定することがこれからの課題となった.
著者
白石 建雄 竹内 貞子 林 信太郎 林 聖子
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.187-190, 1988
被引用文献数
1 4

A thin volcanic ash intercalation was found in a 0.2 to 1.4m thick peat layer in the basal part of the sedimentary layer, provisionally named the Hakoi Formation, unconformably overlying the Katanishi Formation; this formation yielded warm, near-shore marine and brackish water fauna and flora and has been correlated with the Last Interglaciation in the glaciated regions. The refractive index of glass shards of the ash (1.499-1.501) coincides with the Aira-Tn ash (AT), and the glass has almost the same major element composition as the AT detected in Dekizima, western Aomori Prefecture. The carbon-14 age of fossil wood from a horizon slightly above the ash is 15, 470±620y.B.P. (I-14, 646). These characteristics indicate that the ash is Aira-Tn ash, ejected from the Aira Caldera, southern Kyushu, the most prominent marker tephra of the Late Pleistocene in Japan. The pollen assemblage of the peat indicates a cold climate during the time of deposition of the ash.