著者
白鳥 貴亮 中澤 篤志 池内 克史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.8, pp.2242-2252, 2007-08-01
被引用文献数
6

近年コンピュータグラフィックスの分野では,自然なキャラクタのアニメーションを生成する手法が数多く提案されてきている.しかし,人間の振舞いの印象を大きく左右する表現を考慮した手法はほとんど提案されていない.そこで本論文では,表現が重要な要因となる舞踊動作を対象として,入力される音楽信号から舞踊の表現に関係する音楽情景を解析し,その結果に合った舞踊動作を生成する手法を提案する.これにより従来手法では不可能であった,音楽に合った豊かな表現をもつ舞踊動作を生成することを目的とする.動きデータからは動きのリズムと盛り上がりの特徴量を,音楽データからは楽曲構造解析によってセグメント分割し,特徴量としてリズム,盛り上がりを抽出する.舞踊動作生成時は,まず構造解析によって得られる音楽セグメント内のリズム成分と高い相関を示す動きの候補セグメントをすべて抽出する.そして最後に盛り上がり成分の相関を求めることで最適な動きセグメントを選択し,連結することで舞踊動作が生成される.様々な楽曲や動きデータに適用して実験を行い,その有効性を示す.
著者
沼口 直紀 中澤 篤志 白鳥 貴亮 ジェシカ ホギンス
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2011-CG-145, no.1, pp.1-8, 2011-11-10

モーションキャプチャは現在の映像やゲームの制作現場において必須の技術である.特に最近では安価なモーションキャプチャシステム等の開発もあり,モーションキャプチャデータ (動作データ) の一般ユーザーへの利用も広がっている.このような背景から,大規模なモーションキャプチャデータベース (動作データベース) がインターネット上に公開され,ダウンロード・利用できるようになっている.本研究では,大規模な動作データベースからユーザーの所望のデータを検索するために,センサを内蔵した人形インタフェースを用いる手法を提案する.このセンサは 17 自由度を持ち,人と同様の形状・自由度であるため,キーワード等の方法に比べ直感的に検索できる.我々は人形動作と動作データの比較手法として,部分空間法を用いた異常データ検出の考え方に基づき,人形動作と動作データを互いの部分空間に投影することで比較を行う手法を開発した.実験ではユーザーテストを行ってインタフェースの操作性や検索精度および検索時間を評価し,提案手法の有効性を確認した.