著者
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出版者
日本抗生物質学術協議会
雑誌
The Japanese journal of antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.428-451, 2006-12-25
参考文献数
17
被引用文献数
37
著者
益田 順一 西丸 雄也
出版者
医学書院
雑誌
Brain and Nerve 脳と神経 (ISSN:00068969)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.293-297, 1980-03-01

I.緒言 1961年,Virnoら14)が実験的脳浮腫に対して,グリセロールを投与し,効果を認めて以来,実験的あるいは臨床的に検討が加えられ6,7,13),現在頭蓋内圧の低下と脳浮腫の改善にグリセロールが有効であるとされている。 脳浮腫に対して従来使用されてきたマンニットールには,rebound現象・水—電解質バランスの乱れなどが見られ,ステロイドには胃腸管出血などの重大な副作川があり,また有効性自体についていまだに議論のあるところである。これらに比し,グリセロールは欠点が少なく使いやすいとされている。副作用として報告されていた血素尿および溶血性腎不全も5%フルクトースの添加によつてほとんど発現を見なくなつた1)。また,Meyerら8)によれば,糖代謝への影響も少なく,糖尿病の患者にも安心して使用できるとされている。今回われわれは,高血圧性脳内出血の症例に対して,グリセロールを使用し,非ケトン性高浸透圧性高血糖を経験したので報告し,文献的考察を加える。