- 著者
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大島 美紀
粟屋 幸一
藤井 隆之
小泊 好幸
桑原 正雄
- 出版者
- 一般社団法人 日本アレルギー学会
- 雑誌
- アレルギー (ISSN:00214884)
- 巻号頁・発行日
- vol.49, no.5, pp.412-419, 2000
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
-
2
Chlamydia pneumoniae感染の急性気管支炎や気管支喘息の発症, 増悪における関与を検討した.対象は1週間以上咳, 痰が持続した当科外来患者131例(急性気管支炎患者(AB)60例, 気管支喘息患者(BA)71例)とコントロールとしての健常人(NP)20例とした.血清を用いてChlamydia抗体価をELISA法にて測定し, 喀痰細菌検査を行った.抗体保有例はAB88.4%, BA73.3%, NP60%でABが有意に高率であった.IgA抗体価はABが, NPおよびBAと比較して有意に高値であった.急性感染例はAB20%, BA15.5%, NP10%で有意差は認めなかったC.pneumoniae急性感染症例のうち急性気管支炎例では58%, 気管支喘息例では36%がS.pneumoniaeとの混合感染であった.以上より, C.pneumoniaeは急性気管支炎の発症に関与している可能性が示唆された.また急性気管支炎と気管支喘息のC.pneumoniae急性感染症例のなかで高率に細菌(特にS.pneumoniae)との混合感染を認め, 症状の増悪に関与していると考えられた.