著者
山口 惠三 大野 章 石井 良和 舘田 一博 岩田 守弘 神田 誠 辻尾 芳子 木元 宏弥 方山 揚誠 西村 正治 秋沢 宏次 保嶋 実 葛西 猛 木村 正彦 松田 啓子 林 右 三木 誠 中野渡 進 富永 眞琴 賀来 満夫 金光 敬二 國島 広之 中川 卓夫 櫻井 雅紀 塩谷 譲司 豊嶋 俊光 岡田 淳 杉田 暁大 伊藤 辰美 米山 彰子 諏訪部 章 山端 久美子 熊坂 一成 貝森 光大 中村 敏彦 川村 千鶴子 小池 和彦 木南 英紀 山田 俊幸 小栗 豊子 伊東 紘一 渡邊 清明 小林 芳夫 大竹 皓子 内田 幹 戸塚 恭一 村上 正巳 四方田 幸恵 高橋 綾子 岡本 英行 犬塚 和久 山崎 堅一郎 権田 秀雄 山下 峻徳 山口 育男 岡田 基 五十里 博美 黒澤 直美 藤本 佳則 石郷 潮美 浅野 裕子 森 三樹雄 叶 一乃 永野 栄子 影山 二三男 釋 悦子 菅野 治重 相原 雅典 源馬 均 上村 桂一 前崎 繁文 橋北 義一 堀井 俊伸 宮島 栄治 吉村 平 平岡 稔 住友 みどり 和田 英夫 山根 伸夫 馬場 尚志 家入 蒼生夫 一山 智 藤田 信一 岡 三喜男 二木 芳人 岡部 英俊 立脇 憲一 茂龍 邦彦 草野 展周 三原 栄一郎 能勢 資子 吉田 治義 山下 政宣 桑原 正雄 藤上 良寛 伏脇 猛司 日野田 裕治 田中 伸明 清水 章 田窪 孝行 日下部 正 岡崎 俊朗 高橋 伯夫 平城 均 益田 順一 浅井 浩次 河原 邦光 田港 朝彦 根ケ山 清 佐野 麗子 杉浦 哲朗 松尾 収二 小松 方 村瀬 光春 湯月 洋介 池田 紀男 山根 誠久 仲宗根 勇 相馬 正幸 山本 剛 相澤 久道 本田 順一 木下 承晧 河野 誠司 岡山 昭彦 影岡 武士 本郷 俊治 青木 洋介 宮之原 弘晃 濱崎 直孝 平松 和史 小野 順子 平潟 洋一 河野 茂 岡田 薫
出版者
日本抗生物質学術協議会
雑誌
The Japanese journal of antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.428-451, 2006-12-25
参考文献数
17
被引用文献数
37
著者
齋藤 充生
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.269-288, 2008-08-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
53

医薬品の副作用は担当医の専門分野とは異なる臓器にも発生し得ること, 重篤な副作用の発生頻度は一般に低く, 臨床現場において遭遇する機会が少ない場合があり得ることなどから, 初期症状が見逃されることがある。厚生労働省では, 平成17年度から4年計画で「重篤副作用総合対策事業」を実施し, その一環として, 患者及び一般医療従事者を対象とした重篤副作用疾患別対応マニュアルの作成を進めている。本稿では, 重篤副作用対策マニュアルの作成目的, 作成状況について紹介するとともに, 公開されたマニュアルのうち, 抗生物質, 抗菌薬が原因医薬品として挙げられているものについて, 簡単に紹介する。平成20年6月末現在, 29の副作用マニュアルが公開され, そのうち, 抗生物質・抗菌薬が関与する薬剤として挙げられているのは16あった。抗生物質・抗菌薬は現代の医療に必須であるが, 抗生物質・抗菌薬の使用に当たっては, これらの標的臓器以外に発生する重篤副作用にも注意を払い, 初期症状を見逃さないことが重要である。
著者
三鴨 廣繁 玉舎 輝彦 田中 香お里 渡邉 邦友
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.35-40, 2006-02-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
6
被引用文献数
2

近年では,性行動の多様化により,クラミジア・トラコマティスの咽頭感染を認める症例が増加していると言われている。しかし,クラミジア・トラコマティスは,咽頭に感染しても無症状のことも多く,感染が拡大する要因のひとつになっていると考えられる。今回,一般女性およびcommercial sex workers (CSWs) の性行動の実態およびクラミジア感染症 (子宮頸管および咽頭) の現状について調査した。その結果,一般女性においてもオーラルセックスは,性行為において,ごく普通の行為として定着していることが明らかになった。子宮頸管にクラミジア感染が認められた女性は,CSWsでは33.3%,一般女性では7.9%であり,咽頭にクラミジア感染が認められた女性は,CSWsでは22.5%,一般女性では5.2%であった。また,これらに対して,クラリスロマイシン,レボフロキサシン,アジスロマイシンによる治療成績を検討したところ,子宮頸管感染ではクラリスロマイシン400mgの7, 10, 14日間投与,レボフロキサシン300mgの7, 10, 14日間投与,アジスロマイシン1000mg単回投与のいずれにおいても除菌率は100%であった。しかし,咽頭感染では,クラリスロマイシン,レボフロキシンの10, 14日投与では,除菌率は100%であったが, 7日間投与では,それぞれ, 83.9%, 86.2%であり,またアジスロマイシンの単回投与では85.0%であった。これらの成績より,クラミジア咽頭感染ではクラリスロマイシンや,レボフロキサシンなどのフルオロキノロン系抗菌薬を10日間以上投与する必要があると考えられた。クラミジア咽頭感染の臨床的意義については議論の多いところであるが,今後は,耳鼻咽喉科および内科の医師とも協力しながら,培養法等などを用いた詳細な検討が必要であると考える。
著者
甲田 雅一 福原 淳子 竹内 美香 大川原 正文 松崎 廣子 遠井 初子 古畑 紀子 丸山 美樹 佐々木 希実 沢辺 悦子 池田 昭 鈴木 ツル 佐藤 仁美 高橋 一郎 木村 冨美子 野村 久子 小野 恵美
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.458-468, 1999

<I>Pseudomonas aeruginosa</I>に対する各種抗生物質の抗菌力は分離施設の使用抗生物質の種類や量により影響されることが多く, ある施設で有効とされる抗生物質が他の施設でも有効とは限らない。真に抗菌力に優れる抗生物質とはMICが低く, 薬剤耐性が進行し難い薬剤であり, そのような抗生物質こそ, どの施設からの分離菌に対しても有効と言えるであろう。著者らは薬剤耐性が進行し易い抗生物質ではMICの施設間差が大きいと考え, 6施設から分離した<I>P.aeruginosa</I>に対する各種抗生物質のMICとMICの施設間差を調査し, その結果をスコア化して, 総合的に抗菌力を評価する試みを行った。その結果, 真に<I>P.aeruginosa</I>に対する抗菌力に優れる抗生物質はimipenem, cefozopran, ceftazidime, cefsulodin, amikacinなどであると考えられた。本報告で提案した解析方法は, 入院患者の細菌感染症に対する優れた抗生物質の評価のための一方法になり得ると考える。
著者
岡本 美穂二 安冨 徹
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.634-637, 1975

消化管の手術においては, 消化管内に存在するグラム陽性およびグラム陰性の細菌による手術野の汚染は, 一般に避けることができないとされている。<BR>手術中に汚染された腹腔内の感染予防のために, 細菌に直接作用させることを目的として, 抗生物質を手術終了直前に腹腔内に注入する方法がある。腹腔内に投与された抗生物質は, 腹膜を介して血液中に移行するが, 腹膜の吸収能は, 横隔膜下腹膜, 大網, 消化管を包む腹膜が, 他の部位の腹膜よりも特にすぐれた透過性を有しており1), 抗生物質は腹腔内投与によつても速やかに血液中に移行し, 有効血中濃度が得られるとされている2)。したがつて, この方法は, 術後の全身性の感染症の予防にも効果が期待できるものと考えられる。<BR>我々は, 従来から腹部手術においては, 手術終了直前に抗生物質を腹腔内に注入することを原則としているが, 注入する抗生物質は副作用の少ないものを使用するように心掛けている。今回, 広範囲スペクトルをもつ殺菌性の抗生物質で, 毒性が低く, 特に腎毒性が少ないために術後の感染予防に広く用いられているSodium cephalothin (商品名ケプリン, 以下CETと略す) を, 腹腔内投与および全身投与に使用し, その併用療法における臨床効果を検討したので報告する。
著者
原田 喜男 花房 友行
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.188-194, 1975

薬剤の投与方法には, 静注や筋注あるいは経口などによる全身投与と限局した部位に対する局所投与とがある。抗生物質を腹腔内に投与する方法は, 腹膜炎治療における薬剤投与の1手段として古くから用いられてきた方法であり, 現在も各種の抗生物質が腹腔内に投与されている1)。また近年, 腹部手術時における細菌汚染に対して, 術中に抗生物質を腹腔内に投与し, 術後の腹腔内感染を予防する旨の報告もある1~3)。<BR>手術時における抗生物質腹腔内投与の利点は,(1) 汚染直後に,(2) 直接汚染部位に,(3) 高濃度に, 薬剤を作用させることができる点であり, 一方その副作用としては, 抗生物質の種類によつて,<BR>(1) 腹膜に対する刺激作用一腸管癒着による癒着性イレウスの発生など。<BR>(2) 腹腔内諸臓器に対する刺激作用一特に腸管運動の抑制をも含む。<BR>(3) 術創部の治癒遅延。<BR>(4) 血中移行による全身性の毒性一特に麻酔下における呼吸抑制をも含む。などのあることが指摘されている1, 4)。<BR>Sodium cephalothin (商品名, ケプリン, 以下CETと略す) は, 広範囲のスペクトルをもつ殺菌性の抗生物質で, 非常に毒性が少なく, 特に腎毒性の少ないことなどの利点によつて, 術後の全身投与の抗生物質として広く用いられているものである。<BR>一方, CETの腹腔内投与に関しては,米国での臨床報告があり, その安全性と有効性が確認されているが5~7), 我国でもCETの腹腔内投与を推奨する意見があるので1, 2, 8), 我々はCETの腹腔内投与の安全性について検討するため, ラットを用いて毒性試験をおこなった。
著者
小塚 良允 田村 博昭 清水 保 長谷川 美知子 田中 熟 日高 敏男 鳥浜 慶熈 杉山 陽一 石井 奏
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.684-686, 1975

近年における抗生物質の開発進歩には目覚しいものがあり, 各種感染症に対してあるいは汚染手術の術後感染予防に対して著明な効果を期待できるまでに至つている。しかし, その投与方法に関しては, 未だに慣用的な要素が多く, 今後の研究の余地が残されている。抗生物質の本来の効果を期待するには, 薬剤の濃度と起炎菌の感受性との関係を解明した上での正しい投与法をおこなう必要がある。<BR>産婦人科領域における術後感染症として最も重要なのは, 子宮頸癌-広汎子宮全摘除術における骨盤死腔炎である。私どもは, この種の手術にさいして, 子宮全摘除後の骨盤死腔内に, Sodium cophalothin (商品名, ケプリン, 以下CETと略す) の粉末29を散布し, 術後骨盤死腔炎の予防効果を挙げている。今回, CET2g骨盤死腔内投与後の血中濃度を測定し, 術後の抗生物質の投与方法について検討する機会を得たのでその成績を報告する。
著者
佐々木 眞敬 佐野 光一 角 明美 本山 径子 矢野 讓次 松本 一彦 山本 宏
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.42, no.11, pp.2412-2421, 1989-11-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
10

Miporamicin (MPM) 並びにその微量成分, 分解物及び代謝物のマウス, ラットにおける急性毒性試験を行った。1. MPMの経口投与によるマウス, ラットにおけるLD50値は最高用量においても死亡が認められなかったことから, それぞれ2,500mg/kg及び2,000mg/kg以上と推定された路。投与経によるLD50値は静脈内く皮下く経口投与の順に高くなり, 性差は認められなかった。2. MPMを経口投与されたマウス, ラットの一般症状に異常は認められなかった。皮下投与では, 投与部位の腫脹, 皮下充出血, 脱毛, 痂皮形成等の炎症性反応が認められた。静脈内投与では, 投与直後に運動抑制及び呼吸抑制又は停止, 振戦, 痙攣等が観察された。3. MPM投与による死因は呼吸抑制, チアノーゼ, 更に, 呼吸停止の後, 心拍の停止がみられることから, 呼吸機能麻痺によると推定された。4. MPMの微量成分, 代謝物及び分解物の急性毒性試験ではMPMとほぼ等しい毒性発現を示した。
著者
百瀬 皓 笠原 淳弘 畚野 剛 水田 栄治
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.35, no.12, pp.2879-2893, 1982-12-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
20

近年本邦においては, 諸外国に比べて各種抗菌剤の研究開発が極めて活発に行われている。特にペリシリン, セファロスポリン系のβ-ラクタム系抗生物質はその作用機序が細菌細胞壁に直接作用するために人体に対する副作用が少なく, 安全性に優れていることから, 市販品も多数にのぼつている。しかし, 眼科領域の適応症を取得している薬剤は少なく, Sulbenicillin (SBPC), Carbenicillin (CBPC), Cepha-10thin (CET), Cefaloridine (CER), Cefazolin (CEZ) であるが, 臨床適用の参考となるヒトの眼内移行性成績はCEZ1, 2) を除き見当らない。又国内では眼科領域の適応症は取得していないけれども, 外国での研究としてCefuroxime (CXM) 3), Cefamandole (CMD) 4), Cefoxitin (CFX) 5) の眼内移行性が報告されているにすぎない。このような現状において, このたび武田薬品から特徴のある2種類のセファロスポリン系抗生剤Cefsulodin (CFs), とCefotiam (CTM) が市販された。その化学構造式をFig.1に示した。CFSは, 緑膿菌に有効な世界最初のセファロスポリン系抗生物質であり, 一方のCTMはグラム陽性菌からグラム陰性菌にまで幅広い抗菌スペクトルを有し, 従来のセファロスポリン系抗生物質に比べて新しくインフルエンザ菌, シトロバクター属, エンテロパクター属, インドール陽性のプロテウス属が有効菌種として追加され, 日常診療で分離頻度の高い菌種には極めて抗菌力の強い薬剤である。これら両剤の家兎眼内移行性についてはすでに検討がなされている6, 7) が, ヒト眼内移行性については検討成績がなく, 今後の眼感染症に対する臨床使用の一助とするべく, 両剤のヒト眼内移行性につき検討し, 若干の考察を加えたので, ここに報告する。
著者
相川 直樹 谷村 弘 河野 茂 吉田 稔
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.721-734, 1998-12-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
28

深在性カンジダ症は白血病などの好中球減少患者に好発する感染症と考えられていたが, 近年, 外科あるいは集中治療室 (以下ICUと称す) 入室患者などの好中球非減少患者に発症する深在性カンジダ症も増加傾向にあることが, 欧米を中心に報告されてきている1.2)。The European Prevalence of Infection inIntensive Care (EPIC) による調査3) では, ICUにおける院内感染症の起炎菌の中で, 真菌は5番目に多く検出されていた。この増加の原因としては, 外科ならびにICU領域における, 広域スペクトル抗細菌薬の繁用, 免疫抑制薬, 抗癌薬の使用の増加, 中心静脈栄養の多用など, 深在性カンジダ症発症のリスクファクターの増加が考えられる。さらに, 医療技術の進歩によりICU入室患者の生存率が改善され, 入院期間が延長したことも深在性カンジダ症の増加に関係している。この中でも, 広域スペクトル抗細菌薬の繁用は腸管内常在菌叢を撹乱し, カンジダ症を発症しやすくするとも考えられ, 重要なリスクファクターとなる。深在性カンジダ症のmorbidityとmortalityに関するWEYら4) のmatchedpair法を用いた研究では, カンジダ血症は死亡の38%に寄与しており, カンジダ血症を発症したものの生存した患者の入院日数は, 対照患者に比較して平均30日も延長した。また, 好中球非減少患者において, カンジダによる眼内炎は失明など予後不良なため問題となっている。わが国においても, 真菌性眼内炎の頻度は, 中心静脈栄養施行患者の3%, カンジダ血症発症患者の約40%と報告5・6) されている。消化管にコロナイゼーションしているカンジダは, 消化管の大手術, 外傷および熱傷, 免疫抑制薬などの影響による消化管粘膜のintegrityの減弱により, 血中に移行することが知られている7・8) ○近年, このことが深在性カンジダ症の発症の原因の一つと考えられている。このように, 好中球非減少患者における深在性カンジダ症に関して, 最近多くの知見が得られるようになった。しかしながら, 深在性カンジダ症は, 血液など本来無菌である部位からの培養が陽性となる以外に, 確定診断することが困難である。このため, 臨床の現場では深在性カンジダ症の診断および治療の開始が遅れ, 予後の悪化をまねいており, 早期診断, 早期治療の必要性が認識されつつある。この点に関して, 欧米では, 好中球非減少患者における深在性カンジダ症の診断および治療のガイドラインが提案9 {12) されている。しかし, わが国ではいまだその診断と治療において必ずしも十分な議論がなされておらず, 施設あるいは主治医によって様々な考え方のもとに診療が行われているのが現状である。一方, わが国では, 血清学的補助診断法として, 真菌細胞壁構成成分であるβ-D-glucanを検出する方法や, Condida抗原を検出する方法が実用化されて, 深在性カンジダ症の存在を推測することが可能であるが, 欧米では血清学的補助診断法はあまり普及していない。このような背景から, わが国独自の深在性カンジダ症の診断および治療のガイドライン作成が必要と考えられる。そこで, 深在性カンジダ症の診断・治療のガイドラインの基礎となる情報を得ることを目的として, 会議を開催した。会議では, 全国の深在性真菌症の診断と治療に携わる機会の多い臨床家の参加を得て, 好中球非減少患者に発症する深在性カンジダ症の診断方法, 抗真菌薬の投与開始のタイミング, 投与薬剤の選択・投与・量に関して, 臨床現場での現状あるいは考え方などの情報を収集した。
著者
山城 芳子 島倉 雅子 南 新三郎 福岡 義和 保田 隆 渡辺 泰雄 成田 弘和 赤間 美徳
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.245-254, 1994-03-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
19

1993年5月~6月に富山市民病院において分離された22菌種260株, ならびに1992年6月~ 7月に同施設で分離されたStaphylococcu aureusおよび, Pseudomonas aeruginosa計87株に対するTosufloxacin (TFLX) の抗菌活性を測定し, 他のニューキノロン系抗菌薬 (Ofloxacin, Cipro-floxacin, Sparfloxacin, Fleroxacin) と比較した。その結果, 1993年分離株に対してはTFLXは多くの菌種で優れた抗菌活性を示し, 特にMethicillin-susceptible S. aureus, Methicillin-susceptible Staphylococcus epidermidis, Methicillin-resistant S. epidermidis, Enterococcus faecalis, Escherichia coliではTFLXのMIC50は0.025~0.39μg/mlで最も低い値を示した。また, Klebsiella pneumoniaeやP. aeruginosaに対するMIC50も0.05および0.39μg/mlと低かった。しかし, 一方でTFLXに耐性 (TFLXのMIC≥6.25μg/ml) を示す株も認あられ, これらの耐性株は他のキノロン系抗菌薬と交叉耐性を示した。特にMethicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) では60%以上の株がキノロン系抗菌薬に耐性であつた。また, MRSAでは1992年分離株に比べ1993年分離株の耐性菌分離頻度が明らかに増加しており, 同様の傾向はP. aeruginosaにおいても認あられた。MRSAのコアグラーゼ型は, II型が大半を占め, キノロン耐性のMRSAはすべてII型であった。
著者
横田 正幸 小滝 益三 小枝 武美 佐藤 喜一 秋吉 正豊
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.29, no.9, pp.841-849, 1976

複合トローチ明治は, 硫酸ララジオマイシン (以下FRM) および塩酸グラミシジンS (以下GRMN) を主剤としたトローチ剤で, 両者の相加作用によつてグラム陰性菌, 陽性菌を含む広範囲の病原菌に対し抗菌作用を示し, 口腔・咽喉頭および上気道粘膜感染症に対する有効性が報告されている1~11)。<BR>FRMは, Fig.1に示した構造式をちつアミノ配糖体系抗生物質であるが, 従来からアミノ配糖体系抗生物質はいずれも程度の差はあるものの聴覚器障害をもつことが報告されている12~49)。これらの点から, 今回, 著者等は, 雄性モルモットを用い, FRMとGRMN混合末を経口 (p.o.) 投与し, 聴覚器への影響について耳介反射域値の変動および蝸牛の病理組織学的検索によつて検討した。さらに, 投与経路による差についても検討するため, FRMを皮下 (s.c.) 投与した。その結果, いくつかの知見を得たので, 以下報告する。
著者
村岡 義博 奈良 博 吉崎 敏夫 原田 喜男
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.222-239, 1982-01-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
14

Latarnoxef (LMOX, 6059-S) は, 塩野義製薬研究所で開発されたOxacephem系の新らしい注射用抗生物質である。その抗菌力はグラム陽性薗, 陰性菌および嫌気性菌までの幅広い抗菌スペクトラムをもつうえ, 従来ゐCephalosporin系抗生物質が無効であつた変形薗, エンテロバクター, シトロバクターセラチアに極めて強い抗菌力を示し, 縁膿菌にも抗菌力を備えている。6059-Sの連続投与時の安全性に関してラット1), イヌ2), サル3) での亜急性毒性試験, ラット4) での慢性毒性試験をおこない, 屍に報告した。ここではイヌを用いた慢性毒性試験について報告する。
著者
青柳 高明 国元 節子 竹内 富雄 梅沢 浜夫
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.109-114, 1973-04-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
20

消化性潰瘍の成因と進行には種々の因子が関与しているが, 潰瘍の発生および増大に胃液内酸性プロテアーゼが大きな役割を果していることは明らかである。胃液内酸性プロテアーゼを抑制することは, 消化性潰瘍の治療および発生機序を解明することができるとの考察のもとに, 著者らは酸性プロテアーゼ阻害物質の探索研究をおこない, 放線菌培養濾液からペプスタチンを発見した1, 2)。ペプスタチンは, ペプシン, レニンおよびカテプシンDを含む酸性プロテアーゼに対して特異的な強い阻害活性をもつが, セリン酵素, チオール酵素などの中性およびアルカリ性プロテアーゼに対しては, 阻害活性を示さない3~6)。ペプスタチンは, 臨床分野において, 消化性潰瘍に有効であると報告されている7~13)。本稿では, ペプスタチンの酸性プロテアーゼに対する抑制作用および臨床的に応用しうる胃液内の酸性プロテアーゼ活性の定量的測定法について報告する。
著者
冨田 祐史 関 紘志 志賀 美代
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.47-50, 1974-02-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
4

ペニシリン過敏症の大部分は, ペニシリンGに対する抗体によつておこるとされており, セファロスポリンC系抗生物質はペニシリンと類似の構造式をもつため, ペニシリンGとの交叉アレルギーが推定されている。ペニシリン系およびセファロスポリンC系薬剤の投与にさいしては, これらによる過敏症を予測するために, 事前に問診でアレルギー歴を確かめ, その薬剤の皮膚反応を実施することが望ましいとされている。われわれは, 市立池田病院歯科の入院および外来の患者でセファロリジン (CER) を投与する患者に, 予めCER皮内反応, およびその一部にセファロチンナトリウム (CET) 皮内反応を実施し, 局所の発赤と膨疹の状況を検討したので報告する。
著者
梶本 義衛 倉本 昌明
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.124-130, 1968-06-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
4

Cephalothin (CET) およびCephaloridine (CER) は, ともにCephalosporin Cの誘導体で, 現在知られている種々の抗生物質のうちでも, 最も高い抗菌力をもつた広範囲スペクトル抗生物質の1つである。これらの基礎的ならびに臨床的研究は, すでに数多くみられ, その治療効果も高く評価されている。しかし一方, 副作用または毒性についても報告され, 特にCERの腎毒性については, 種々論議されているところから, 筆者らはCETとCERについて, 家児を用い, 腎毒性を比較し, 興味のある成績を得たので報告する。
著者
渡辺 直彰 浅川 直樹 豊澤 逸生 比留間 良一 畑 桂 上野 純子 勝 鎌政 吉田 豊
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.364-370, 1992-04-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
20

ヒトにおいてDisumram様作用の認められている抗生物質Latamoxef及びCefoperazoneをラットに投与すると, 最終投与18時間後には, 肝ミトコンドリアのLow Km aldehyde dehydrogenase (Low Km ALDH) 活性の低下が認められた。更に, これらの抗生物質を投与し, その18時間後にエタノールを負荷したラットでは, 対照群に比較し血中アセトァルデヒド濃度が著しく上昇していた。一方, Cefclidin (CFCL, E1040) 及びE1077の300mg/kg及び1,000mg/kgを3日間連続投与したラットでは, 肝ミトコンドリアのLow Km ALDH活性の低下は認められず, エタノールを負荷しても血中アセトアルデヒド濃度は対照群との間に大きな差は認められなかつた。以上の結果から, CFCL及びE1077は生体内でのアルコール代謝系に影響を及ぼさないことが示された。
著者
吉田 英生 古田 隆久
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.497-503, 1999-07-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
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感染病巣部位及び副作用発現部位に対する抗生物質の移行性は, その薬効・毒性に重要な役割を果たす・本研究においてはラットを用いて, 4種のマクロライド系抗生物質 (MLs) の組織移行性の特徴を比較検討した。ラットに20mg/kg経口投与後の血漿中濃度はroxithromycin (RXM) が最も高く, 次いでclarithromycin (CAM) の順で, Cmaxはそれぞれ2.7及び1.0μg/mlであった。azithromycin (AZM) はerythromycin-stearate (EM-S) と同様に投与後1~2時間に0.1μg/mlの濃度が僅かに認められたに過ぎなかった。組織移行性はいずれの薬物も良好で, 測定した主要組織全てにおいて血漿中濃度を上回る濃度が認められた。各臓器内濃度の対血漿比はAZMが最も大きく, 以下CAM>RXM≥EM-Sの順であった。RXM及びAZMはEM-Sと同様の臓器分布パターンを示し, 肝>腎=脾>肺>心の順に高い濃度が認められた。一方, CAMの場合は他のマクロライドと異なる分布パターンを示し, 肺に最も高い分布が認められ, 次いで脾>肝>腎>心の順であった。MLsの主要な適応疾患は呼吸器感染症であり, また, 頻度の高い副作用としては肝機能障害が知られている。したがって, 他のMLsと異なり, CAMの肺に対する移行性が肝に比べ著しく高かったことは, 薬効と副作用の分離という点から注目される。