著者
石橋 智幸 脇屋 達 顧 優輝 真部 雄介 今野 将 菅原 研次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.119, pp.69-74, 2008-06-23

近年,WWWにおける情報過多という問題を解決するために,多種多様なWebページ推薦システムの研究・開発が行われてきた.しかしながら,それらの多くは推薦対象を限定した推薦システムであった.WWWにおいてユーザが必要とするWebページを適切に推薦するためには,推薦対象を限定せず、永続的個人化に対応するWebページ推薦システムの開発が必要不可欠である.そこで,本研究では推薦対象を限定しない汎用的かつ,個人化度合の高いWebページ推薦方式を提案する.提案する方式は,ソーシャルブックマークを用いたハイブリッド法をベースとする推薦方式である.
著者
真部 雄介 細野 繁 今井 晴基
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.684-685, 2018-07-15

近年,再び,人工知能(Artificial Intelligence, AI)に注目が集まり,AIを搭載したロボットや今までにない新しい製品(AI家電などと呼ばれたりもしている)が登場している.それらのロボットや製品の多くは,単に「賢い機械」というだけでなく,人間との「コミュニケーション」を重視した製品であるという点に大きな特徴がある.具体的には,音声対話により情報・サービス提供を実現するスマートスピーカーやAIプログラム,ペットロボットや介護・みまもりロボット,受付・案内・警備のためのロボット等が挙げられる.そのような背景を踏まえて本特集では,現在,家庭や社会の身近なところで,今までにない形で使われ活躍している「コミュニケーションする機械」としてのロボットやAIに焦点を当てた.
著者
石橋 智幸 顧 優輝 脇屋 達 真部 雄介 菅原 研次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.211, pp.7-12, 2009-09-18

情報過多の問題を解決するために様々な推薦システムが研究,開発されてきたが,いずれも推薦対象を限定したものが多い.これは,個人の嗜好に関する情報の獲得の難しさや推薦対象であるWebページの情報が膨大であることに起因する.その一方で,近年,SNSの1つであるソーシャルブックマークの情報を利用する事で,個人の嗜好や有益な情報源を抽出するという新しいアプローチが注目されている.そこで,本研究では推薦対象を限定しない個人化度合が高い推薦を行うために,ソーシャルブックマークからアイテムグループ生成・推定し,ユーザの嗜好推定を行い,類似ユーザを見つけ,そこから嗜好に近いWebページを推薦するシステムを開発する.
著者
真部 雄介 松嵜 晃司 菅原 研次
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.711-722, 2015-10-15 (Released:2015-11-13)
参考文献数
17
被引用文献数
1

加速度センサやジャイロセンサが搭載されたスマートフォンなどの携帯端末が広く普及したことを受け,そのようなセンサから得られる情報を元に,歩行者の状態や携帯端末の所持状態,あるいは人物識別を実現しようという取り組みが行われている.本研究では,人物識別を目指した既存研究の多くが,平地での歩行状態のみを対象としているものが多い点に着目し,複数の歩行状態で人物識別を実現する方法を提案する.具体的には,平地歩行・階段昇行・階段降行の3種類の歩行状態を識別し,歩行状態別に定義した識別器を用いて人物識別を実現する.10人の被験者を対象とした実験の結果,最も高い精度が得られた線形判別分析において,歩行状態識別率95.7%,人物識別率85.0%(平地歩行),90.0%(階段昇行),77.0%(階段降行)が得られた.また,歩行状態識別と人物識別を段階的に行った場合の人物識別率の推定値は80.4%となった.さらに,提案手法と歩行状態の区別をせずに人物識別を行った場合との比較を行った結果,使用した5種類の識別器(k近傍法,決定木,単純ベイズ分類器,線形判別分析,サポートベクターマシン)のうち,k近傍法を除く4つの識別器で提案手法による人物識別率が高くなり,歩行状態別に人物識別を行うことによる識別精度改善効果が確認された.
著者
真部 雄介 齋藤 隆輝 嶋田 弦 菅原 研次
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.988-1001, 2012
被引用文献数
4

バイオメトリクス認証技術の中でも行動的特徴を用いた手法の開発は,様々な分野での応用が期待される重要な研究課題である.行動的特徴を用いる方法の中で最も代表的なものは歩行・歩容(gait)認証であるが,近年では,歩行動作を正面から観測して個人を特定することが可能となってきている.正面観測による歩行認証は,人間が個人を特定する方法との親和性や歩行対象者を観測する機器の設置条件などの点で応用上優れた利点を備えているとされており,このような利点を生かした技術の開発は,ロボットへの自然な個人認証機能の実装や実世界の状況や文脈に応じて妥当な処理結果を出力するような個人適応型のコンピュータシステムの開発にとっても重要な意義があると考えられる.そこで本論文では,正面方向から観測が可能な特徴量である歩行時の頭部動揺時系列に加え,顔画像および身体骨格から計量される寸法を用いた個人認証手法を提案する.頭部動揺時系列,顔面寸法,身体寸法のそれぞれの類似性を DP マッチングおよびユークリッド距離により独立に評価し,評価結果をAND/OR演算またはファジィ推論により融合することで個人認証精度の向上を実現する.利用するこれらの特徴量は,一定の個人性を含んではいるものの,それ単体では必ずしも個人を特定することができないと考えられる特徴であり,ソフトバイオメトリクスと呼ばれるものの一種と考えることができる.7人の被験者に対する個人認証実験の結果,提案する融合方法によって,本人棄却率0%の下で平均他人受理率0%を達成した.単一の特徴量のみを用いた個人認証の場合と比べ,利便性を維持したまま照合精度を改善できることを示す.