著者
西澤 正己 柿沼 澄男 孫 媛 矢野 正晴
出版者
国立情報学研究所
雑誌
学術情報センター紀要 (ISSN:09135022)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.179-196, 1999-03
被引用文献数
1

なぜ米国は情報技術/情報科学の多くの面で世界をリードすることができたのか。そのなぞを解き明かすことは、我が国が情報技術/情報科学において優位性を確保するための必須条件となる。そのためには、米国と日本との比較研究をすることにより、その違いを明らかにすることが重要であると考え、本稿では、人的資源、研究費、論文数等の情報科学研究を取り巻く実態を比較研究した。その結果、日米両国の情報科学研究について以下の点が明らかになった。 (1)大学院生数及び研究者数では、日米の人口比を考慮すると、大学院生の数については日米ほぼ同じ水準にあるが、研究者の数については日本の研究者数は米国の半分以下の水準である。 (2)研究費では、中央政府による大学への研究助成金の比較を行った。日本政府が大学へ助成している金額は、GDP比を考慮すると米国の約5分の1である。 (3)論文数の比較では、米国Institute for Scientific Information(ISI)社が作成した文献抄録データベースScience Citation Index(SCI)を用いて分析を行った。その結果、「情報システム」、「ハードウェア/アーキテクチャー」、「理論/方法論」の分野では、日本の研究は相対的に盛んであるが、「ソフトウェア/グラフィクス/プログラミング」の分野は相対的に盛んでない。
著者
矢野 正晴 富田 純一
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.153-166, 2005-04-25 (Released:2018-03-12)
参考文献数
18
被引用文献数
1

大学の研究者は、企業の従業員に比べると比較的多くの者が大学間を移動しているように思われる。そこで、大学の研究者がどのような原理でこのような移動行動をとるのか、および移動と研究業績との間にどんな関係があるのかを、我が国の経済学分野の研究者を例に分析した。その結果、よりよい明日を目指して、よりレベルが高いか、より研究環境の優れた大学への移動を意識して、発表率を上げようと努力している大学研究者の姿がうかがえた。
著者
玄場 公規 矢野 正晴 ヤング 麻里子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究の目的は日本及び海外の研究大学のURA(大学のリサーチ・アドミニストレーター)の機能、モチベーション、役割の比較分析を行う。調査の結果、以下の点が明らかとなった。海外の研究大学のURA人材は法律、経理・財務、知的財産などの高い専門性を有しており、研究者に高度な研究支援サービスを提供していた。また、仕事に対するモチベーションも高く、職務への満足度も高い。さらにキャリアパスも多様であり、研究者としてのキャリアを有している人材も数多くいるが、一方で人材の流動性は決して高くないことが確認された。日本のURAも政策支援により採用されているが、専門性とモチベーションを高める努力が必要である。