著者
前橋 明 浅川 和美 石井 浩子 本保 恭子 奥富 庸一 長谷 川大 松尾 瑞穂 泉 秀生
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

全国的な生活調査や体力・運動能力測定の実施から、子どもたちの抱える心やからだの問題点を見いだし、それらを改善するための計画を立案してきた。そして、調査・測定地の行政(教育委員会、子ども支援課など)や教育・保育・体育の関連団体(保育士会や幼稚園連盟など)と連携し、健康づくりのための実施可能な対策を立てて実行に移してきた。中でも、(1)子どもの個別の生活と健康実態が診断できるシステムや、(2)データ分析を通して育まれた基本的な健康づくりの考え方(近年の問題発現に関する理論)、および、(3)健康づくり運動を実践・普及するシステムを構築した。
著者
前田 恵助 山本 里美 小林 千洋 石井 浩子 上田 雅彦 築野 卓夫 入江 正和
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.179-187, 2007-05-25
被引用文献数
2

未利用資源の有効利用のため,米ヌカからの米油精製過程で産出される副産物から調製された植物性油脂製品であるライストリエノール<SUP>TM</SUP>(築野食品工業,和歌山)を飼料に添加し,白色レグホン種系採卵鶏の生産性と卵黄中のビタミンE,コレステロールなどの脂質成分に及ぼす影響を検討した.飼料にライストリエノールを0.5%添加した鶏群をライストリエノール区とし,無添加のものを対照区とした.各区50羽とし,151日齢から517日齢まで不断給餌した.適宜,採卵と採血を行い,試験終了時にニワトリの肝臓を採取した.鶏卵は卵黄中のコレステロール,チオバルビツール酸反応生成物(TBARS),トコフェロール,トコトリエノールを測定し,血清および肝臓中のコレステロール,トリグリセライドを測定した.ライストリエノール区では対照区に比べ,血清中のコレステロールおよびトリグリセライド濃度は変化しなかったが,卵黄中のコレステロール濃度が平均約14%低下した(<I>P</I><0.05).また,卵黄中のトコフェロール,トコトリエノール濃度はライストリエノール添加により420日齢では約2.8倍に増加し,卵黄中のTBARSは52%減少した(<I>P</I><0.05).とくに,それらの効果は日齢を経た鶏卵で顕著であった.産卵率,産卵日量,飼料要求率,卵白高,ハウユニット,卵殻厚にはライストリエノール飼料添加による有意な影響はみられず,ライストリエノール給与で卵重がやや増加し,卵黄色の明度ではL*がわずかに増加し,色度ではa*がやや減少した(<I>P</I><0.05).以上のことからライストリエノールの飼料添加により,卵黄中のコレステロール濃度がやや低く,ビタミンE濃度が高く過酸化脂質の少ない鶏卵を生産性に悪影響なく得られることが示された.