著者
田口 裕功 堀内 満水雄 熊谷 治己 石塚 栄一
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.829-832, 1969 (Released:2011-10-19)
参考文献数
2

Four cases of bladder foreign body were reported. In all cases, onanism was motives from which they inserted foreign bodies into the bladder. First two cases had the bladder calculi might be formed by the bladder foreign bodies.Case 1: -A 21 years old male had a piece of metal wire in the bladder for almost 10 years which introduced through the urethra. The bladder stone removed through suprapubic vesicotomy sized 7.0×4.5×4.0cm.Case 2: -A 26 years old male had a bladder stone produced by the pin like needle which might be introduced almost 10 years ago. A stone removed transvesically sized 4.0×4.0×4.3cm.In these 2 cases, the ureters were definitely dilated and vesico-ureteral refluxes were visualized in X-ray examiations.Case 3: -A 14 yers old male inserted a candle into the bladder due to onanism. This was visualized to be broken into several pieces by the cystoscopic examination and was removed with the endoscopic technique.Case 4: -This 34 yers old male stated that he inserted a fine elastic string 15 cm in length into the bladder accidentally. Despite it had been in the bladder only for 20 days, massive urine crystals attached around the elastic string. It succeeded to withdraw by transurethral approaches.
著者
里見 佳昭 福田 百邦 穂坂 正彦 近藤 猪一郎 吉邑 貞夫 福島 修司 井田 時雄 広川 信 森田 上 古畑 哲彦 熊谷 治巳 塩崎 洋 石塚 栄一 宮井 啓国 仙賀 裕 福岡 洋 佐々木 紘一 公平 昭男 中橋 満
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.853-863, 1988-05-20
被引用文献数
20

1965年1月より1985年12月までの21年間に横浜市立大学病院及びその関連病院に於いて経験した腎癌550例の遠隔成績と予後因子について検討し,次の結論を得た.1. 全症例の生存率は,5年生存率48%,10年生存率36%,15年生存率27%と、術後5年をすぎても長期にわたり死亡する予後不良の癌である.2. 40歳未満の若年者腎癌では術後2年以上経てから死亡する例はなく予後が比較的良好である.3. 予後不良因子としては,発熱,体重減少,食欲不振,全身倦怠などの症状のほか,赤沈亢進,CRP陽性,α_2-globulinの上昇,AL-P上昇,貧血などがあげられた.ツベルクリン反応陰性,LDH上昇,レ線上の腎の石灰化像などは予後不良因子ではなかった.4. 経腰的腎摘除術と経腹的腎摘除術の遠隔成績はほぼ同じであり,症例を選べば手術は経腰的腎摘除術で十分な場合もあると考えた.5. 4分類法のgrade分類は予後を比較的よく反映した.Robsonのstage分類ではstage IとIIの間に差がなく,stage分類法に欠陥あることを指摘した.6. 腎癌にはslow growing typeとrapid growing typeがあり,前者は予後良好であると安心しがちであるが,それは誤りであり,前者は緩慢なる経過を取るだけであり,術後5年経てから転移や死亡症例が多くなり,長期的にはrapid growing typeの症例の生存率に近づくと理解すべきである.
著者
松崎 純一 千葉 喜美男 岩崎 晧 石塚 栄一 田口 裕功
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.953-956, 1995-04-20
参考文献数
7
被引用文献数
1

1997年田口らは膀胱全摘術及び尿管皮膚瘻術後の新しい尿路再変更の術式を発表した.この方法は仮性尿道を造設し,和紙を一時的に用いて膀胱部に腹膜腔を形成し,それに回腸を吻合して,尿路を再建したものであった.術後13年間は異常をみとめられなかったが,定期検査にて再建した膀胱部の腸管部に結石を認めた.リザーバーの形態と仮性尿道の可動性のないことから内視鏡的な治療は適応にならなかった.この結石にESWLを行ない良好な成績を得た.
著者
福岡 洋 石塚 栄一 福島 修司
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.74, no.8, pp.1429-1435, 1983-08-20

珊瑚状結石を田口が考案した腎実質一層縫合法による腎切石術で治療し, 術後の腎実質変化をcomputerized tomography (CT) で検討した.対象は17症例, 20腎で術前 (4腎は術前検査せず), 術後に CTを行ない腎実質の切開, 縫合部の変化を検討した.対象症例は1例に術後一過性の腎血管性と推定される高血圧を合併した他は重篤な合併症は認められなかった.腎実質切開長の平均は8.4cm, 腎血流遮断時間の平均は27分11秒であり, 術後の CT検査時期は3週から2年5ヵ月に分布した.術後のenhancement CTで濃度の低下した領域や実質の陥凹が認められるものがあり, 下記の3つのパターンに分類した.I型:実質に全く変化がみられないか, 線状の低濃度領域を認めるもの (5腎, 25.0%), II型:実質の切開縫合部に一致して帯状の低濃度領域を認めるもの (5腎, 25.0%), III型:楔状の低濃度領域や実質の陥凹を認めるもの (10腎, 50%) .