著者
石島 芳郎 伊藤 雅夫 田 暢淇
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
家畜繁殖研究會誌 (ISSN:04530551)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.109-111, 1969
被引用文献数
2

PMSによる家兎の過排卵誘起にestrogen注射を併用することが有効かどうか再検討すると共に,estrogenを併用した場合としない場合の卵巣所見の比較から併用効果の機序について考察を試みた。<BR>40IUのPMSを5日間,計200IU皮下注射し,24時間または48時間経過して交配した過排卵対照区の平均排卵数は21.3~24.1コ,過排卵陽性率50~63.6%に対し,PMS注射最終日に0.1mgのestradiol注射を併用した区の平均排卵数は32.5~37.8コ,過排卵陽性率87.5~100%で,estrogenを併用することにより排卵数が高められる傾向にあった。未破裂卵胞数は,排卵数の多いestrogen併用区は少なく,対照区は多くなっていた。<BR>また,過排卵対照区と併用区について,卵胞を1~1.4mm,1.5~2.4mm,2.5mm以上の3種に分類して経時的に発育程度を比較したが,3種の卵胞数の推移は両区ともまちまちで,わずかに総卵胞数においてestrogen併用区が優っていたにすぎない。<BR>これらの結果から,estrogen併用注射は,外面的には卵胞発育に対し直接影響を与えていないにもかかわらず,未破裂卵胞を減じ排卵数を増加させる効果がみうけられた。
著者
丸 猶丸 一戸 健司 石島 芳郎 佐久間 勇次 佐々木 実
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.83-87, 1966-04-25 (Released:2008-11-12)
参考文献数
4
被引用文献数
2 2

従来実施が困難とされていたヤマドリ, ニッポンキジに人工授精を応用し, 次のような結果を得た。1. ヤマドリでは受精率90.1%, 対受精卵孵化率85.3%, 対入卵孵化率67.5%であった。2. キジの場合は受精率77.5%, 対受精卵孵化率87.1%, 対入卵孵化率67.5%であった。3. 週1回のマツサージ法による精液の採取量は, ヤマドリ, キジの何れにおいても0.02ml内外で, 採取直後の精子の活力は90%であつた。4. 繁殖期における産卵数は, ヤマドリ19個 (11~40個), キジ27個 (18, 35個) であった。5. 孵化に要する日数は, ヤマドリは24.5日, キジでは23.2日であった。以上の結果から, ヤマドリ, ニツポンキジの人工授精による繁殖が可能であることが立証された。