著者
澤田 いずみ 道信 良子 石川 幸代 小川 賢一 原田 瞳
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.652-660, 2022 (Released:2023-02-16)
参考文献数
42

目的:日本の医療分野で健康問題を抱える人へ実践されている応援の概念分析を行い,定義を明らかにする.方法:国内文献29件を対象にRodgersの概念分析を行った.結果:前提要件3つ,属性4つ,帰結4つのサブカテゴリーから,各一つの【カテゴリー】が抽出され,医療分野の応援は,生き方の模索が続く健康問題を抱える人への【自分らしくあることの困難性への共感】に基づいて,医療者が【その人が自分らしく生きるために味方になり新たな活動を試みる】ことで【その人の主体性の高まりに医療者としての自分らしさが充実していく】過程であった.味方になるとは,医療情報を分かりやすく伝えること,対象者と願いを共に考え支えること,対象者の思いを代弁し共感を周囲に波及させ仲間を作ることにより,その人らしさを支えることだった.結論:医療分野での応援は,対象者のその人らしさを大切にしたい医療者の新たな活動の創出を助ける概念と考えられた.
著者
森田 恵子 石川 幸代 永田 美和子
出版者
名桜大学
雑誌
名桜大学紀要 (ISSN:18824412)
巻号頁・発行日
no.15, pp.49-57, 2009

高齢者の背景や日常生活をイメージ・理解するための教育方法として、ライフ・ヒスリー・インタビュー(以LHI)時に円グラフを用いてタイムスタディを聴取した。このLHI記録用紙に記述された「一日の過ごし方から気がついたこと」の学びを質的に分析しカテゴリ化を行った。150の記録単位、10カテゴリ、27サブカテゴリが抽出され、円グラフを用いたタイムスタディによる学生への学習効果は以下の2点であることを考察した。この教育方法は、高齢者の日常生活の量と質を理解する方法として有効であること、及びIADLの視点を養う効果があることが示唆された。また、それは高齢者の文化・社会的活動の重要性及びその量と質を理解する教育方法として有効であると考える。As a method of teaching a fuller understanding of the elderly, we had students take Life History Interviews (LHI) and construct pie-charts of their subjects' daily life. We analyzed students' written reports on what they had learned about how the elderly spend their days. We identified 150 activities, divisible into 10 categories and 27 subcategories. This method improves student understanding of the Quantity and quality of daily life among the elderly, and is useful (in developing) their awareness of the Instrumental Activity of Daily Living (IADL). It is also effective in helping them to appreciate the quantity. quality and importance of the culture and social activities of the elderly.