著者
石月 静恵
出版者
桜花学園大学
雑誌
桜花学園大学人文学部研究紀要 (ISSN:13495607)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.143-163, 2010-03-31
著者
石月 静恵
出版者
桜花学園大学
雑誌
桜花学園大学人文学部研究紀要 (ISSN:13495607)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-16, 2006-03-31

本稿は,平成16年度・17年度の科学研究費補助金による共同研究「大正・昭和初期日本女性史と台湾-北村兼子と『婦人毎日新聞』『台湾民報』」の調査の過程で生み出されたテーマを深めたものである。当初は,北村兼子の台湾認識を検討することを目的としていた。しかし,台湾での史料調査などを経て,婦人毎日新聞社主催の台湾での婦人講演会に北村と同行した林芙美子も台湾について叙述しており,それが台湾で批判されたことが判明し,林芙美子の言説についても検討する必要が生じた。婦人毎日新聞社講演会は,1930年に開催されたが,その前後にも,日本の知識人女性が,台湾を訪問し,台湾についての叙述が残されていることも明らかになった。1920年に訪台した林歌子や1935年に訪台した野上弥生子については,現地の女性雑誌に台湾での様子が掲載された。日本統治下の台湾においては,種々の女性問題が存在し,植民地であることによる加重もあった。訪台した日本の知識人女性がこれらの問題をとらえることができたかどうかを検討した。
著者
石月 静恵
出版者
桜花学園大学保育学部
雑誌
桜花学園大学保育学部研究紀要 = BULLETIN OF SCHOOL OF EARLY CHILDHOOD EDUCATION AND CARE OHKAGAKUEN UNIVETSITY (ISSN:13483641)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.91-106, 2018-10-31

1918年7月に鈴木三重吉によって創刊された『赤い鳥』は、児童作家を輩出し、教育運動にも大きな影響を与えた。本稿では、同書に掲載された子どもたちの「綴方」から、当時の子どもたちの状況を描き、特に子どもたちが表現した「家族」の姿を紹介し、分析している。「はじめに」で、研究史を整理し、作品研究が多いが、子ども自身の表現はあまり研究されていないことを指摘した。まず、一で、同書の「綴方」の全体像を述べた。作品総数は1200編ほどで、その4分の1以上が家族に関わるものである。二で、子どもたちが描いた多様な家族の姿を紹介した。三で、「家族の死」を表現した作品を紹介し、子どもたちがそれを受容したことについて分析した。おわりにで戦間期の乳児死亡や出産に伴う母親の死を表現することで子どもたちが家族の死を受容し、表現することで乗り越えていったと分析した。
著者
石月 静恵
出版者
桜花学園大学
雑誌
桜花学園大学研究紀要 (ISSN:13447459)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.195-210, 2002-03-31

大阪朝日新聞女性記者恩田和子は,1917年に入社し,1948年に定年退職した。恩田は,1918年に大阪朝日新聞が開催した第1回婦人会関西連合大会の準備に奔走し,その後も大会の継続をはかった。1923年の第5回大会で全関西婦人連合会と改称し,1927年からは同会の理事長として女性運動を担った。恩田は,退職後も朝日新聞大阪本社社史編修室に嘱託として勤務し,大阪朝日新聞が女性問題をどのように捉えてきたのかを明らかにしようとした。その恩田が残した生原稿を最近筆者が発見した。それを基にして,大阪朝日新聞と女性問題の関連を今後調査し,ジャーナリズムとジェンダーの関わりを研究したい。本稿では,恩田史料のうち,明治期の大阪朝日新聞と女性問題に関わる部分を紹介する。