著者
石本 泰星 三木 貴弘 殿尾 守弘
出版者
一般社団法人 日本予防理学療法学会
雑誌
日本予防理学療法学会雑誌 (ISSN:24369950)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.32-38, 2022-03-31 (Released:2022-03-30)
参考文献数
50

【目的】本研究の目的は腰痛を有する症例に対する教育的アプローチを主とした訪問リハビリテーションが奏功した経験を報告することである。【方法】対象は脊柱固定術後70 日経過した70 歳代の女性である。対象には週2 回,1 回40 分の訪問リハビリテーションが3ヵ月間提供された。内容としては教育的アプローチ,運動療法および有酸素運動,仕事作業練習を実施した。アウトカム指標は日本語版Roland-Morris Disability Questionnare(以下RDQ)をメインアウトカムとし,疼痛,破局的思考,精神状態,身体機能を訪問リハビリテーション開始時と終了時また訪問リハビリテーション終了から6ヵ月後に測定した。【結果】教育的アプローチを主とした多面的な介入を3ヵ月間実施した結果,日本語版RDQ や疼痛,破局的思考,精神状態,身体機能において大きな改善を認めた。またその効果は訪問リハビリテーション終了から6ヵ月後も維持されていた。【結論】訪問リハビリテーションにおける多面的な介入は,腰痛による日常生活の機能障害,破局的思考,精神状態に好影響を与える可能性が示唆された。
著者
中口 拓真 石本 泰星 桑田 一記 福本 祐真 田津原 佑介 近藤 義剛
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11970, (Released:2021-03-23)
参考文献数
36

【目的】下腿のデジタル画像とエッジ検出により低Skeletal Muscle Index(以下,SMI)である高齢女性を判定できるか予備的に検証すること。【方法】入院中の高齢女性を対象とした。デジタルカメラで撮影した対象者の下腿のデジタル画像を用いて,キャニー法でエッジ検出を行った。低SMI の基準はアジア作業グループが提唱する基準値5.7 kg/m2 を用いて群分けを行い,下腿のデジタル画像とエッジ検出した画像のそれぞれで,Convolutional Neural Network による解析を実施した。【結果】対象者は32 名であった。下腿のデジタル画像およびエッジ検出した画像における低SMI を判定するC 統計量はそれぞれ0.83(95%CI:0.83–1.00)と0.92(95%CI:0.92–1.00)であった。【結論】下腿のデジタル画像を用いることで低SMI 者を判定できる可能性がある。
著者
中口 拓真 石本 泰星 宮川 祐希 西村 淳 近藤 義剛
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.12125, (Released:2021-11-10)
参考文献数
29

【目的】被殻・視床出血患者の急性期CT 画像から,発症3 ヵ月後の歩行自立を予測すること。【方法】回復期リハビリテーション病棟に入院していた被殻・視床出血患者134 名を対象とした。CT 画像は発症後12時間以内に撮影されたものを使用し,深層残差ネットワークにより発症3 ヵ月後の歩行自立を予測した。予測精度としてC 統計量,感度,特異度,F 値,Matthews Correlation Coefficient(以下,MCC)を算出した。【結果】予測精度[平均値(95%CI)]は,C 統計量0.89(0.70 – 0.94),感度0.91(0.76 – 0.95),特異度0.83(0.69 – 0.88),F 値0.87(0.80 – 0.92),MCC 0.82(0.76 – 0.89)であった。【結論】被殻・視床出血患者の急性期CT を用いて,発症3 ヵ月後の歩行自立を予測できる可能性がある。
著者
中口 拓真 石本 泰星 赤澤 直紀
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.235-240, 2018 (Released:2018-04-27)
参考文献数
26
被引用文献数
1 2

〔目的〕回復期リハ病棟の運動器疾患患者におけるFIM運動スコア利得の臨床的意義のある最小差(MCID)を明らかにすること.〔対象と方法〕対象は回復期リハ病棟患者102名であった.入院時FIM運動スコアから30日後FIM運動スコアを差分し利得を求めた.FIMの外的指標は,患者が変化度合いを報告する指標であるGlobal rating of change scale (GRC)で調査した.GRC –1と1を日常生活動作の改善のSmall change群とし,平均値をMCIDとした.〔結果〕Small change群のFIM運動スコア利得の平均値は14.6点であった.〔結語〕今回の対象では,回復期リハ病棟の運動器疾患患者が,日常生活動作改善を自覚するFIM運動スコア利得のMCIDは14.6点である.
著者
中口 拓真 石本 泰星 桑田 一記 福本 祐真 田津原 佑介 近藤 義剛
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.279-286, 2021 (Released:2021-06-18)
参考文献数
36

【目的】下腿のデジタル画像とエッジ検出により低Skeletal Muscle Index(以下,SMI)である高齢女性を判定できるか予備的に検証すること。【方法】入院中の高齢女性を対象とした。デジタルカメラで撮影した対象者の下腿のデジタル画像を用いて,キャニー法でエッジ検出を行った。低SMI の基準はアジア作業グループが提唱する基準値5.7 kg/m2 を用いて群分けを行い,下腿のデジタル画像とエッジ検出した画像のそれぞれで,Convolutional Neural Network による解析を実施した。【結果】対象者は32 名であった。下腿のデジタル画像およびエッジ検出した画像における低SMI を判定するC 統計量はそれぞれ0.83(95%CI:0.83–1.00)と0.92(95%CI:0.92–1.00)であった。【結論】下腿のデジタル画像を用いることで低SMI 者を判定できる可能性がある。
著者
貴志 将紀 日野 斗史和 石本 泰星 田村 公之 赤澤 直紀
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11978, (Released:2021-03-18)
参考文献数
52

【目的】本研究の目的は,高齢肺炎患者における嚥下能力と大腿四頭筋の筋内非収縮組織量との関連を調査することである。【方法】対象は入院高齢肺炎患者47 名とした。嚥下能力はFood Intake Level Scale(以下,FILS)を用い,大腿四頭筋の筋内非収縮組織量は超音波画像の筋輝度から評価した。大腿四頭筋の筋輝度は左右の大腿直筋と中間広筋の平均値とした。筋輝度は筋内非収縮組織が多いほど高値を示す。FILS を従属変数,筋輝度,筋厚,皮下脂肪厚,年齢,性別,発症からの期間,GNRI,CRP,UCCI,投薬数を独立変数とした重回帰分析を実施した。【結果】重回帰分析の結果,筋輝度(β:–0.386),GNRI(β:0.529),皮下脂肪厚(β:–0.339)が独立し有意な変数として選択された(R2:0.484)。【結論】高齢肺炎患者の嚥下能力には,大腿四頭筋の筋量よりも,筋内非収縮組織量が関連することが明らかとなった。
著者
石本 泰星 泊 麻美 赤澤 直紀
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.135-141, 2019 (Released:2019-02-26)
参考文献数
43

〔目的〕本研究の目的は回復期リハ病棟に入院する脳卒中患者の大腿四頭筋における筋内脂肪量の縦断的変化を調査することである.〔対象と方法〕対象は回復期リハ病棟に入院された脳卒中患者2例とした.入院時と3ヵ月後において,非麻痺側と麻痺側の大腿四頭筋の筋内脂肪量を超音波画像診断装置にて測定した.〔結果〕両症例ともに入院時と比較し,3ヵ月後に筋内脂肪量は減少を示した〔症例A(麻痺側:-2%,非麻痺側:-12.1%),症例B(麻痺側:-30.7%,非麻痺側:-25.1%)〕.またFIM,FMA下肢スコアは両症例ともに入院時と比較し,3ヵ月後に高値を示した.〔結語〕回復期リハ病棟入院脳卒中患者の大腿四頭筋における筋内脂肪量は,3ヵ月間のリハビリプログラムと下肢機能の改善に伴い,減少する可能性が示された.