著者
今居 譲 井下 強 柴 佳保里 柴 佳保里 井下 強 服部 信孝 孟 紅蕊 荒野 拓 石濱 泰
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

若年性パーキンソン病原因遺伝子PINK1とParkinは、協働してミトコンドリアの品質管理に関与することが示唆されていた。一方、新規に同定された晩発性パーキンソン病原因遺伝子CHCHD2は、機能未知のミトコンドリアタンパク質であった。本研究では、ショウジョウバエモデル、iPS細胞、哺乳類培養細胞を組み合わせ、PINK1-Parkinシグナル分子機構の解明と、CHCHD2の機能解析、PINK1-ParkinシグナルとCHCHD2との分子関係の解明を進めた。
著者
津曲 和哉 西田 紘士 張 智翔 石濱 泰
出版者
日本プロテオーム学会
雑誌
日本プロテオーム学会誌 (ISSN:24322776)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.47-52, 2022 (Released:2023-01-14)
参考文献数
20

多くの膜タンパク質は,エクトドメインシェディング(シェディング)と呼ばれる切断を受ける.例えば,膜型リガンドのシェディングは,リガンドが離れた細胞の受容体に結合することを可能にする.シェディングは,シグナル伝達などによって厳密に制御されているため,特定の条件下においてシェディングを受ける基質を知るためには,プロテオミクスによる網羅的な解析が有効である.膜タンパク質は比較的発現量が少ないものが多いため,効率的なシェディング基質解析のためには,事前に基質の濃縮を行った後,LC/MS/MSで測定することが重要である.本稿では,シェディングの網羅的解析に必要不可欠な3つのプロテオミクス関連技術:1)多くの膜タンパク質には糖鎖修飾が施されていることに着目し,それを対象とした分泌タンパク質解析法,2)細胞表面タンパク質のN末端を特異的に標識し濃縮することができるタンパク質末端解析法,および3)最近我々のグループが開発した,シェディング基質切断部位の同定にも応用可能な高感度タンパク質両末端解析法について紹介する.
著者
増田 豪 石濱 泰
出版者
日本プロテオーム学会
雑誌
日本プロテオーム学会誌 (ISSN:24322776)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.95-100, 2016 (Released:2018-05-21)
参考文献数
17

筆者らは相間移動溶解剤(Phase Transfer Surfactant,PTS)を用いたショットガンプロテオミクス用の前処理方法を報告してきた.本方法の特徴は,酸性条件化でPTSの疎水性度が上昇することを利用して酢酸エチルを用いた液液分配でPTSを試料溶液から除去できる点である.PTSとして陰イオン性界面活性剤であるデオキシコール酸ナトリウムおよびラウロイルサルコシン酸ナトリウムを用いており,これら溶解剤は脂溶性の高い膜タンパク質でも細胞質基質タンパク質と同等に定量的に可溶化できるほど溶解能が高い.興味深いことに,これら溶解剤は消化酵素の活性を促進する効果を併せ持っている.PTS法はFilter–aided sample preparationや酸分解性界面活性剤であるRapiGestを用いた方法よりも多くのタンパク質を同定できることが示された.PTS法はこれまで多様な試料に適用されており,膜プロテオミクスだけでなく通常のショットガンプロテオミクスにも効果的な前処理方法である.
著者
菅谷 幸子 吉葉 孝子 梶間 隆 石濱 泰
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.122, no.3, pp.237-246, 2002 (Released:2003-02-18)
参考文献数
15
被引用文献数
12 21

We developed two methods for solubility screening of drug candidates in drug discovery. The first is a solution-precipitation (SP) method, in which the sample solutions are prepared by adding the drug solution in dimethylsulfoxide (DMSO) to buffers followed by filtering off the precipitate using 96-well filterplate. The second is a powder-dissolution (PD) method, in which the solid samples are dissolved to the buffer in the HPLC vial equipped with the filter membrane in the HPLC autosampler. An HPLC equipped with a photodiode array detector is used to measure the concentration of the sample solutions in both methods. The SP method was used for high throughput screening the solvating process of the candidates in aqueous solutions with lower sample consumption, and the PD method was used for screening both inter-molecular interaction in solid state and solvation in aqueous solution with more sample amount than that of SP method. Therefore, the solubility screening from early to final stage of lead optimization process would be successfully accomplished by using both methods complementarily.