- 著者
-
砂原 俊彦
- 出版者
- 日本衛生動物学会
- 雑誌
- 日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
- 巻号頁・発行日
- vol.64, pp.66, 2012
高解像度の衛星画像が急速に普及してきて,地域によっては Google Earthによって無料で利用できるようになってきた.これは衛星を管理する企業が注文を受けて撮影した画像を注文者に販売した後Google社に公開を前提に提供しているためである.したがって,いかなる研究機関や企業,組織からも撮影の注文のない地域では高解像度の衛星画像が存在せず,Google Earthで見ても低解像度の画像しか見ることが出来ない.このような顧みられない場所にこそ顧みられない病気や媒介者が存在し調査の必要性も高いといえるが,衛星写真の注文には高額な料金が必要で,注文から良好な画像の撮影までに 1年以上かかる場合もある.このような地域に対して低コストで迅速に地上の画像を得るために,凧を利用して上空から地上を撮影する方法を試みた.凧はPremier Kites Power Sled 24,カメラは視野角 170度のGoPro HD Hero 960を用い数秒おきのインターバル撮影を行う.撮影された画像はAdobe Photoshop ElementsにPanorama Tools Pluginを組み合わせて幾何補正を施す.この方法の利点はPhotoshopを含めて5万円以内とコストが安いことである.欠点は風が弱いと撮影できないこと,カメラの方向に固定するのが困難なため,ソフトウェア上で画像の幾何補正を手動により行う必要がある点である.