著者
玄田 有史 神林 龍 篠﨑 武久
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.18-31, 2001-03-20 (Released:2022-07-30)
参考文献数
25
被引用文献数
4

成果主義的賃金制度が労働意欲を刺激するには,どのような条件整備が必要だろうか.成果主義が導入された職場でホワイトカラー非管理職の労働意欲が高まるには,能力開発の機会拡大が重要である.それは,性別,年齢,学歴,職種等の個人属性,規模,社員増減,業績等の企業属性の違いを超えてあてはまる.能力開発と並び,仕事の分担や役割の明確化も労働意欲を高め,これらは職場全体の個々の能力を活かす雰囲気も改善する.
著者
神林 龍
出版者
岩波書店
雑誌
経済研究 (ISSN:00229733)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.1-29, 2019-01

1980年代以降ゆらいでいるといわれる日本的雇用慣行について,中長期的な観点から議論したのが,『正規の世界・非正規の世界』(2017年,慶應義塾大学出版会)である.出版以来,いくつかの重要な指摘を受けてきたが,とくに主要な主張に関わるデータがリーマン・ショック以前の2007年に留まっていることが問題視された.本稿では,データを2012年まで延長し,リーマン・ショック以降についても本書の主要な主張,とくに長期雇用慣行の代理変数とした大卒勤続5年以上の被用者の十年残存率と,非正社員と自営業の人口に対するシェアの負の相関は変化がないことを示す.ただし,2012年の総務省『就業構造基本調査』の調査票改訂により,自分の労働契約期間がわからないとする被用者が相当数いることがわかっており,後者の主張は,これらの被用者をどう解釈するかに依存するかもしれない点も確認された.
著者
山口 慎太郎 安藤 道人 神林 龍
出版者
東京大学
雑誌
国際共同研究加速基金(帰国発展研究)
巻号頁・発行日
2017

本年度は、以下の平成30年度研究発表の雑誌論文に示してあるように、多くの査読付き論文を出版するという成果を得ることができた。それらの出版にいたる過程では、下記に記載したさまざまな学会、大学でのセミナー発表を行い、そこでは有意義な討論を行うことができた。また、西宮市と協力して行った保育利用申込者に対するアンケートも集計を行うことができた。それにより、基本的な記述統計を整理し、西宮市に報告書を提出した。平成31年度はデータのさらなる分析を行う予定である。また、学術論文の出版を目標としており、さらなる研究成果が平成31年度に見込まれている。現在は研究実施計画に従って、引き続いてデータ収集・分析の最中であり、今後のさらなる研究成果は平成31年度に得られることが見込まれる。