著者
神田 竜 片寄 晴弘
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2013-DCC-3, no.4, pp.1-7, 2013-01-14

近年,様々な音楽演奏現場で,インタラクティブな操作とリアルタイムレンダリングによる音楽と調和した映像演出が隆盛している.本稿ではそのような映像演出を「ジェネレティブVJ」と呼ぶ.「ジェネレティブVJ」のパフォーマンスは未だ歴史が浅く,その映像制作手法の共有化と再利用化は充分ではない.本稿では「ジェネレティブVJ」の現役制作者の映像制作手法を分析し,個別のパタンとしての記述を試みる.また,抽出したパタンの有用性を確かめる実験として,映像制作初心者にパタンを提供し,音楽と調和した映像制作を行わせる.その結果,映像制作初心者は自身の個性を発揮した上で,音楽構造に調和した映像を制作した.
著者
神田 竜也
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.21-43, 2010-01-01 (Released:2012-01-31)
参考文献数
25
被引用文献数
1 2

本稿では,長門市油谷地区の事例を中心にして,肉用牛繁殖農家の水田放牧導入とその普及要因を明らかにし,水田放牧の規模拡大および新規導入を可能とする条件について検討した.油谷地区における水田放牧の普及要因には,①放牧施設の整備に関連する事業の助成を利用できたこと,②肉用牛飼養の省力化,飼料コストの削減に水田放牧が効果的であること,③畜舎近くのまとまった土地を放牧地に利用できたこと,④地域リーダーの存在を指摘できる.また,放牧地の確保と放牧面積拡大,低コストによる放牧施設の整備,先発放牧農家の指導的役割が,水田放牧の新規導入と継続のための条件として位置づけられる.水田放牧による畜産的土地利用は,耕作放棄の進む中山間地域において,肉用牛繁殖農家の高齢化対策と新たな農地管理策としての可能性を有している.
著者
神田 竜 岩野 成利 片寄 晴弘
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.1061-1068, 2012-03-15

本稿では,複数のモバイルデバイスを組み合わせることで創出する表現の可能性を探るものとして,アニミズムから着想を得て制作したインタラクティブメディアアート「九i九i九」を紹介する.観客の,モバイルデバイスを叩く,撫でる等のジェスチャが,触られたモバイルデバイスに生物特有の振舞いである泣きや笑い等の感情表現を呼び起こすことで,観客の操作と出力の関係性に直感的なインタラクションデザインを施した.また,それらの感情表現を複数のモバイルデバイス間で共有するという演出を行うことで,観客に既存作品にはない新しい体験を提供した.本稿では,「九i九i九」の作品コンセプト,実装および展示の様子について報告する.This paper introduces an interactive media art "Tsukumo-IQ" that was produced with an idea from animism to investigate possibility of the expression to create by putting plural mobile devices together. Spectator's jesture such as knocking, or patting caused emotional display such as crying, or smiling that are behavior peculiar to a creature. These intuitive interaction designs made clear relationships between the operation of the spectator and a relationship of the output. In addition, we provided a few new experiences in an existing work to a spectator by directing to share emotional display between plural mobile devices. In this paper, we report the concept of "Tsukumo-IQ", implementation and the exhibition of "Tsukumo-IQ".