著者
窪田 俊憲 渡辺 知緒 横田 雅司 伊藤 吏 青柳 優
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.115, no.5, pp.540-545, 2012 (Released:2012-09-06)
参考文献数
17
被引用文献数
2 2

突発性難聴に対してステロイド大量・PGE1併用療法を早期に開始することによる治療効果への影響を検討するために, 発症から7日以内に同治療を開始した174例の突発性難聴症例を解析した. 「治癒」「著明回復」「回復」を合わせて「改善」,「不変」を「非改善」として, 改善の有無と治療開始までの期間, 年齢, 初診時聴力レベル, めまいの訴えの有無の4因子との関連を多重ロジスティック回帰分析で検討した. その結果, 治療開始までの期間および年齢と改善の有無との間に有意な関連が認められた. すなわち, 治療開始までの期間が短いほど, 年齢が若いほど治療効果が高くなるという結果であった. 治療開始までの期間による治療効果の検討では, 発症3日以内に治療を開始した症例の治療効果が, 発症4~7日に治療を開始した症例よりも高かった (p<0.01). 50歳未満の症例では, 発症3日以内に治療を開始した症例の治療効果は, 発症4~7日に治療を開始した症例と比較して有意な差を認めなかった. これに対して, 50歳以上の症例では, 発症3日以内に治療を開始した症例の治療効果が, 発症4~7日に治療を開始した症例と比較して高かった (p<0.01). 突発性難聴に対するステロイド大量・PGE1併用療法では, 発症7日以内よりも早期に, 特に, 50歳以上の症例では発症3日以内に治療を開始することで, より高い治療効果が得られるものと考えた.
著者
欠畑 誠治 寺田 小百合 伊藤 吏 天野 彰子 杉山 元康 窪田 俊憲 小泉 優
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

ROCK阻害薬の蝸牛神経障害に対する再生効果をin vivoの実験系で検討することが目的である。蝸牛神経障害モデルの評価には正常群と障害群の比較評価、治療効果判定には障害群(生食投与コントロール)と治療群(ROCK阻害薬局所投与、ROCK阻害薬全身投与) の比較検討を行う。蝸牛神経障害モデルの作製、ROCK阻害薬の投与方法の検討、蝸牛神経障害およびROCK阻害薬作用の機能的・形態学的解析を行う。