著者
竹内 安智
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.305-316, 1990-12-25 (Released:2009-12-17)
参考文献数
48
著者
米山 弘一 謝 肖男 米山 香織 竹内 安智
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of pesticide science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.302-305, 2009-11-20
参考文献数
35
被引用文献数
3 3

被子植物の約1%(3000-4500種)は他の植物に寄生する寄生植物である。寄生植物のなかでも、農業生産に大きな被害を与えているのがハマウツボ科の根寄生雑草ストライガとオロバンキである。ストライガは光合成機能を有する半寄生性で、主にソルガム、トウモロコシ、サトウキビ、イネなどイネ科植物に寄生する。オロバンキは光合成機能を失った全寄生性で、主にトマト、ニンジン、タバコ、アブラナなどの双子葉植物に寄生する。これらの根寄生雑草は、巧妙な生存戦略によってその生息範囲を拡大している。それは、(1)大量の種子を生産し、(2)種子の寿命が長く、(3)種子発芽が宿主由来の化学物質によって誘導されることである。すなわち、根寄生雑草の種子は、宿主の根から分泌される発芽刺激物質にさらされて初めて発芽する。この発芽刺激物質には少なくとも3種類の化合物群、すなわち、ソルガムのジヒドロソルゴレオン、ヒマワリのセスキテルペンラクトン、そしてストリゴラクトン(SL)、が知られているが、最も多くの植物種が生産・分泌している発芽刺激物質がSLである。本稿では、SLの構造多様性と植物界における分布について解説する。
著者
竹松 哲夫 竹内 安智 小笠原 勝
出版者
日本芝草学会
雑誌
芝草研究 (ISSN:02858800)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.129-132, 1981-11-15 (Released:2010-06-08)
参考文献数
4

マルバヤハズソウ (Kummerovia styiata (Thunb.) Schindler) の除草剤による防除方法について試験を行った結果, 発芽前の土壌処理ではmecoprop, tryclopyr, dicamba, atrazineが有効であった。また発芽後の茎葉処理については, 茎葉部が分枝木質化する以前のヤハズソウに対して, tryclopyr, dicamba, 「atrazine+mecoprop」が高い除草効果を示した。葉期の進んだヤハズソウに対しては, tryclopyrあるいはdicambaが効果的であった。以上, 除草効果については, triclopyrが散布水量あるいは展着剤濃度の如何に関わらず安定しているため最も効果的な除草剤と思われるが, 芝草に対する安全性あるいは殺草スペクトラムの面では「atrazine+mecoprop」が有効である。除草剤を使用する際には, 適用場面での雑草の種類密度, 葉期あるいは芝生の状態等を踏えて適切な除草剤を選ぶことが肝要である。
著者
蔡 相憲 向田 賢 平田 貴寛 鄭 憲栽 横田 孝雄 米山 弘一 竹内 安智
出版者
植物化学調節学会
雑誌
植物化学調節学会研究発表記録集 (ISSN:09191887)
巻号頁・発行日
no.38, 2003-10-10

Seed germination of S. hermonthica is induced by stimulants produced by host and non-host plants. The seeds require conditioning in the dark for a certain period before the seeds become responsive to the exogenous germination stimulants. In our experiments, fluridone, a carotenoid biosynthesis inhibitor, shortened the conditioning period and increased the rate of the seed germination induced by GR-24,a germination stimulant. Fluridone was also effective in amelorating the inhibitory effects of light on the conditioning and on the germination.
著者
小笠原 勝 竹内 安智
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

植物カバーマルチを利用した少耕起栽培とは、過度の耕耘による作土の流亡を防ぐための作物栽培技術であり、特に米国において積極的な普及が試みられている。種々の問題を抱えるわが国の農業においても、低投入持続型農業あるいは農薬の総合防除と密接に関連する少耕起栽培の可能性を明らかにする必要がある。そこで、本研究では、「日本における植物カバーマルチを利用した少耕起栽培の可能性」を、ライムギ〜ダイズを例にとり、しかも、実際場面への普及を見据えた実証的な研究として位置づけ、6000m^2の大規模圃試験を実施した。ライムギをカバーマルチとするダイズ栽培の実際は、1)ダイズ収穫、2)ライムギ播種、3)ライムギのマルチ化、4)ダイズの不耕起播種の4つの作業から成る。本研究では、汎用コンバイン、汎用播種機および背負式除草剤散布を用いて、1)〜3)の作業を遂行することが出来たが、4)については、播種精度が牧草地用簡易更新機を用いた場合に著しく低下し、専用の不耕起播種機が開発されない限り、「日本における植物カバーマルチを利用した少耕起栽培の普及」は非常に困難であることが判明した。少耕起栽培の利点は、雑草発生量の低下と、土壌固結の防止において確認されたが、新しい作物栽培技術の導入に際しては、その必要性、意義、経済性を実際場面に則した実証的研究によって評価することの重要性が再確認された。