著者
齋藤 義雄 西田 裕介 河野 健一 竹内 真太
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11405, (Released:2018-09-08)
参考文献数
27

【目的】目的は管理職の臨床指導場面における怒りの一次感情を明らかにすること,性格特性と怒り喚起の関係を明らかにすることである。【方法】自記式アンケートにて,基本項目,性格特性,怒り感情を調査した。対象は30 ~54 歳(平均40.4 歳)の管理職の男性理学療法士22 名とした。怒りの一次感情は12 個の選択語から抽出した。各調査項目間の相関にはSpearman の順位相関分析を用いた。【結果】怒りの生じる指導場面は,後輩指導が21 件で最多。怒りの一次感情は,「困った」「心配」が高頻度出現。性格特性と各調査項目の相関は,外向性と敵意(r = –0.46),協調性と怒り喚起(r = 0.52),自尊感情と怒り喚起(r = –0.49)などに有意な相関が認められた。【結論】管理職の指導場面における怒りの一次感情は,「困った」等が多かった。また,協調性があり,勤勉でなく,自尊感情が低い指導者に怒り喚起しやすいことが示唆された。
著者
齊藤 和快 安斎 健太郎 岡林 務 今城 栄祐 五十子 圭佑 竹内 真太 西田 裕介
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.33-39, 2020 (Released:2020-02-28)
参考文献数
25
被引用文献数
1

〔目的〕JリーグのDivision 2に所属するサッカーチームで発生した傷害(外傷と障害)の実態を調査し,その結果を傷害予防の一助とすることを目的とした.〔対象と方法〕対象は2017年から2018年に所属した選手57名で,傷害発生率,受傷状況,傷害のタイプ,受傷部位,重症度を調査した.〔結果〕2シーズンの傷害発生件数は83件であった.練習中の傷害発生率は3.1/1000 phで試合中は10.8/1000 phであった.下肢の傷害が全体の92.8%で,最も多い傷害部位は大腿部であり,筋損傷が多かった.競技復帰までの日数はsevere(29日以上)が最も多かった.〔結語〕サッカー競技において下肢の傷害予防は必須であり,特に選手特性に応じた個別の予防プログラムを確立するだけでなく,競技復帰までの基準を明確化する必要性が示唆された.
著者
高橋 大生 井口 ゆかり 小川 元大 竹内 真太 西田 裕介 美津島 隆
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第28回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.143, 2012 (Released:2013-01-10)

【はじめに】 熱傷の急性期には早期の日常生活動作(以下、ADL)自立を目指す必要があるといわれている。また、自殺企図による熱傷の症例では身体的問題と精神的問題は並行して治療していかなければならないとされている。今回、焼身自殺を図ったことにより重症熱傷を呈したが、精神状態の変動に留意したリハビリの介入によってADLの向上、歩行の再獲得に至った症例を経験したため文献的考察をふまえて報告する。なお、症例には発表の主旨を十分に説明し同意を得ている。【患者情報】 対象は40歳代女性である。既往歴に大うつ病性障害、解離性障害があり、以前に3回の自殺企図があった。平成X年2月25日、灯油による焼身自殺を図り、当院へ救急搬送された。入院時所見としてTotal Burn Surface Area 50%のⅢ度熱傷、Burn Index(以下、BI)50、気道熱傷の合併を認め、Artzの基準で重症熱傷と診断された。当院ICUに入室し人工呼吸器管理となった。その後、同年2月25日、3月2日、8日に分層植皮術施行し、3月8日より拘縮予防のため理学療法の介入を開始した。5月23日に四肢関節可動域訓練、離床開始となった。【初期理学療法評価(6/3)】 身体機能の評価は安静臥位時HR144拍、呼吸数54回、ROM-T右足関節背屈-10°、左足関節背屈-5°、両股関節屈曲80°、MMT下肢2~3レベル、体幹・上肢3~4レベルであった。基本動作とADL評価は起居動作が中等度介助、起立は最大介助、歩行は実施困難な状態であり、FIMは40点であった。精神機能の評価は短縮版POMSの抑うつ項目が17点であった。問題点として#1. ROM制限、#2. 筋力低下、#3. 運動耐容能低下を挙げた。PT訓練はROM訓練、筋力訓練、起居動作訓練、呼吸指導とし、週5回、1回40分実施した。【治療経過】 初期は関節可動域訓練を中心とした拘縮予防を行った。5月18日、Head-up 40°可能となった。6月7日Tilt tableにて起立訓練を行った。6月13日に平行棒内歩行訓練開始し、6月23日にサイドストッパー型歩行器歩行訓練開始した。6月29日にT字杖歩行訓練開始となり7月4日に独歩開始した。【最終理学療法評価(7/4)】 身体機能の評価は安静臥位時HR121拍、呼吸数36回、ROM-T右足関節背屈-5°、左足関節背屈0°、右股関節屈曲95°、左股関節屈曲90°、MMT下肢4レベル、体幹・上肢4レベルであった。基本動作は全て自立となりFIMは79点であった。歩行能力は10m歩行試験(平地、T字杖)39.6秒、最大歩行距離は独歩で23mであった。【考察】 自殺企図の症例では精神的問題も治療していかなくてはならないとされていることから、本症例に介入する上で精神状態の変動を把握することはリハビリのフィードバックにつながる点で有用であると考えた。そこで精神状態と身体機能の変動を調べ、リハビリに反映していくために身体機能をFIM、精神機能をPOMSで経時的な評価を行った。その結果FIM得点の上昇に伴いPOMS(抑うつ項目)が減少する傾向がみられた。達成体験が自己効力感につながることから、可能な動作が増えたことで本症例の自己効力感が増大し、抑うつの軽減につながったと考えた。
著者
竹内 真太 西田 裕介
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.A1Sh2025-A1Sh2025, 2010

【目的】<BR>ヒトの歩行や走行中、心拍リズムと運動リズムが近付いた際、2つのリズム間で同期現象を示すことが報告されており、この現象はCardiac-Locomotor Synchronization(CLS)と称されている。CLSの生理学的意義の1つとして、活動筋の弛緩のタイミングと心臓の拍動のタイミングが一致し、筋内圧が下がった時に筋へ血液が流入することで、活動筋への血流量が最大化することが推測されている。我々は、先行研究にてCLSを誘発した歩行中と同負荷の自由歩行中の心拍数と酸素摂取量を比較し、心拍数に差がない状態でも、酸素摂取量はCLSを誘発した歩行で高値を示すことを確認した。このことからCLSを誘発することにより歩行中の動静脈酸素含有量格差に差が出ることが推測された。本研究では、CLSを誘発した歩行中と同負荷の自由歩行中の心拍数、酸素摂取量、下腿筋血流量を測定し、CLSの生理学的意義を明らかにすることを目的とした。<BR>【方法】<BR>対象は心血管系疾患の既往がない若年男性8名(年齢21±2歳、身長169.6±3.53cm、体重57.7±4.20kg(平均±標準偏差))とした。対象者は心電図用電極、右踵部にフットスイッチ、左下腿外側に筋血流量計プローブ、呼気ガスマスクをそれぞれ装着し、対象者が運動リズム120step/min、心拍数120bpmとなるトレッドミル速度と傾斜を決定した。次に、以下の2つのプロトコルを実施した。プロトコル1では、CLSを誘発するため、対象者は先に決定したトレッドミル負荷にて、120beats/minのブザーに合わせた歩行を約5分間行い、心拍数が定常状態に達した後、心電図計からのブザーに歩行リズムを合わせた。呼吸リズムは歩行リズムとの比率が1:4となるよう指示し、その際の呼気と吸気の比率は1:1とした。対象者は定常状態にて10分間歩行を行った。プロトコル2では、同様のトレッドミル負荷にて5分間のウォーミングアップを行い、その後定常状態にて10分間の自由歩行を行った。定常状態での10分間を測定期間とした。2つのプロトコルの順はランダムに実施された。プロトコル1から導出された心拍リズムと歩行リズムを用いて、2つのリズム間の結合度を示す指標、位相コヒーレンス(λ)を1分毎に算出した。λは0から1の数を示し、高値であるほど2つのリズム間の結合度が高いことを表す。プロトコル1にてλが0.6を超えている部分をCLSが発生しているととらえ、CLS発生時と自由歩行時を対応のあるt検定にて比較した。またCLSの発生している時間数と、CLSを誘発した歩行と自由歩行の平均値の差(プロトコル1-プロトコル2)の関連を、スピアマン順位相関係数検定を用いて検討した。有意水準は危険率5%未満とした。<BR>【説明と同意】<BR>対象者には口頭にて実験の主旨を説明し、同意書にて参加の同意を得た。本研究は、聖隷クリストファー大学の倫理委員会の承認のもと実施した。<BR>【結果】<BR>プロトコル1にて8人中7人の対象者でλが0.6を超える部分が観測された。CLS発生時と自由歩行時の比較の結果、酸素摂取量はCLS発生時が29.13ml/kg/min、自由歩行時が28.19ml/kg/minでありCLS発生時で有意に高値を示した。筋血流量を示すと考えられるTotal HbはCLS発生時が17.91g/dl、自由歩行時が17.58g/dlでありCLS発生時で有意に高値を示した。心拍数には有意差は認められなかった。CLSの発生している時間数と2つのプロトコル間の差の関連は、Total Hbにて相関係数0.70(p=0.07)、酸素摂取量にて相関係数0.61(p=0.10)であった。<BR>【考察】<BR>酸素摂取量と心拍数では、我々の先行研究と同様の結果が確認された。また、CLSが発生している際に筋血流量が増加することが確認された。更にCLSの発生している時間が長い対象者ほど、自由歩行時よりもCLSを誘発した歩行で筋血流量、酸素摂取量が高値を示す傾向がみられた。以上のことから、CLSが発生している歩行では、同負荷の自由歩行と比較して、筋血流量が増加し、その結果、活動筋への酸素供給量の増大、それに伴うタイプ1線維の活性化、酸素代謝の亢進が起こり、酸素摂取量が増加することが推測された。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR>CLSは若年者よりも高齢者で、また、低強度よりも高強度において発生しやすいことが報告されている。このことは、運動による要求に対し、活動筋と心血管系を協応させることで血液循環の効率化を行い対応した結果であると考えられる。CLSを誘発することによって、運動中の心血管系と活動筋間の協応を導くことができる可能性があり、今後検討を行うことで、高齢者や心疾患患者に対する運動療法として応用できると考えられる。