著者
竹村 昭彦
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.2-5, 2000-01-15 (Released:2011-09-20)

日本酒業界が最悪といわれるほど低迷している中で, 本報ではこれまでの日本酒の方向性 (ベクトル) を「吟味酒」の方向と名付け, これからは「より地域密着, より伝統的, より個性的, より自然」といった方向, つまり「風土酒」の開発が, 日本酒の低迷状況を打破する道ではないだろうか。という筆者の一文である。
著者
石野 光則 池野 栄一郎 鈴木 智隆 竹村 昭宣 北原 辰郎 新関 武史 山内 聡 久保田 功
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.993-999, 2015 (Released:2016-08-15)
参考文献数
5

症例1 : 高血圧, 糖尿病, 喫煙歴のある87歳, 男性. 繰り返す安静時胸痛のため近医を受診し, 不安定狭心症の疑いあり当院へ紹介された. 前医ではわずかであった心電図でV2−4誘導の2相性T波は当院ではより顕著になっていた.  症例2 : 高血圧, 脂質異常症のある61歳, 男性. 胸痛のため近医を受診し, 心電図変化あり不安定狭心症のため当院へ紹介された. 前医で認めていたV2−4誘導で2相性T波変化が当院では消失していた.  症例3 : 高血圧, 脂質異常症のある62歳, 男性. 安静時胸痛のため当院を受診した. 症状は消失していたが心電図でV2−3誘導に2相性T波の陰転化あり入院した. 入院後の胸痛時にはT波の変化は消失し, 翌朝にはV2−3誘導に2相性T波の陰転化がさらに深くなっていた.  3症例とも緊急冠動脈造影を行い, 左前下行枝近位部に高度狭窄を認め同部位へ治療を行った. Wellens症候群とは不安定狭心症の中で, 胸痛を一度自覚した後の症状が消失した時間帯に前胸部誘導でT波に心電図変化を示す症候群である. その心電図変化は症状の消失した時間帯に変化をきたすため見過ごされることが多い. 胸痛を初診する可能性のある医師に対しての本疾患の周知・啓蒙を行っていくことの重要性を感じたため報告をする.
著者
石野 光則 竹村 昭宣 加藤 重彦 安日 智 北原 辰郎 新関 武史 山内 聡 池野 栄一郎 久保田 功
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.1601-1606, 2014 (Released:2015-12-15)
参考文献数
7

症例は44歳女性. 2013年7月下旬より感冒症状あり近医にて処方を受けたが, その後に労作時の呼吸苦と動悸症状が出現し当院を受診した. 心電図で頻脈性心房細動とST上昇を認め, 心エコー図で全周性の壁肥厚と心嚢液の貯留を認めた. 採血では甲状腺機能亢進症が認められ, 急性心筋心膜炎にバセドウ病を背景とした頻脈性心房細動が合併した心不全と判断し治療を開始した. 経過中に好酸球の上昇を認め, 薬剤性を疑い薬剤を中止したが, 1週間後に呼吸苦が増悪した. 好酸球増多症と心エコー図で心肥大と心嚢液貯留の改善を認めなかったため心筋生検を施行した. 病理像では好酸球の浸潤を認め好酸球性心筋炎と診断し, ステロイド投与を開始したところ心不全症状は速やかに改善し, 胸部単純X線写真・心エコー図・採血でも改善を得られた. 薬剤による反応が原因と考えられた急性好酸球性心筋炎に対して, 心不全治療に抵抗を示したが, ステロイド療法により著明な改善を得られた症例を経験したので報告する.