著者
笠原 洋子 越智 啓太
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.9-17, 2006 (Released:2018-06-29)
参考文献数
17
被引用文献数
1
著者
笠原 洋子 厳島 行雄
出版者
法と心理学会
雑誌
法と心理 (ISSN:13468669)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.71-84, 2007

Earwitness研究は、声の再認に関する研究と声から人物識別判断を行う研究の2つに大別される。本研究は後者の研究領域に位置づけられるものであり、その中でも声の様態変化が年齢判断に与える影響について検討することを目的とした。実験1では、声の偽装手段として実際の犯罪場面でしばしば用いられる、「ささやき」の影響について検討した。その結果、ささやくことにより、通常の発話よりも年齢が高く推定されることが示された。刺激として用いた音声を分析した結果、ささやくことにより声が全体的に高くなり、音圧レベルは全体的に小さく変化していた。そこで実験2で声の高さ、実験3では声の大きさを操作した。その結果、実験2では男性発話者は一音下げた条件において年齢が高く推定されることが見出されたが、実験3では条件間に差はみられなかった。これら一連の研究から、声からの年齢判断においては声の高さの変化が大きく影響し、声の大きさの変化は判断に影響を与えない可能性が示された。
著者
小笠原 洋子 野口 佳一
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.459-467, 2000-05-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
8

日記中の天気記録には,日記記主の主観や観測場所・時刻が明記されていないといったあいまいさが反映されている.従来,古日記を利用した気候復元では,これらのあいまいさの影響を排除して復元する方法が検討されてきた.本研究では,日記記主の主観に起因するあいまいさを包含して推定気温を示す手法を検討した.ファジィ線形回帰式を導入すると,可能性としての幅を持たせて気温の推定値を表現できる. 冬季の京都について,1カ月の降雪日数と各月の平均気温との関係を調べた.その結果, 1・2月において両者の間に高い負の相関関係が存在することが確認された.3種類の日記から得た京都の天気記録を利用して,この関係を応用した降雪日数による気温推定を行った.1856年から1865年を対象期間とし,ファジイ線形回帰式を導入して1・2月の月平均気温を推定幅を持たせて復元した.