著者
科学技術政策研究所 第2研究グループ
出版者
科学技術政策研究所 第2研究グループ
巻号頁・発行日
2012-10-25 (Released:2012-11-02)

今年度(2011年度)の調査では、資本金1億円以上で研究開発を行っている3,443社(回答企業1,263社)を対象とし、研究開発支出額や研究開発者数、研究開発活動の成果としての特許やノウハウの創出・管理の状況、主力製品・サービス分野でのイノベーションの実現と収益獲得の現状等のイノベーション・プロセスに係る全体像の把握の他、研究開発活動の国際展開やM&Aの影響、特別試験研究に係る税額控除制度の活用状況について調査した。 今年度調査の結果、昨年度に比べて、社内研究開発費は減少傾向にあり、外部支出研究開発費は増加傾向にあることが明らかになった。また、研究開発成果としての特許出願数も増加していることがわかった。主力製品・サービス分野で技術的な新規性を持つ新製品・サービスを生み出した企業は全体の4分の1強、新工程を生み出した企業は5分の1程度であった。 研究開発の国際展開について、海外に研究開発拠点を持つ企業の割合は昨年度と比べて若干増加している。M&Aについては、M&Aのタイプにかかわらず、他社によるM&Aは新規技術の研究開発の着手等の企業の研究開発活動に影響を与えることが示された。特別試験研究に係る税額控除制度を利用したことがある企業は、回答企業全体の3.4%であった。利用した企業の制度に対する満足度はおおむね高かったが、一方で制度の存在を知らない企業、知っていても利用制限事項に抵触していて利用できなかった企業等が数多くあることが明らかとなった。